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groovebox(グルーブボックス) 食べ歩き人生

grooveboxとは何なのか?

grooveboxとは、テクノを始めとした、電子音楽のダンスミュージックの作成用に作られた電子楽器のことです。これ一台で「作曲」「音色づくり」「リズム演奏」機種によっては「サンプリング」をおこなうことができます。

少々偏っているかもしれませんが、今まで自分が使ってきたGrooveboxのレビューなども含めて、つらつらと書き並べていきたいと思います。古い機材も多く、ちょっと忘れてしまっていることも多いかもしれませんがご容赦ください。

グルーブボックスはダンスミュージック版の自動伴奏マシーン、みたいなもの、ともとらえることができます。(自動伴奏とはいえ、下ごしらえはしないといけないけど)

普通に音楽機材をそろえるより、はるかにコンパクトに色々なことができます。その分、機材の制約故、操作性や音色とかに制限が出てくるのもまた事実で、機種ごとの違いが色々出てきます。

ここでは、自分が使ったことのあるgroovebox何機種かを比較したいと思います。

ちなみに所有したことのあるgrooveboxは以下の機種となります。

Roland:MC-505/MC-707/MC-808
KORG:electribe 2
YAMAHA:RS7000

なお、世界初のgrooveboxはRolandのMC-303だといわれていますが、Roland DJ-70だと主張する人もあると、Rolandのメルマガで記載されてました。

ちなみにカタカナ表記だとグルーブボックス?グルーヴボックス?

海外のwikiipedia見ると他にも色々あるようですね。RolandのMC-202なんかもグルボ、といえばグルボだけどリズム音源がないな....

Sequencial CircuitもMPCみたいなのを出していたのね。日本にも入っているのだろうか?一度も見たことない(元になったというPROPHET2000なんかはたまーに見かけましたが...)


他の電子楽器との相違点

曲を一台で仕上げる、という目的を持つ電子楽器としては、オールインワンシンセサイザーやカシオトーンに代表されるアレンジャーキーボードがあります。

それらとの一番大きな違いはテクノを始めとした、電子音楽のダンスミュージックを作りやすくなってるということでしょうか。所謂アナログシンセの音が出しやすく、音色のエディットやリアルタイム操作が簡単にできるようになっています。

カシオトーンとかの通常の音楽の自動伴奏用機材と大きく違うのは、ダンスミュージックのためにリズムパターンの編集がリズムマシンなみに簡単にできるのと、音色をダイナミックに変化するための操作子が充実していることでしょうか。

中には簡単に出来るようにしたつもりが失敗してる機種もたまにあるのがgrooveboxの味わい深いところです。

また、通常のシンセにシーケンサーやサンプラーを乗せて、単体で一通りの作業ができるようになったオールインシンセやワークステーションというのもあります。これらの機材は鍵盤で演奏するのも重視しているためデカいです。グルーヴボックスはリズムマシンみたいになるべくコンパクトにしようとしてるのがポイントでもあります。

ただし、単体でプロが作るような音楽を作るのはなかなか難しいかもしれません。プロのミュージシャンは大抵DAWを使ってるのでないかなと思われます。

ちなみにDAWの中でもgrooveboxに近い使い方が出来るのがableton liveです。

また、最近はakaiのMPCシリーズもgrooveboxに近い使い方が出来るのかもしれません(使った事がないのでわからない)
AKAI FORCEとか。

ELEKTRONのOCTATRACKもgrooveboxに近い使い方が出来るのでしょうか。OCTATRACKはマシンライブ界隈で愛用してる方が非常に多い機材ですね。

何が重要か

grooveboxは非常に複雑な機能を直感的に使えないと飽きてしまいます。また、せっかく買ったのに出音がショボいとやっぱり飽きてしまいがちです。それともう一つ、本体だけで音色をどこまで弄れるか、というのが重要かと。

パソコンとか使わずに本体だけで楽しみたいからハードウェア買ってるのに、音色いじるのにパソコン使わないとダメなのは本末転倒でよろしくない、と個人的には思っています。

当方、パソコンで作業するのがとても苦痛なんですね。グルーヴボックスみたいなハードウェア機材と向き合うのが好きです。dawも持ってますがほとんど使ってないですね、、

グルーブボックス比較

持ってた機材でそれぞれの機能を比較するとしたら以下のような感じになると思います。左の方が良いとお考えください。

mc-707以外は10年以上昔の機種になるので、音がショボくなるのは仕方ないと考えていただいた方がいいかなと。それでも各機種で光るものがあったりするので、中古で捨て値で置いてあって場所があれば触るのも悪くないかもしれません。

