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【documenta fifteen(ドクメンタ15)と逗子】

3/20 (日) 逗子トモイクフェスティバルの一環として「逗子のまちとアートを考える”ドクメンタ壮行会”」と題したトークセッションを企画させていただきました。


写真家でシネマ・キャラバンを主宰する志津野雷さん、現代美術家の栗林隆さん、CINEMA AMIGO館長の長島源さん、桐ヶ谷市長、逗子アートフェス実行委員長の菊池さんが参加し、逗子のまちとアートについて考えるトークセッションとCINEMA CARAVANの「documenta fifteen(ドクメンタ15)」への壮行会を行いました。

市長の挨拶に続き、2017年からプロデュースで携わってきた逗子のアートによる地域コミュニティーについて、簡単にご紹介しました。行政主導のアートフェスからはじまりましたが、逗子市が財政破綻となり、制作予算が0になり、アートフェスの存続が危ぶまれた時、市民が行政予算に頼らず自発的に企画運営に関わり、市民と行政が協働で行うアートフェスを開催するに至った経緯をお話しました。

 アーティストが主体的にまちを表現の場にしていく中でアートフェスを通じて生まれた人の繋がりが町のコミュニティーとなり、制作過程には延2000人以上が関わり、老若男女が参加して市民によるアートフェスが確立していきました。心掛けていたのは「子どもが帰ってきたいまち創り」です。観光や産業で地域を活性化するのも手段ですが、本質的な持続可能性は親子で一緒に作った作品や参加したイベントで子ども達が逗子の町を好きになってくれたら、きっと成人しても逗子に戻ってきてくれる。そんな思いで7年くらい続けていたら、何もない逗子が、昨年<住み続けたい街2位><まちの幸福度3位>に選出されました。今年はさらにdocumentaへの参加で逗子市がさらに注目を浴びることになるでしょう。

長嶋源さん、志津野雷さんは逗子海岸映画祭について、映画祭とは言っていも主役は映画ではなく人であるといいます。そこに集まる人の技術や経験、感性を多角的に表現し、つながる場、気づきのための場を作ることが目的で、旅で出会った仲間を逗子に招いて国籍や年齢を問わず人が交わるプラットフォームが逗子海岸映画祭です。そんな視点から生まれたのが2020年の逗子アートフェスでも上映した志津野雷さんの終わらないロードムービー「play with rarth 」です。

そして、栗林隆さんからは「documenta fifteen(ドクメンタ15)」についての説明がありました。今年開催されるdocumenta fifteenのメッセージは<no art、make friend:友達作ろう、アートはいらない>。
世界中の地元とコネクションを持ちコミュニティーを広げているアーティストを中心に招聘されているそうです。世界の人々が繋がることが今回のdocumenta fifteenのテーマでもあります。開催している間だけでなく、そこで知り合ったコミュニティーがその後、どうやって繋がりを持っていくか<アフォター・ドクメンタ>も大事でアートでつながる国境を超えたネットワークにこそ価値があるという話でした。栗林さんも話の中で「アートなんか別に好きではない」と言っていました。やっていることはアートなんだろうけど、アートが目的なのではなく内発的にやりたいことをやっていたら気がついたらそれがアートになっていた。という意味だと思います。

世界が注目するドクメンタで100日間を通じて「逗子」でやっていることを紹介する為にCINEMA CARAVANが参加します。
「大地の芸術祭」の様な成功事例とされる芸術祭は企業や国からの予算と国内外の錚々たる現代アーティストが何もないところに新しい価値をもたらしました。そこに、シビックプライドが生まれ町の活性化が推進されるパターンでしたが、逗子は全く逆と言えます。予算もない、観光もない、産業もない。。。逗子は市民が自立的に「やりたいこと」を開催し続けたことから、世界のコミュニティーにつながっていくという素晴らしい展開になっています。
何もないからこそ、市民がやりたいことをやらせてくれる逗子だからできること。市民と行政が絶妙のバランスで共創する町の持続可能性が逗子に見えてきました。


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