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楽園

こんばんは、のりです。
小松未歩歌詞解釈の掌編小説も第3弾となりました。
ラジオメンバーには言いましたが本当にこの主人公の精神年齢設定いくつなの?
言葉選ばずに言わせてもらうと悲劇のヒロインに酔ってんじゃねぇよと。
正直この主人公には全く共感しないしこんな気持ちになったことないので理解出来ません💦
でも何故か人気のある曲なんですよね。
楽園に決まった時「マジかぁ…」って思いました笑
私どうやっても不幸にしかならないけどいいかな?って笑
楽しい話ではないです。よろしくお願いします。


楽園

自然に目が覚めた朝。
時刻は5時20分。
目覚ましがなる1時間10分も前だ。
寝返りを打ちもう一度夢の中へ行こうとするが、もう夢への扉は固く閉ざされていた。
自分の寝起きの良さを私は恨んだ。
支度して、偽りの笑顔の仮面を付けるまでの時間をどう過ごそうか。
下に降りてしまえば、母に心配かけぬよう、笑顔で明るくおはようと言わなければならないのだ。
本当は学校なんて行きたくないのに。
私はSNSを開いた。
「はやく、めが、さめた」
独り言を呟くように口に出しながら文字を打つ。
こんな時間に返信なんて来ないだろうけど。
タイムラインを遡り、暇つぶしに眺める。
そろそろ制服に着替えようと言う頃、レスが付いた合図が鳴った。
KEN 『おはよう!そういう時あるよね!今日も暑そうだねー😭』
私は少しだけ笑みが零れる。
最近よくレスをくれる男の人。
どこの誰かも知らないけど、レスが付くだけで、私はこの世界にいていいんだと思える。
このレスがあるだけで、今日も頑張ろうと思えた。
制服という鎧に着替え、笑顔の仮面を付けてリビングに降りる。
制服は本当に鎧の様に重たく、私の肩にのしかかる。
「おはよう!」
明るく笑ったフリをして母に声をかける。
母も私を振り返り、「おはよう」と笑う。
トースト、目玉焼き、ウインナーにサラダにデザートのオレンジ。栄養バランスの考えられた朝食。私のために作られたお弁当。
幸せなはずなのに、それを重たく感じる自分がいる。
まるで、こう在らなければならない、それ以外は許されないような、そんな感じがする。
食欲なんてないけど、残すことは許されない。
牛乳で無理やり中に押し込むと、忙しそうにカバンを肩にかけ、「いってきます!」と言う。
「行ってらっしゃい、気をつけてね」と、母は優しく言う。
靴を履くためしゃがみこむ時、私は仮面を脱ぐ。
玄関のドアを開けたら、もうそこに現実が待っている。

学校という小さな箱の中にはヒエラルキーが存在する。
私はその最下層。
上層部の人間には逆らえない。
教師でさえもそのトップではない。
ヒエラルキーのトップには、頭が悪くて、言葉が汚くて、自己中心的でわがままな人間がいる。
奴らは暴力と圧力で人を支配する。
最低な奴らだ。
だがそれに逆らえないのも事実だ。
奴らをどうにかできない教師にも腹が立つ。
何故いじめられている人ばかりが我慢を強いられねばならないのか。
間違っているのはあいつらじゃないか。
教師も、奴らも、みんな最低だ。
みんな大嫌い。

「おい、ブス」
後ろの席の男子がこの至近距離ではありえない声量で言う。だれかが笑う声もする。
私は無視する。
「おい無視すんなよ、ブス」
笑い声が上がる。
ここで反応してはいけない。
振り返りでもしたら、お前に言ってないとか、ブスって言ったら振り返ったと、馬鹿にするに決まってる。
苦痛すぎる。
何が面白いんだろう。
最低な人間。
こんなことが毎日続く。
これが私の日常。

学校が終わると逃げるように帰る。玄関のドアを開け、明るく「ただいま!」と声をかける。
玄関に入った時からバターのいい匂いがする。
「おかえり。今日はクッキーを焼いたの。食べるでしょう?」
「わぁ、お母さんのクッキー大好き!」
母は料理が上手い。
いつも部屋も綺麗にしているし、性格も穏やかで物腰柔らかい完璧な人間だ。
母を見てると、何故だか劣等感でいっぱいになる。
自分はこんな完璧にできるだろうか。
母ならあんな嫌がらせを受けても優しくいられるだろうか。そもそも、あんな嫌がらせなど受けないのだろうか。

