見出し画像

心休まる「楽園」を求めて~小松未歩 #楽園ナイト

はじめに

こんにちは、2000年前後のbeing作品の歌詞の解釈について書いている「品川みく」です。
今回は、9月22日(木)22:22~23:22に開催予定の#楽園ナイト に向けて、小松未歩「楽園」(2003年)について書きます。

私自身の解釈:彼にこの家から連れ出してもらいたい

「暗く淀んだ町に生まれてもがき苦しんでいた」けれど「愛しいあなたと出逢えた」ことで人生に希望が見えていく。

けれど、「あなた」には「このままどこか奪い去って欲しい」と強い行動を求める一方で、主人公の方はというと「涙に溺れても恰好つけずいられそうで」「愛で世界救えそうで」と、ゆるやかな希望や願望にとどまっています。

相手が主導するような恋愛でも「僕らの行方」や「alive」などでは自分で未来を選び取っている感じがしますが、「楽園」では本当に受動的で、「あなた」への依存が強いです。

「奪い去って欲しい」という表現も独特です。「奪う」というのは「本来誰かのモノ」を「強引に自分のモノにする」という意味だと思います。「唇を奪われたい」と言えば、彼にやや強引にキスをされたい、自分が「彼のものになりたい」という願望を表現しているものと思います。けれど、この曲での「奪う」というのは、自分自身からというより、自分を支配している誰かから「奪う」という意味なのかもしれません。

例えば、主人公は家庭内で虐待されている、虐待されているとまでいわなくても親が自分に無関心、あるいは過干渉で親との関係がうまくいっていないのかもしれません。

「暗く淀んだに生まれて」と歌ってしまうと意味があまりに強すぎるので、そこは少しぼかして「暗く淀んだに生まれて」と歌ったのかな、なんて想像しています。「すべて捨ててついていく」というのは、自分の家を出て新しい暮らしをしたいことの願望を表しているのではないでしょうか。

自分の家の居心地が良くなくて、かといって自分から飛び出すほどの勇気は持てなくて。そんな中でできた恋人にこの家から連れ出してもらうことを期待している。そんな曲だと私は解釈しました。

ケセラセラさんの解釈からさらに連想すると

#楽園ナイト  の開催に向けて他のファンのこの曲の解釈が集まってきています。現時点までにnoteに解釈をまとめてくれたのは4人です。

花の砂時計さんは、恋愛依存で依存の対象を変えていく主人公像と、自分の子どもに生きがいを見出す主人公像の2通りの解釈を披露しました。

スリトンさんは、気分を一新するために子犬との新生活を始めるストーリーを描きました。

のりさんは、スクールカースト下層にいる女の子がSNS上で仲良くなれる男の子に救いを求めている姿をイメージしました。

ケセラセラさんは、保健室登校している女の子が優しくしてくれる先生に抱く恋とも信頼ともわからないような感情を描いたものととらえています。

この中で、私が特に好きだったのはケセラセラさんの解釈でした。

保健室登校になっているのは、いじめを受けたからなのか、いじめとまでいかなくてもうまく環境になじむことができなかったからなのかはわかりません。けれど、いまいる環境をとても辛く感じる中で自信を失ってしまった主人公をイメージすると、こんな主人公の心情が想像されてきました。

学校は辛いけれどここでなら安らげる。
いつまでもいまのままでいいとは思ってはいないけれど、いまはまだ歩き出す勇気が持てない。
自分一人では飛び出す勇気は持てないけれど、この先生とだったらどこへだっていけそうな気がする。
このまま先生が私をどこかにつれていってくれないかなぁ。もしそうなったら全て捨ててついて行くんだけれど…

「奪い去って欲しい」は歌詞としてはすごく強い言葉なのですが、歌い方には強さを感じられず、実現されないことが自分でも分かっている淡い願望のように聴こえます。コード進行としてもこの曲は「安らぎ」が強調されているようで、安らげる空間にいるからこそ抱けている淡い願望というのが小松未歩が「楽園」で描きたかったものなのかもしれません。

おわりに:9/22をお楽しみに

えいちびぃさん、花の砂時計さんと始めた小松未歩の歌詞解釈ラジオ企画も次回でもう7回目。スピーカーは、前回参加の、まこさん、のりさん、kazuさん、スリトンさんに加え、新たにケセラセラさんを迎えて8人まで増えました。
 
歌詞の解釈に正解はないですが、小松未歩の楽曲を長年愛してきたファンたちが作り込んだ楽曲のイメージをお互いに語り合い、楽曲の楽しみ方をさらに増やしていけることはとてもうれしいです。まだまだこの曲、私の知らない一面が残されているかも。まだまだ小松未歩に新しい見方があるかも。

放送は、9月22日(木)22:22~23:22。ご都合がつかない方も後から1か月ほどは録音を聴くことができますのでご安心ください。もしちょうど都合がつく方は、ぜひリアルタイムで「#楽園ナイト」をつぶやきながらご参加ください。

それでは、また。お会いできる方は、22日に、よろしくお願いします。