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SDGs10時間リレー生配信

みなさん、こんにちは。オンラインフリースペースよんはちのゆごです。

先日よんはちが主催いたしました『SDGs10時間リレー生配信』の企画に参加していただいた全てのみなさま、本当にありがとうございました。 SDGsに含まれる17のゴール、169ものターゲットを一度にざっと俯瞰できるようなイベントを、という思いで開催できたこと。そして、無事終えることができたこと。心から感謝いたします。

さて、企画に参加していただいた各団体さんに関する詳しい記事は、それぞれ別に掲載しておりますのでそちらをご覧ください。(後の章で、各団体毎に記事のURLを貼ってあります)

でも、「10個も記事を読む時間ないよ〜」という方。ご安心あれ。

というわけで今回は、この10時間にもおよぶ長丁場な企画を、短くギュッとまとめたものを書いていこうと思います。(それでもそれぞれの記事は、全て興味深いものばかりなので、是非是非ご覧ください!!)


SDGsってなんなの?

今回の企画のタイトルにもある「SDGs(持続可能な開発)」ですが、ここではまず、簡単にSDGsとは何たるかを説明しておこうと思います。

「SDGs」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のためのアジェンダ2030」に含まれている、2016年から2030年までの国際目標です。

もともとは2001年に採択されていた「MDGs(ミレニアム開発目標)」をアップデートする形で決められたこのSDGsですが、今では多くの企業や学校、またスーパーマーケットなどでも実践されています。

そんなSDGsには17個のゴールと169個ものターゲットが記されています。環境、海洋保護、人権、労働、ジェンダー問題など、現代社会における人々の生活、また人類が生存するために解決されるべき諸問題がその対象です。

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国際連合広報センター公式サイトより)


本イベントの経緯

今回SDGsリレー生配信を開催するに至って目標としたこと。それは、


「異分野間の交流促進に寄与したい」でした。


SDGsの17の目標のうち、1〜16番目の目標は具体的な事例が数多くあるので、どういった問題があって、どういった解決策があるのか、というイメージがつきやすいと思います。

しかし、17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」はどうでしょう。 少し抽象度が上がったような気がしませんか?

私たちが生きている現代社会には国際的な問題が山積みですが、それらの多くは複数の要素を含んでいます。例えば、最近テレビなどでよく聞くようになった「教育格差」。この言葉ひとつをとっても、切り取り方によって見る観点が変わってきます。

「教育」については、SDGsの4番「質の高い教育をみんなに」。「格差」は、16番「平和と公正をすべての人に」。場合によっては1番の「貧困をなくそう」や、10番「人や国の不平等をなくそう」などにも関わってきそうですよね。

SDGsの諸目標が解決を視野に入れている問題の多くが、このように複数要素が絡み合った状態にあり、確固としたあるひとつのアプローチでは解決は難しいのです。

そこで今回よんはちは、このオンライン普及の波を利用し、SDGsのうち1〜16番を実践している企業、NGO団体や学生団体にイベントを行なってもらいました。またそれらを通じて、分野の垣根を超えた議論や交流ができるようなSDGsイベントを開催しよう、という経緯がありました。


各企画について

午後1時からは、Wake Up Japanから代表の鈴木さんに登壇していただき、「若者と政策決定」についてお話ししていただきました。

民主主義を謳っている国の多い中、そこで決められる政策の効果が現れてくるのは私たちのような若者世代。しかし実際に若者が直接、政治に関わることは難しく、その声はあまり汲み取られていません。

若者が政治に関与した各国の例と比較して、日本がどうだったのか。またこれから、どうしたら若者の政治関与がメジャーになるのか。非常に考えさせられる1時間でした。

続く1時間は、グリーンピース・ジャパンよりコミュニティビルディングを普段なさっている儀同さんに登壇していただき、「気候危機と私たちの生活」についてお話ししていただきました。

近年の異常気象がなぜ発生するのか、またその影響については専門家の中でも意見が分かれるそうです。しかし実際に、私たちのような民間レベルでは何ができるのかという議論は、環境問題を考える上で必要不可欠。

科学的根拠をもとに日々調査しているグリーンピースの活動も併せて知れたことで、将来グリーンピースでのキャリアを考えた人もいたのではないでしょうか?

