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バリ島のお正月・ニュピって一体なんですか? 〜Sailent Day〜

毎週金曜日は「印象的だった国や都市」をテーマに発信しています。
これまで、アジア、ヨーロッパ、アフリカの28カ国訪れてきました。

僕は元々バリ島に留学していたこともあり、バリ島を偏愛しています。そんなバリ島は、インドネシアでも唯一ヒンドゥー教である、バリ島には独特のバリヒンドゥー文化が残っています。

今回は、バリ島の新年の特殊な過ごし方を紹介します。

バリ島のお正月・ニュピって一体なんですか?

今回バリ島のお正月について紹介するのですが、そもそも日本と使用している暦が異なります。そのため、お正月は1月1日ではありません。もちろん、1月1日もビーチなどでは花火が上がったりお祝いをしますが、バリ人にとってのお正月は、例年雨季が終わる3月か4月に行われます。このお正月をニュピといいます。この日は、バリヒンドゥー教徒にとって1年で最も重要な日であり、インドネシアの祝日に指定されています。

ニュピとは?

バリヒンドゥー教徒はウク暦とサカ暦に沿って暮らしています。サカ暦の第10の月(サシー・カダソー)の1日目がニュピです。前日は月が隠れる暗月(ティルム)で、冥界の神マヤが大掃除を行うため悪霊ブト・カロが地上に這い出て来ると言われています。彼らが悪さをしないよう、各地で悪霊祓いの儀式を盛大に行います。ニュピ当日は追い祓った悪霊たちが完全に去るのを静かに瞑想して待つのです。この日は労働・外出・火(灯り)の使用・殺生なども禁じられます。

これだけ読むと難しく感じますが、バリ島でのお正月はサイレントデイです。この日は、「外出禁止」「労働禁止」「火気・電気禁止」「殺生禁止」と定められていて、欲を捨て1日静かに瞑想をする日なのです。これは、バリヒンドゥー教徒だけでなく、バリ島全土での規制となっています。ですので、バリ島に住む外国人やヒンドゥー教徒以外の人々、旅行で訪れた観光客もこの規律に従わなければいけません。その日は、空港も閉鎖されますし、電波も消されます。ホテルに宿泊する場合、ニュピ当日は朝6時から翌朝6時まで観光客もホテルの敷地外へ出ることはできません。とにかく、家族とともに静かに過ごし夜になると街中が真っ暗なので、満天の星空を眺めることができます。

実際のニュピ当日はどう過ごしたか?


ニュピの前日から現地の友人宅にホームステイさせてもらっていました。
友人の家は、バリ島の中心部からバイクで、およそ4時間ほどのところにある、北部のシガラジャから、さらに1時間ほどのところにある「ボンダレム」という村でした。

実はニュピの前日には、オゴオゴという祭りがバリ島では行われるのです。

悪霊が街中を歩くオゴオゴ祭り

オゴオゴは、ニュピの前日ティルム(暗月)の日にはいだしてくる悪霊を、各村ごとに大きな鬼のハリボテ(オゴオゴ)をつくり、そのハリボテに悪霊を写し、街を練り歩き、最後このオゴオゴは悪霊と一緒に燃やし、静寂の日を迎えるという儀式です。

ボンダレムの村のオゴオゴをYoutubeにも載せました

バリ島には約950ほどの村があり、その村ごとに大小様々なオゴオゴをつくって音楽を鳴らしながら街を練り歩きます。実際に体験したオゴオゴは、とっても個性豊かで、大迫力でした。村にはオゴオゴを見るためにたくさんの人が沿道に集まってきます。お祭りムードで大変な盛り上がりでした。

ニュピ当日は、先ほど紹介した通り、「外出禁止」「労働禁止」「火気・電気禁止」「殺生禁止」と定められていて、欲を捨て1日静かに瞑想をする日です。また、電波もないし、電気も使えなくなるので、友人の家族と話したり、昼寝したり、トランプをするなど、とにかくゆっくり一日を過ごしました。本来なら夜は街灯など一切村の灯りが無いので、満天の星空を眺めることができるのですが、僕がニュピを体験した年は、まさかの天候不良で星空を眺めることができずに終わってしましました。また、リベンジしたいです。ニュピの日は、ほとんどのバリ人が里帰りをして、家族と再会する日なのでとても大好きな日です。

また、いつの日か必ずニュピを体験しにバリ島に戻ります。



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