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『世界は笑う』観劇感想

『世界は笑う』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作)
@シアターコクーン
2022.8.13 13:00開演

(ネタバレあります)

(まだ公演は継続中です)

コロナの影響で初日が延期になったらしい。観る側はだいぶ今までを取り戻してきた感覚だったけど、つくる側はまだまだなんだろうなぁ。
夕方には台風上陸というので、レインコートまで準備して久しぶりのBunkamuraへ。渋谷の地下はだいぶ歩きやすくなって、わりとスムーズに109の辺りまで地下を歩ける。
1階席の最後列。荷物が置きやすくて助かる。(あと、休憩時に補給食摂るための場所も近かった。Bunkamura裏の地上に繋がるドアが開放されてて、そこでだけ飲食OK。通りすぎる人に見られながら食べるので旭山の動物の気分を味わえた)

休憩入れずに計約4時間。まぁケラさんの芝居だが、だとしても長いほうか。観る前には怯えていたけど、出てくる全員が芝居が上手なので、それを見てるだけで楽しい。なので長さは感じなかった。
最初の感想はあっさり終わったなぁ、というもの。それはたぶん僕が主人公(と思われる)彦造と初子に注目していたからで、実際は群像劇的なお話なので、妥当な終わり方だとは思う。

個人的にはケラさんの芝居は、登場人物の少ない芝居が好き。『フローズン・ビーチ』や『消失』など。
登場人物が多いと何か劇的なことが起こっても全員の心を動かすのは無理があるので、どうしても群像劇的にならざるを得ない。それが単に個人的な好みとしてもう一つ好きになれないというだけ。
今回も劇的なことは起こらない。前半終わった時は「兄が役者に抜擢→弟の脚本で兄が人気俳優に→弟微妙な感情」とかの流れを予想(期待)したけど、最後まで兄弟の関係は変わらない。そこにフォーカスされたお話ではなかった。

演技は皆うまい、セットも衣装も凝っている、映像表現を含めた舞台芸術として素晴らしい、だからどのシーンも見応えがある。
チケット代に見合う素晴らしい演劇だと思う。
ただ、それだけと言えばそれだけ。
not for meとまではいかないけれど、これってどういうお客さんのために作られたお芝居なんだろう、とは思った。

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