【建設業向け】昇給だけでは解決できない、社員の不満をヤル気に変える秘訣とは?

中小建設業者のみなさま、このような経験がございませんか?

・毎年昇給している現場責任者が突然辞めるなんて!!!
・今年入社した責任者予備軍となる若手が突然・・・辞める。。。
・昇給した作業員が、また給料に対して不満を漏らしているよ。。。

私の会社でもそうでしたが、受注現場の数=現場責任者の数が利益の源泉となる専門職種の立場にいる会社の経営層にいるとこのような状況が、日々、起こっている時期がありました。

私も、元請けへの営業活動が忙しい、施工中の現場の段取りで精一杯などの理由で、この問題から、逃げて、いや、正面から向き合えず、逃げておりました。。。その結果、昇給しても辞める社員が悪くて自分は悪くない、の一点張りの時期があり、今思えば、本当に、貴重な人材=利益の源泉、を失ったと、自覚しております。

今回の記事のポイントは、以下の通りです。

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毎年昇給しているのに、突然、社員が退職することが、頻繁に起こっている会社にある問題点は、実は、会社の管理体制にある
②昇給だけでは解消されない、会社の不満点を改善することが、まずは第一ステップ
③昇給の理由を、頑張っているから、と言うような漠然としたものとは、おさらば
④会社の中で、コンパスの役割をする評価制度の構築が、満足を満たす、不満を減らす、ことになる


今回の記事では、昇給だけでは社員の不満が解消することはできない理由、についてお伝えします。


”社員はお金だけの理由で会社にいるのではない”

もちろん、お金も大事なのですが、お金以外の軸も、お金以上に大事になるのです。
それを整理すると以下の通りです。

①実は、会社に対して満足するポイントと、不満のポイントは別々ですよ
②もちろんですが、満足が低くて、不満が高いと辞めちゃいますよ
③ここが、キモ、満足が高くても、不満が高いと危険ですよ
④言わずもがな、満足が高くて、不満が低いと最高ですよ

そして、③の昇給だけでは解消されない、不満のポイントは管理体制にある。

経営層の方は、日々お忙しいと思うので、社員に対する報いは”お金”と考えていることが多いです。もちろん、これに誤りはないのですが、③にあるように、昇給をさせて金銭的な満足が高くても、会社に対する不満が解消されるわけではないということです。

正しくは、昇給だけでは不満は解消されないのです。そんなバカな、少なくとも俺は”満足=金”以外になかったけどと思われるでしょうが、社員の方々は経営者ではありません。

しかし、多くの経営者の方は、今でも根強く昇給をし金銭的な満足さえさせれば、勝手に会社に対する不満も解消されると、心のどこかで思っていることが多いのではないでしょうか?。

では、ここでイメージしやすくするために、会社の話から家庭に焦点を当てて話を続けます。経営者の方は、日々忙しいと思いますので、ほとんど家にいないかもしれません。しかし、生活費はたっぷりと家庭に入れているから問題ないと内心思っている。

では、ここで問題です。
あなたの奥様は、生活に困らないだけの生活費をもらえれば、満たされて不満ははいでしょうか?

チクタクチクタク、

はい、正解はもちろん、❌、と答える方が大半でしょう。

そして、多くの男性は俺はこれだけ渡しているだろと言おうものなら、家庭内は大型の台風が通過中のように大荒れになることを経験していると思います。

では、また、話を会社に戻します。

社員に対して”お金”だけ渡していても不満をそのままにしていると、長年一緒に仕事をしている信頼ある社員がある日突然会社を去ることになる。
また、昇給しても、会社に対して不満を言い続ける社員がいたら、昇給の恩もすぐに忘れて内心煮えくりかえる経験もおありでしょう。だぶん、その昇給の方法に問題があるのかもしれません。その昇給方法が、社員の方には”経営層の鶴の一声”のように映っていたら、間違いなく、昇給分の満足を社員が感じることは難しいかもしれません。

そして、そのようなことが多発すれば、経営層と責任者の溝=満足と不満はますます開くばかりです。そして、いつしか経営者は”どうせ昇給しても”と言う考えに縛られて、社員は、どうせうちの会社は社員の考えをまるでわかっていないという色に染まるでしょう。

そのような会社は、満足もできなくて、不満も解消されない、②のような黄色から赤信号に変わる、非常に危険な状態にあるわけです。経営者の方は、上がった結果が大事ではと思うかもしれませんが、経営者は、結果が全
てですが、責任者の方は結果に結び着くまでの過程を大事にする。そして、その過程の道順が整理されていることが”不満①の解消”に繋がっているのです。その過程が整理されているかで、昇給分と同等かそれ以上の満足を得ることができるのです。それができれば、④の満足が高くて不満が低い理想の組織に近づくことができるのです。

”社員の業務負荷の解消はお金だけでは解消されない”

