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【もしも、ザッカーバーグがメタバースではなくAIだったら】

なぜ、ザッカーバーグがメタバースを選択したか?
iPhoneという社会インフラを持つAppleに対しFacebookはSNSプラットフォームであり、モバイルプラットフォームの配下にあるところから、戦略的に自社プラットフォーム、生活基盤となる新たな「場」を持つことが主な目的であったろうが、一方で本人的には肥大化したSNSの有害性や経営スタイルが元従業員によって告発されるなど米連邦議会含め社内外から厳しい評価を浴びたザッカーバーグ。
もし自分がザッカーバーグだったらたら、どこか別の世界を創って逃げ込みたい。そこがメタバースだったのではないか?という勝手な妄想から膨らませてみます。

2008年にトヨタのメタバース「メタポリス」を企画しました。

正直、今のメタバースでできる事とそんなに変わりないです。
その時思ったこと、、
"自分が世界を創れるんだ!"という妄想です。
それが、過酷なプロジェクトを実現まで漕ぎ着けた原動力でした。都市設計から経済、娯楽からコミュニケーションまで、全てを思う様にデザイン&設計できました。

大袈裟ですが創造主の気分を味わう事ができたのです。

そんな自分からするとザッカーバーグが仮想空間に逃げて、誰にも邪魔されずに世界構築したくなる気持ちはなんとなくわかります。(ちなみに、イーロン・マスクは火星に脱出しようとしてますね)
彼の想いがそうであったかは妄想の域を出ませんが、事実、地上はすでに生きづらい、、メタバブルの崩壊で彼はいくつかの選択ミスをしています。

1.開発途上国なのに、、
メタバース事業に参入した当時、機能的に発展途上としか言いようがない”Meta Quest”と会議システム”Horizon Workrooms”しか所有していなかった。
実際にアバターでHorizon Workroomsの会議をやるとわかりますが、まず続かないです。

確かにZOOM会議とは違ってアバターとなることで、心理的安全性を感じたり、雑談ができたりという面もありましたが、ヘッドセットが重い、さらにヘッドセットをつけた状態でバーチャル空間でPCの操作がほんとに難しい。フインガートラッキング(ユーザーの実際の手の動きをアバターへ反映できる機能)が曖昧でキーボードがまともに打てない。コロナ禍とうこともあり、新しい会議としての提案の結論はZOOMでいいじゃん。

2.メタバースバブルが崩壊
投資家達のメタバブルが起きました。Facebookが「Meta」に社名を変更し、ザッカーバーグは「メタバースがインターネットの未来になる」と主張しメタバース分野への1兆円規模の投資を行うと発表。GoogleやMicrosoftなどがメタバースへの投資を開始しているため、メタバース時代の到来が予想され2020年代末にはメタバース市場が1兆ドル(約130兆円)市場になるとも予想されました。ソニーグループも「フォートナイト」を運営しているEpic Gamesに14億5000万ドル以上の出資をしています。

ところが、Meta社のHorizon Workroomsの2022年末時点の月間アクティブユーザー数は目標の50万人に対し2022年10月時点で20万人を下回っておりその後も伸び悩んでいることが予想され、2022年3月のVRゴーグルMeta Questの世界シェアは88.7%に達し、ほぼ独占していたと言えますが、1年後の2023年1-3月には47.8%にまで低下しています。(調査会社IDC)
メタバース事業の売上高は、社名を変更した2021年10-12月期の8億7700万ドルをピークに2023年1-3月期に3億3900万ドル、4-6月期に2億7600万ドルとピーク時の3分の1以下に縮小しています。(https://media.monex.co.jp/articles/-/22807
さらにザッカーバーグ本人のメタバース自撮りのクオリティーが低すぎて話題になったり、、メタバースは死んだとも言われています。

3.Facebookのアカウント必須
初期のMeta QuestはFacebookアカウント連動が必須でした。実名アカウントと連動!?それ最悪なんです。
2021年頃のメタバース国勢調査(https://drive.google.com/file/d/15fFnLDQ8v_QfQ76-FGb_13LUJhvhBFBT/view)によれば、実名は全体の2%、男性の8割が女性アバター、さらに亜人間(コスプレ的)が44%だったことからもわかる様に匿名どころか異性でいる事がメタバースの大多数を占めていたところに実名は全く逆行しています。ということで2022年8月より、その必要がなくなりました。

4.経済効果
メタバース上の経済は広義で言えば仮想空間で展開されるゲームのアイテム購入などインセンティブを得られるものと、ほとんど注目されなかったSecond Life内のクリエーターエコノミーで、現時点ではトークンエコノミーではありませんがSecondLifeのGDPは日本円換算で約800億円だそうで、ユーザー同士のアバターやアイテム購入によって経済が成り立っている、つまりそこには経済と生活があるということです。

私の知る限り、現時点で国産メタバースでの物品を購入するには、わざわざwebサイトまで出ないと買えません。これはメタバースの経済とは言い難いものです。

「メタバースビジネスの実態調査」によれば「事業化の成否が判明した取り組み」のうち、91.9%が事業化に失敗したというレポートもあります。

こんな背景もあり、メタバース熱は冷めたようですが、、
本題に戻ります。
上記の要素から、もしザッカーバーグがchatGPTを持っていたら?

あくまで、妄想ですよ。
chatGPTをFacebookと連動させるのではないか?

そこで何が起きるか?私のデジタルツインが生まれてしまう可能性があるという事です。
META社が唯一持っていたメタバースアプリケーションは”Horizon Workrooms”がビジネスシーンでバーチャル会議しましょう!という提案だとすれば、実名性は当然です。
ザッカーバーグは仮想空間に実名性とビジネスを持ち込んだ。だからこそFacebookとのアカウント連携だった。
ということはchatGPTの利用条件にFacebookの連動があったとしたら、chatGPTに個人情報を学習させることで個人の趣味や趣向、思想、言い方までバーチャルに再現する事ができます。自撮り写真があればAIが学習し自分そっくりのアバターを生成します。
さらに個人のクレジット情報、金融や医療関連情報、あマイナンバーカードが紐づきブロックチェーンにつながると改ざんできない個人の履歴DID(Decentralized identity:分散型アイデンティティ)としてデジタル人格が保証される様になるでしょう。
そこではじめてDAO

が成立するんですが、、ただこれにも大きな問題があってWEB3的に個人情報を中央集権的(現META社)に管理されることはNGなので、ありえない話ですが。。。

ということで、非現実的な話のように思いますが、将来的には仮想通貨が一般化し、上記のような経済圏がメタバースに発生し、最終的にはオンライン上で国境や人種を超えて内発的に繋がっていく信頼のコミュニティーを中心にしたオルタナティブでデジタルな自律国家「Network state」にいきつくのではないか、、、という壮大な妄想でした。


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