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【縄文式アートの覚醒本】

day3  『日本の伝統』 岡本太郎
「芸術は爆発だ!」でぶっ飛んだ芸術家のイメージですが、イメージとは裏腹に、まさに縄文アートを自らの感動を交えながら客観的な視点で思考している本です。この本では縄文の感性を民俗学、人類学の視点で客観的に分析し日本のアートの源流だと語っています。

「縄文土器にふれて、わたしの血の中に力がふき起るのを覚えた。濶然と新しい伝統への視野がひらけ、我国の土壌の中にも掘り下げるべき文化の層が深みにひそんでいることを知ったのである。民族に対してのみではない。人間性への根源的な感動であり、信頼感であった」

縄文は古代以前の野蛮な未開人の時代(原始時代)とされ歴史の教科書はほとんど出てきません。1万年続いた日本史の中でもっとも長い時代であるにもかかわらず、消された歴史になっていました。岡本太郎さんは、狩猟採取民族である縄文人の根源的な表現と空間認識を高く評価し、弥生時代以降の封建的な農耕社会からはじまる資本主義の進歩に関して、その限界を指摘していました。大阪万博で”太陽の塔”を作りますが、一方で「万国博のテーマ“進歩と調和”には反対だ」「人類は進歩なんかしていない。何が進歩だ。縄文土器の凄さを見ろ。ラスコーの壁画だって、ツタンカーメンだって、いまの人間にあんなもの作れるか」と述べています。

新たな遺跡の発掘や最新の調査方法で縄文が優れた社会構造や美的センスを持ち合わせていた事が分かり始めています。この縄文の発見はアートを超えてポスト資本主義、循環経済や未来に向けた社会構造への大きなヒントにもつながると思っています。

縄文についてはここに詳しく書いています。


興味ある人はぜひ読んでみてください。


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