クッキーを食べたらすぐに部屋に行く。
スマホの暗証番号を入力しSNSを開く。
いつもレスをくれるKENさんとメッセージのやり取りをする為だ。

●今日もブスって言われた
●ほんと男子嫌い
○え、じゃあ俺のことも嫌い?笑
●KENさんは違うよ!
○良かった😆
●いつもありがとう
○俺はyuiちゃんの味方だよ
●嬉しい…優しいね

この時間が永遠に続けばいいのに
世界にはこんな優しい人もいるんだ
レスも早いし
どんな顔なのかな
会ってみたいな…

「なぁ、お前、前の席のやつとメッセやり取りしてるってまじ?」
「あーしてるしてる。またブスって言われたーとか言ってきて笑まじどうでもいい」
「え、なんて返事返したの?」
「いや、男子嫌いって言うから、俺のことも嫌い?って聞いた笑」
「そんで?」
「KENさんは違うよ!だって笑」
「必死やん笑」
「俺はyuiちゃんの味方だよって言ったら、優しいね、だって。見てみ、これ」
「やば笑ちょろすぎ笑お前がKENだって知ったらどんな顔すんのかな笑」
「な、面白すぎだろ?まだ泳がせる笑」
「うわー最低ー笑」


解説
主人公は母への劣等感と後ろの席の男子から日々小学生のような嫌がらせを受ける高校生の女の子
精神的に脆弱
自身の境遇を悲観し悲劇のヒロイン状態
精神的に幼いなと感じ高校生だけど精神年齢が中1くらいで止まってる設定となりました

☆暗くよどんだ町に生まれて
もがき苦しんでたけど
愛しいあなたと出逢えた

実際に暗くよどんでいるわけではなく、母の前では明るくいなきゃいけないと勝手に思ってる
心の闇の部分
心が曇ってるから世界にも色がないように見えてます
そんなとき、SNSで顔も知らぬ男の子が精神的支えとなっています

☆このままどこか奪い去って欲しい
全て捨ててついてゆくわ
あなたがいれば
そよ風吹き抜ける楽園へも行けそうで

この人と2人だけで暮らせたらどんなに幸せだろう
私のことを奪ってくれるなら、すぐにでもついて行くのに
今すぐ私を奪っていいのに
独占欲強そうですね

☆純粋なまま目を背けずに
強く生きて行けるなら
余計なモノはいらない

誰かを恨む気持ちがある中で、それすらも受け入れられるような強く優しい人になって、あなたと2人だけで生きていけたらいいのに
とか思ってそう

☆嬉しいときはこころ震わせて
この幸せ分かち合える
あなたといれば
涙に溺れても格好つけずいられそうで

あなたがくれる優しさで自分も優しくなれた気がしてる
そんな幸せを分かち合えてると思ってる
基本的に病んでるので理由もなく泣いたりする
そんな姿さえもあなたにならさらけ出せるという意味

☆孤高に光る一粒の星も
誰かのために輝いてる
あなたといれば
小さな私でも愛で世界救えそうで
このままどこか奪い去って欲しい
全て捨ててついて行くわ
あなたがいれば
どんな場所もきっと楽園だと呼べるから

ふと空を見上げたら星が一粒輝いてる
今日も誰かが星に願いを託してる
私も誰かの星になれるかな
あなたのおかげで優しくなれた今の私なら、あなた以外の誰かにも優しくできそうな気がする
あなたといるとそれだけで、どんな場所も楽園だと呼べるわ

自分で書いた掌編小説ですがこの主人公うっぜー😂悲劇のヒロインに酔ってんなー笑
重度の厨二病を患ってますね…治らないと思います。
性格歪みすぎ。自分で設定してるんですけど笑
ブスとか、今どきこんなこと言う男子高校生もいないと思いますが笑
悪口だらけになりそうなので以上とします笑
読んでくれてありがとうございました!