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ずっと、ずっと

もしかしたら、目標を達成できるのかもしれない。そんなところまで来た。大学入学当初はそんなこと考えてもいなかったし、現実的ではないから最初から選択肢から外していた。でも前期が終わる頃、できるんじゃない?と親に言われたことがきっかけで、その選択も考えるようになった。憧れたものが手に入らない/自分には向いていないと知ってから、夢を見るのはやめようと思っていた。夢を見るのが怖くなった。それよりも、もっと現実的で実用的なものを目標とした方がいいと思った。

でもね、嬉しいのか悲しいのか、かつて見た夢や憧れは一生付きまとう。忘れたくても忘れられない。忘れたつもりでいても、分岐点に立った時にはその夢を思い出して、それに近い選択をしたくなってしまう。

朝ドラ観ているんだけど、その主人公の父親は今は自営業をしているけど、かつては映画監督を目指していた。脚本を書いては応募して、落ちてばかりだった。今はその夢に蓋をして、家のために違う仕事をしているけれど、妻(主人公の母親)は彼に脚本を書かせ続ける。父親は、母親が諦めさせてくれないんだと言っていた。その理由を主人公が訊いたところ、意地だと答えていた。やっぱり、人は一度見た夢を背負って生き続けなきゃいけないのかなと思う。「しなきゃいけない」というか、そういう運命のもとにあるというか、そういうもんなのかなって。辛いね。しんどいね。でもこれこそが人生でもあるのかもしれないし、人間として生きている証拠かもしれないね。

人はなんで夢を見るのだろう、ほとんどの人がそれを叶えられないのに。実際に私の周囲には、かつてやりたかったことを出来ている人はほとんどいない。みんな何か違うことをして、気を紛らわしているのかもしれない。その生活も、きっと楽しいものであるはずだ。だから別に、夢が叶えることが全てではないし、それ以外の幸せの形はいくらでもある。
多分、夢は一種のアイデンティティなのかもしれない。もしかしたら宗教かもしれない。一生自分の側にいて、生きる希望を与えてくれる存在。時々その遠さに打ちひしがれるけど、それでもなお光を放ち続けるから、捨てられないの。

そしてそれが叶うかもしれない(叶わなくとも、それに近づけるかもしれない)ところにいる今、絶対に手放したくないの。もう自分に絶望したくないの。何が何でも、手に入れたいの。


これからもよろしくね、私の夢。






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