銀河フェニックス物語<少年編> 流通の星の空の下(1)
この物語は、レイターとアーサーが十二歳。出会って一か月後のお話です。
・銀河フェニックス物語 総目次
・【少年編】のマガジン
・第二十話「バレンタインとフェアトレード」
コンテナ牽引船の操縦席に座ったアーサーは、耳をふさいだ。
「なあ、ちょっとでいいから操縦させてくれよ、なあ、なぁ。あんたより俺のが絶対上手いぜ」
隣の助手席に座るレイターが、とにかくしつこくてうるさい。
その日、料理長のザブリートさんが、レイターを連れてデパ星系へ食料の買出しへ出かけることになり、僕