では、次にお金だけでは解決できない、不満について深掘りしましょう。

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会社への不満とは、

①会社の方針や管理体制
②上長との関係
③金銭以外の労働条件
④同僚との関係

⑤充実した福利厚生
⑥ワークライフバランス

これ以上、挙げませんがまだまだあることでしょう。

えっ、もっとあるのと思われるかもしれませんが、社員の方は自らの人生=有限な時間を提供しているのですから、当然と言えば当然です。

そして、社員が会社に求めることは、その会社にいる限り尽きることはないことを覚悟して、その解消をしていく必要がある。銀行や顧客などとの対応がついつい優先される現状からすると、かなりヘビーでタフなことになるわけですが、全ては、社員が会社を支えている、と言う感謝の気持ちを忘れずに、取り組みましょう。

これで、わかると思いますが、お金=満足だけでは、①〜⑥の不満に結びつきやすい条件を解消することは、到底、無理ゲーなのがわかると思います。そして、この不満を解消すると、同時にお金の金額以上にその満足度を上げることをする必要があるのです。そして、それは、未整備な給料体系を交通整理して”誰が見てもわかる”人事評価が必須になるわけです。

わかりますよ、人事?評価??この言葉を聞いただけで、”面倒””やりたくない”と言う考えが出るかもしれませんが、組織の背骨とも言える人事評価のあるなしが、みなさまの会社の運命の分かれ道になる可能性が十分にあるのです。評価があるなしは、大海原をコンパスなしで航海するぐらい社員の方にとっては、まさに命に直結する大事なことなのです。
どうすれば何をやれば、どのようになればお金が上がるのか、それがわかれば、例え少額の昇給でも以前のように鶴の一声でなければ満足するのです。

では、具体的に我が社ではどのようなことをしたかを、導入前と後に分けて、そして、何が変わったかを、お話します。

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比較的導入のハードルが低い360°評価制度を労基署への届出が必要のない、年2回の賞与に対して導入を決定しました。導入前は賞与を決める時期の役員会で、前年度の賞与一覧を参考にしながら、現状の粗利を考慮しながら、全社員ほとんど一律で増額をしていたわけです。もしかしたら、皆様の会社もほとんど同じような決め方をしておりませんか?経営側からしたら払っていると言う考えがあるから満足して当たり前と思われるかもしれませんが、貰う方からしたら増額分の理由がわからないため、もちろん貰うときは感謝の言葉をいいますが、内心は???が浮かんでいる。
この”?”こそが、不満の根本的な原因なのです。そして、”?”が、解消されない限り、いつまで経っても貰った分以上の満足を得ることはできません。

しかし、評価制度を導入すれば、日頃現場で苦楽を共にしている同僚や部下、そして、上長からの評価で、自らの成績=お金が決まるからこそ、評価を受ける本人はその結果に対して満足するのです。それは、本人にとって圧倒的な納得感に繋がるのです。

”お金以外の軸の評価で、お金が上がるからこそ納得感を得る”

360°評価制度とは、社員Aさんの評価を上司のBさん、同僚のBやCさん、部下のDやEさんが評価項目に沿って点数を付けてそれぞれの点数を足して評価者の数、ここでは5人なので5で割った値がAさんの評価になる。ここでは、数字的な定量項目について、割愛しますが、この評価のキモは役員が評価をしないで常日頃一緒に働いている社員同士が評価をし合うことなのです。だからこそ、その評価はかなり実体に近い結果となるため、本人も受け入れやすいのです。もちろん、中には受け入れることなく反発する社員もいますが、多くの社員は自分の今現在の成績がわかるため、次回までにどこを改善すれば良いかがわかることが何よりもキモとなるのです。これこそが、満足を満たす”不満を減らす”ことの第一歩となるのです。また、経営側にとっては評価の低い社員の賞与の額を、今までのように何となくではなく、明確な理由で下げることも可能になるのです。会社の中でのコンパスがあることが満足を満たす、不満が解消する理想の組織に近づくための始まりなのです。

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①毎年昇給しているのに、社員が退職することが、頻繁に起こっている会社にある問題点は、実は、会社の管理体制にある
②昇給だけでは解消されない、会社の不満点を改善することが、まずは第一ステップ
③昇給の理由を、頑張っているから、と言うような漠然としたものとは、おさらば
④会社の中で、コンパスの役割をする評価制度の構築が、満足を満たす、不満を減らす、ことになる

①のような状態であれば、満足満たすだけでは不満が解消されないことを理解して、不満のポイントが社内体制のどこにあるのかを突き止めてそれを改善すると同時に、満足をさらに満たすために昇給の理由が明確なるような評価制度=社内でのコンパスを構築していきましょう。繰り返しになりますが、それこそが満足を満たして不満が解消される理想の組織のあり方なのです。


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