操作性(やりたいことが素早くできるかという点において)
MC-505 >> electribe 2s  RS7000 > MC-707 > MC-808 

操作性(初心者でも簡単に操作できるかという点において)
MC-505 > MC-808 > electribe 2s  > RS7000 >MC-707


 
MC-707 >>>>>> electribe2s > mc-808 > MC-505 = RS7000

機能(トラック数や作曲機能など総合的に)
MC-707 >>> electribe2s = RS7000 > MC-505 > MC-808

可搬性
electribe 2s > MC-707 >> MC-808 >> MC-505 >> RS7000

デザイン
MC-505 = MC-808 = MC-707 > electribe 2s >RS7000

記憶媒体 
MC-707 electribe 2s :SDカード
MC-808:コンパクトフラッシュ
MC-505 RS-7000:スマートメディア

こんな感じでしょうか。
最新のMC-707がリードするのは仕方ないですね。
MC-808の評価がなんとなく低いですが、人によってはもっと上かも。
デザインは好みによりますね。

可搬性は圧倒的に最新機材が上になりますね。
RS7000、重さが7kgもあったんですな。
MC-707は機能の割には非常に軽く、逆に軽すぎて心配になるくらいです。


Roland MC-505

今思うとMC-505は非常に操作性が良かったです。機能もすごくよくまとめられていました。

各トラックごとのミュートボタンだけでなくドラムトラックのミュートボタンも独立してました。

実際の各トラックの音色調整はいじりたいトラックを選択して、操作子をいじります。全体の7割くらいのパラメーターは露出してた気がします。ちゃんとエンベロープのスライダーが独立してるのが偉いですね。 LFOスピードなんかもリアルタイムに変えられますし。

音は今からまぁ20年前のPCM機材なので、まぁそんな感じかなと言うところです。しかしながらローブーストとかなかなかいい感じに歪むので、良いかもと思います。

今の機材みたいに各トラックにコンプレッサーやイコライザーが使えないので、どうしても音のバランスが貧相になってしまうかもしれません。

別記事でも書いたんですが、機能に対してDSPが足りてないのか、フルに機能使うとモタるのが欠点ですね、、

当時のローランドの機材にはDビームと言う赤外線を使って手で音色をコントロールする機構がついていました。テルミンみたいに演奏できるのがウリでしたが、微妙な操作感であまり流行りませんでした、が、実はパラメーターを標準のピッチとかではなく、カットオフにあてがったりするとなかなか使いやすく、嫌いでなかった記憶があります。モジュラーシンセのモジュールとして復活したりしないのかしら。

KORG electribe 2s

大人気だった、先代electribe EMX/ESXの後釜として発売されたgroovebox。先代に比べて操作が複雑になったり、デザインに色気がなくなったりであまり人気がないイメージがあります。当初は真っ黒というか灰色というか渋すぎる感じでした。ちなみに裏側が光ります。これはパチンコ屋っぽいということで賛否両論分かれてる感じです。当時EDMが流行っていたせいですかね。個人的にはツマミの質感がどれも同じでイマイチですかね、、、
人気がないせいで結構安く、2万円台で買える感じでしたが、Amazonだと最近値上がりしていますね。サウンドハウスだとお取り寄せのようですが...買えるのか?(2021年4月21日現在)

MIDIがミニプラグになっているやつですね。最近はこのタイプの簡易MIDI端子最近増えてきたので悪くないかもしれません。結構軽くて小さく、sync端子がついてるのでモジュラーシンセのお供にいいです。

操作性はそんなにいうほど悪くはないですが、ちょっと簡略化されすぎな気もしなくはなかったです。ショートカットキーを使うとかなり使いやすかった気がします。

この赤いサンプラーバージョンですが、サンプラーですが、ある程度プリセット波形も入っているので普通にシンセとしても使えます。

音はほんの少し薄い気がしますが、ユニゾンができる、、と思ってたんですが、もしかしたらなかったかもしれません、すいません、、、たしかパートをコピーしてユニゾンしたのか、何トラックか同じmidichにして、音色をコピーしてあげてユニゾンしたんだっけかな。

エフェクターは結構入っているのですが、構成が今時の機材としてはもったいない部分がありあまり評判がよくないようです。

あとmc-707に比べてカード演奏がシンプルでやりやすいのと、サンプリングと編集機能が豊富ですね。

でもこの機材、決して悪くはないので手にするのも良いと思います。また買いたくなってきたかも汗

Roland MC-808

ムービングフェーダーでコントロールする、ちょっとかわった機種です。
MC-808は操作性の良し悪しというよりも、本体でできる事がとても少なかった記憶があります。 大抵の操作はpcのソフトで行うという思想で作られた機材でした。LFOの細かい設定とかも本体だけだと出来なかった記憶があります。本来やりたい操作が望んだ形でできない、という今では操作性がイマイチだと感じたんでしょうね。
逆に機能が限られていてシンプルといういえばシンプルですね。
下の方のデザイン、よく見ると、16stepボタンとかMC-707に少しだけ似ていますね。

音や機能は当時のFANTOMとかの音なのでなかなか良い音です。
デザインもすっきりしてかっこいいかも。音色づくりにこだわらなければ今でも使えなくはない機種かもしれません。