午後3時からは、「若者と政治の距離を近づける」を理念に持つ学生団体 ivoteから、清水さんと槇原さんに、「教育格差」をテーマにプレゼンしていただきました。

この時間では、何が教育格差を生み出し、その格差を是正する方法について、活発的すぎるほど活発に議論が行なわれました。「1時間が短い!」「知らないことだらけ!」という声も寄せられ、多くの実がなったのではないかと思います。

午後4時からは、UMINARIから森さん、須佐さん、井上さんに「プラスチックごみのいま」と題して、海洋生物だけでなく私たち人間への、プラスチックの影響についてお話ししていただきました。

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WWFジャパン公式サイト掲載記事より)

海のなかでプラスチックが完全に消えるまでには非常に長い時間がかかる事実や、人間も無意識にプラスチックを口にしているということを聞いて、終始開いた口が塞がりませんでした。

続いては、グローカルリンクから森さん、PEARカーボン・オフセットから佐々木さんのお二人をお呼びして、「うんちとおしっこの有効な使い方」に関するプレゼンをしていただきました。

日本は古来から農耕民族として糞尿を農業に利用してきましたが、この伝統的技術をもとに、世界規模でのコンポスト事業に取り組むお二人の活動に感銘を受けました。

午後6時からは、かものはしプロジェクトから小野さんと東さんに「国際NPOで働くこと」についてお話ししていただきました。

SDGsのように世界規模での取り組みをするためには、世界で活動する団体に所属することが求められますが、お二人の個人的経験、また他のスタッフへのインタビューを通して、かものはしプロジェクトで学生インターンとして働くことの意義について教えてくれました。学生という立場でも、多大な社会貢献をしているお二人の姿勢に尊敬の念を抱いてならなかった1時間でした。

続いては、大人なバナナプロジェクトよりきたもとさん、きたがわさん、なかだいさんの3名に登壇していただき、「大人な(茶色い)バナナ」についてプレゼンしていただきました。

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大人なバナナプロジェクト CampFire掲載記事より)

それぞれの留学中の経験から大人なバナナの魅力に気づき、あまり世間では日の目を見ないそれらを使って、食品ロスを防ぐ活動をエネルギッシュに語ってくれました。

次は、株式会社SEELSより代表のセサルさんと、文筆家の中島さんに「フィリピン人女性と日本社会」についてプレゼンをしていただきました。

著書『フィリピンパブの社会学』を執筆した中島さんのフィリピン人女性の日本社会での生き方に関する短い講義ののち、セサルさんの行なってきた英語教師養成事業について教えていただきました。

母国の家族を養うために出稼ぎに来た日本で、不平等を被るフィリピン人女性にフォーカスしたこの企画は、どこかで見聞きしたことだけではわからないことばかりで、エスニシティやジェンダー問題を考える上で、本当に勉強になりました。

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共同通信社掲載記事より)

午後9時からは、武蔵大学4年の岸川さんと、学習院大学4年の正生さんによる学生対談企画「住み続けられるまちづくり」が行なわれました。

災害時の適切な情報収集のためのラジオの活用やハザードマップの確認など、都内に住んでるとどうしても気にすることの少ないことについてお話ししていただきました。私もこの対談を聞いたのちに、防災バッグを準備しました......。

そして最後の1枠は、「芋が世界を救う!?」と題して、東京大学4年の田口さんに食料問題をとりまく現状と、イモ類の魅力についてお話ししていただきました。

紛争、異常気象、貧困など様々な要因によって引き起こされる食料問題を、埋めれば育つイモで本当に解決できるかも、と思ってしまうほど、イモに魅了された1時間でした。また食料問題については、大人なバナナプロジェクトと重なる点もあり、比較検討することも非常に興味深かったと思います。


当日のリレー生配信

当日は午後1時から午後11時まで行ないましたが、どの時間帯の企画でも活発な議論が交わされていました。zoom内での直接な質問やチャットのコメント。さらには、配信先であるyoutubeでのコメントなど、企画に参加するすべての人が自由に発言できる環境ができていたと感じます。

また企画を担当してくれた各団体さまからは、現代を生きる人として学ぶべきことだらけのプレゼンをしていただきました。若者と政治、海洋ゴミの行方や、排泄物を利用した完全リサイクル社会など、どの企画をとっても私たちが考え、実行し、また後世のためにも達成しなくてはならない問いかけばかり。

私もイベントに参加しながらメモを取っていましたが、大事なキーワードや事項ばかりで、今読み返しても貴重な時間だったと思います。

参加者に対して行なった事後アンケートには、「自分も社会を変えていきたい」「こうした問題解決に関わっていきたい」といった声も寄せられ、開催できたことへの達成感も感じられました。


これから

今回はSDGsリレー生配信企画と題しまして、主にSDGsについてお話ししてきました。しかしこの範疇に収まりきらない問題も、われわれは抱えています。よんはちはオンラインフリースペースとして、これからも活発的に情報の発信やイベントの企画・開催を行なっていきたいと考えています。

改めて、今回この企画に関わっていただいた各団体さま。zoomやyoutube上で議論に参加していただいたみなさま。またこの企画を当日まで動かしてくれた、他のよんはちメンバーにも感謝を申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

オンラインフリースペースよんはちに関する記事は、こちら

(参考画像)

国際連合広報センター|SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン

WWF|G20大阪サミット前に海洋プラスチック汚染問題解決への政策提言を実施

Camp Fire|捨てられる茶色いバナナを救いたい!【“大人”なバナナプロジェクト】

株式会社共同通信社|フィリピンパブの変遷


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