人間関係の構築は出会った瞬間が全て

 有名な話として、「人間の印象は出会って3秒で印象が決まる」と言われています。
 これは ” 自分の人間性 ” が ” 相手に与える影響 ” です。
 初頭効果、認知バイアス、選択的知覚の影響が大きいです。

人は自分の中で対象のイメージを結論づける。
そして、その自分が作った印象にあった相手の性格・行動だけを見るようになる。

 最初に感じた相手のイメージを作ってしまうと、そのイメージを固定化していまい印象は変えることが非常に難しです。

 まず、相手を認知した瞬間に頭の中で、その人はどんな人間だろうと妄想を膨らませてしまいます。

 この時点で、ほぼ、対象の印象が出来上がります。
 次に、実際に会った後は自分の作った妄想との答え合わせ作業です。
 自分の妄想と一致している点のみを決めつけていきます。
 妄想とあっていない場所は、ほとんどの場合評価に影響を与えません。

例:
SNSや顔写真を見て認知する。

その対象の人間について妄想する。

実際に合って認識を一致させる。

 ただし、この例で写真詐欺があまりに酷すぎるなど、妄想との人物が実際に合った対象と紐づけられない場合は、認識の一致作業が困難になりリスタートや悪い印象などから入ることがあります。

ある漫画や映画の続編に出てくるキャラクターは、前作と同じ性格で一貫性のある行動が必要。

 あるキャラクターが続編映画に登場した場合、前作とはまったく違う性格になり、行動も全く違った場合。
 観客は、そのキャラクターの変化に理由が欲しくなります。

 その「変化に理由が欲しくなる」が、印象の決めつけです。

 自分の中で創り上げていたイメージとのギャップがあると、「この人(キャラクター)はこういう人だったんだ。」という意識づけができなくなります。
 なので、その自分のイメージとのギャップの理由が明確に納得できない場合は、「これは別物(別人)なんだ」となります。

 人間は理論的で常に自己の正当化をする生き物なため、自分の中で作った理論と一致しない場合、それは見過ごすようになります。

 そして、その直感が当たっていると気持ちがよくなるので、やめることができません。

少しだけ美化した写メは効果的。
やりすぎると認識の一致ができなくなり、マイナスになる。

 もしも、詐欺写真から好印象になっていて、それがやり過ぎではない程度であれば認識の一致になるので印象は良くなります。

 しかし、認識の一致ができないレベルの別人だと非常に不味いです。
 普段カラコンをしていないのに、「異様に黒目がキラキラしてる写真」は特にマイナスの影響を与えやすいです。

 生物は、特に目というものへの認識が強いからです。

見た目の清潔感は大きいプラスの印象を与える。
匂いの不潔感は大きいマイナスの印象を与える。

 生き物は視覚で多くの情報を得ます。
 そのため、見た目の清潔感が良ければ良いほど良い印象を与えます。

 そして、嗅覚、匂いは大きなマイナスの影響を与えます。
 生物が毒を判断するのに活用するのが鼻だからです。
 腐ったものは嗅ぎ分けて判断することが多いからです。

良い印象を与えたるには、
自分を和食だと思うこと

 自分が食べ物だと考えて見た目や匂い喋り方など、五感をくすぐることが非常に効果的です。

・髪・爪など清潔に整えた身体、毛羽立ちが一切ない服。
・体臭のケア。
・落ち着いた話し方。
・香水や制汗剤を振りすぎたり、タバコや体臭は、味覚も刺激します。

そして、与える情報として悪意を感じさせないことです。
嫌いなことよりも好きなことを話すと、体臭を含め声色や表情は好印象になります。

出会った瞬間は無理にでも笑顔

 出会った瞬間に必ず笑顔を見せるだけで、あいての印象を一瞬で塗り替えることができる場合があります。

 それは、相手の持っている印象への認識の不一致を起こし、別の生き物だと勘違いを起こさせることができるからです。


認知バイアス

 物事の判断が、直感やこれまでの経験にもとづく先入観によって非合理的になる心理現象のことです。

 無意識な自分自身による決めつけです。

選択的知覚

 自分にとって関心のある情報を選択して取得します。
 人は、複雑な情報の中で認識しやすい理解しやすい情報を優先して取得します。
 併せて説明に利用されることが多いのが、カラーバス効果、自分が見たいものに意識を向けているため、自分が欲しいと思ってしまっている情報が手元に集まってくるという提唱です。
 
 他には、カクテルパーティー効果などが例に挙げられます。
 カクテルパーティーのような雑踏の中でも、自分の名前が聞こえると反応それに反応できるという提唱です。 

初頭効果

 初頭効果では、印象を受ける順番で印象の優劣が決まると提唱されています。

Aさんは、以下のタイプの人間です。
「知的、勤勉、衝動的、批判的、頑固、嫉妬深い(intelligent, industrious, impulsive, critical, stubborn, and envious)」

Bさんは、以下のタイプの人間です。
「嫉妬深い、頑固、批判的、衝動的、勤勉、知的(envious, stubborn, critical, impulsive, industrious and intelligent)」」

とした示した場合、
Aさんは「知的で勤勉で行動的」といったポジティブな印象になり、
Bさんは「嫉妬深くて、頑固で口が悪い」といったネガティブな印象になります。

親近効果

親近効果は、初頭効果と合わせて、よく紹介されています。
以下のような実験にて、

陪審員の居る模擬裁判を行い、
検察、弁護の双方で6つずつの証言、合計12の証言をした場合では、最後に行われた証言が有利になるという判決が陪審員に下されるという結果が出ています。
特に最後にまとめて証言をした方が効果的とされています。

Aの場合、

  1. 弁護側の証言2つ

  2. 検察側の証言2つ

  3. 弁護側の証言2つ

  4. 検察側の証言2つ

  5. 弁護側の証言2つ

  6. 検察側の証言2つ

Bの場合、
一方の証言をまとめて6つ出したあと、もう一方の証言をまとめて6つ出す。

  1. 検察側の証言6つ

  2. 弁護側の証言6つ

3秒で印象が決まるという説明に使われる
”メラビアンの法則”に対する世間の認識は大きく間違っている

 よく、「3秒 印象」「人間 見た目 すべて」「見た目 9割」などというキーワードにおける説明で持ち出される「メラビアンの法則」は、出会って3秒で決まる根拠としては、すこしだけずれている。

 メラビアンの法則とは、何かを相手に正しく伝える時には、声色や表情も必要だよねという実験です。

 分かりやすく言えば、「多分」や「ヤバイ」という言葉だけだと、声色やその時の表情が組み合わさることで意味が変わるという内容です。

表情やしぐさ(視覚情報) 55%。
声のトーンや話し方(聴覚情報) 38%
選択する単語(言語情報) 7%


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