Roland MC-707

他の記事でも書きましたが改めて。

音は素晴らしく良いです。機能はまぁまぁ。使いこなせばコストパフォーマンス最高で、そのうちこの機材は一気にブレイクする可能性も秘めています。OCTATRACKと同じようにモノラル4系統のミキサーとして使えるのが非常に便利です。グルーブボックスはたいてい、どこかのトラックを選択して、そのトラックだけが細かく音作りできるという機材が多いのですが、この機材はすべてのトラックを俯瞰しながら音作りができます。(つまみが各トラック3つしかないのと、このつまみもまた色々使い勝手の良しあしがあるんだけど)

個人的にはいまいちだと思うのはコード演奏機能です。専門的になりすぎてelectribe2sやtoraiz SQUIDみたいに直観的に操作できません。(他にもそういう面がこの機材にはある)

ただし操作性がシンプルでないのと、サンプリングしたい場合にはサンプラーとしてはいまいちな気も..mc-707については別記事でまとめて書きますね。

YAMAHA RS7000

数少ないヤマハのgroovebox。2000年前後、テクノブームの胎動に刺激されたのかヤマハもいくつかgrooveboxを発売してました。その中でも最高級機種がRS7000。サンプリングも曲作りも結構しやすいです。音は微妙に薄いというか軽い感じのDTM音源という感じだったような。
あと、この機種にしかない機能が結構ありまして、MIDIノートをずらしたり、MIDIノートの編集機能がかなり充実していた気がします。これは当時のQYとかでもそうなんですが、ヤマハの特徴ですね。

その他、使ってみたかったり、気になるマシーンをいくつか

ENSONIQ ASR-X(未所有)

赤いボディが特徴の高機能グルーブボックスですね。
リンクはカスタムMPCで有名なghostinmpcさんのカスタマイズASR-X。ジオン軍から連邦軍に鹵獲されたという感じでかっこいいですね。
ENSONIQは今でも根強いファンがたくさんいて、この機種も良い音奏でそうです。


QUASIMIDI RAVE O LUTION 309(未所有)

90年代中頃に急に現れては数年で消えてしまったドイツのブランド「QUASIMIDI」製のグルーブボックスです。なかなかかっこいいですね。機能は結構普通?と思いましたが、下記の記事を見るとなかなか偏っている感じで楽しそうですね。

比較的マイナーな割には結構中古でも見かけた気がします。

E-MU XL-7 / MP-7(未所有)

今はシンセブランドとしてはほぼ消滅してしまったE-MUからもグルーブボックスが出ていました。見た目が独特でかっこいいですね。背面の押し出しもいいですね(機材は客席側の背面デザインも重要です)この機材も今ではあまり見かけない気がします。TOUCHSTRIPとかよさげです。左上にライト用の電源がついているのが非常に変わっていますね。音楽機材でこの端子ついている機材って殆どないのでは。(確かスタジオ用のミキサーやラックマウント電源とかにたまについていた端子のような...?)

Roland MC-909(未所有)


MC-505の正常進化系グルーブボックスとして出ていたグルーブボックス。今となっては非常に大きいですが、マスタリングコンプも装備しており、今でも使いやすいそうに思えます。スマートメディア採用というのがネックですね。この機種とMC-808の後、ROLANDは長い冬眠を経てMC-707で急遽復活します。MC-707はMC-909などの過去のROLAND機材とは全く違う操作性で、なかなか興味深いです。

Elektron OCTATRACK/OCTATRACK MKII (未所有)

私は使ったことがないのですが、マシンライブ界隈で非常に持っている人が多い気のするマシーンです。グルーブボックスというより高機能なMPC的なマシンというとらえ方をされることが多いみたいですが、ミキサーとしてもなかなか使いやすいみたいです。(ただ、操作はかなり難解という話ですが、MC-707や最近のMPCとどっちが難しいのでしょうか)

おまけ モジュラーシンセとグルーブボックス

私もそうですが、最近はモジュラーシンセにハマる人も非常に多いです。当方、モジュラーシンセは1年ほど前から始めたばかりの初心者でわからないことも色々多く悩みます。グルーブボックスと一緒に使いたいと思うこともありますよね。sync端子が付いているelectribe 2sシリーズなら簡単に同期ができます。

モジュラーシンセとグルーブボックスの同期についてはマシンライブ界の先達である、RudeloopsのRYOTA氏が詳細かつ、非常にわかりやすい、素晴らしい記事を書いてくれているので参考になります。


最近あまりライブやっていませんが、私ももしライブやるとしたら、MC-707とIntellijelのモジュラーシンセケースの組み合わせで街に繰り出そうと考えています。
MC-707のMIDIをIntellijelのMIDI-CV-SYNCコンバーターに入れて、syncとstart/stopをモジュラーシンセのクロック発生器に入れると、MC-707のスタートボタンを押すとモジュラーシンセも一斉に同期して気持ちいいです。

おわりに

ちょっと特殊な楽器であるグルーブボックス。操作も色々特殊ですが、使っていると謎の快感がある楽器です。古いグルーブボックスも中古で安くて、置き場があったら色々使ってみるといいかもしれませんね。

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