『関数ドミノ』観劇感想
『関数ドミノ』(イキウメ)
@東京芸術劇場シアターイースト
2022.6.4 13:00開演
(ネタバレあります)
たぶんこの演目を観るのは3回目。初演と、2017のイキウメじゃないバージョンは観ていないと思う。
細かくいろいろ変わっている気がしたけど、安井さん浜田さんのとこの配役が変わってないからか、前回(2014年)から大きく変わった印象はなかった。
ひとつだけ、ラストの方で「人の人生は自分の意志で変えられる」というメッセージが強めに提示されているところがあったけど、そこは少し違和感を感じたかなぁ。
僕自身は安井さん演じるマカベの意見、「誰かがドミノだと分かれば、理不尽をそいつのせいにできて心がラクになる」というのに同調できるので、真っ当かもしれないけど逃げ場を許さないような上記のメッセージには正直しんどさを感じるのだ。
他責せずに生きていける状態は理想かもしれないけれど、実際に世界が根本的なデザインからして理不尽にできている以上、何かのせい誰かのせいにしないで生きていくのって単純に精神を削るだけじゃないかと。自責的な人間の方が組織としては扱いやすいから、そういう教育が施されてきたわけだけど、それってシステムに要請されて人間の考え方を規定してないか。
マカベとその前妻の意見の違いは違いとしてあっていいと思うけど、どっちかを正しいとして押し通してるように今作では見えてしまって、そこがちょっと居心地が悪かった。
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