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Bake Wrangler (Blender Add-on)

初めに

Bake Wranglerは、3Dツール・BlenderのAdd-onです。
Bake Wranglerは、ノードベースのエディタです。
Bake Wranglerは、各種のテクスチャをベイクする機能のAdd-onです。
Blender2.83.6で確認した内容となっています。

では…、
Blender内でウインドウを開くと、こんな感じのエディタでノードを組むことになります。
それほど多くを覚える必要はないので、基本的なところだけざっくりと説明していきたいと思います。

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基本ノードの説明

ここでは[Bake Wrangler]の使い方の簡単な説明をしています。
基本は下図3つのノードになります。
①~④:メッシュノード
⑤~⑦:Pass(パス)ノード
⑧~⑩:OutPutImagePathノード

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3つのノードごとに設定する項目は多いように見えますが、上図の10項目程度を設定することで、ある程度の結果は得られると思います。

①余白:テクスチャベイクをするときのUVから外側へはみ出すピクセル数
②レイの距離:ベイクするときの3D空間における測定レイの距離
③ターゲット:ベイクの対象になるメッシュ(オブジェクト)を指定します
④ソース  :ベイクの元になる目メッシュ(オブジェクト)を指定します
⑤パス   :ベイクするマップ(テクスチャ)の種類を指定します
⑥Device  :計算する(CPU / GPUどちらか)を指定します
⑦X /Y    :ベイクするテクスチャの画像サイズを設定します
⑧ImagePath:出力先のフォルダを設定します
⑨ImagePath:出力するファイル名を設定します
⑩X /Y   :出力する画像サイズを設定します

<ここから下は、もう少し詳しい説明になります。>

ノードセットを新規作成・保存する

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新規作成したノードエディタの内容は[.blend]ファイル内に保存できます。
③のアイコンをクリックして、チェックマークが付く状態にすると、ノードセットが.blendファイル内に保存されるようになります

ノードを新規に作成したい場合は…
・エディタ内にノードセットが無い場合は、②の「新規」を…
・エディタ内に別のノードセットがある場合は、④の新規作成ボタンを…
クリックします。

ウインドウメニューの(①)をクリックすると、下図の様に現在開かれている[.blend]ファイル内に保存されているノードセットのリストが表示され、選択すると、ノードセットを切り替えることができます。

⑤をクリックすると、ノードエディタ内の情報を消去して何もない状態に戻してくれます。
この時、展開されていたノードセットは、データとして.blendファイル内に残っているので、①をクリックしてリストを展開すれば、そこにノードセットがあるのが確認できるはずです。

各メッシュノードのもう少し詳しい説明

ここからは、具体的な例を用いて説明していきます。
まずは、下図のようにポリゴン数が多いモデルから、少ないモデルへ、各テクスチャ(マップ)をベイクする場合…

<メッシュノード>

メッシュノードでは、ベイクするメッシュ(オブジェクト)の指定をします
ベイクする(される)メッシュ(オブジェクト)をターゲット、ベイクする元になるメッシュ(オブジェクト)をソースと呼びます
設定で重要になるノードは以下の5つ程度かなと思います

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①余白:UVの外側にはみ出してベイクする余白幅
②レイの距離:ターゲットモデルの表面から照射するレイの距離
③ターゲット:ターゲットとするメッシュ(オブジェクト)名
④ソース  :ソースとするメッシュ(オブジェクト)名
⑤■アイコン:UVの指定(※下図参照)

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※メッシュ(オブジェクト)に複数のUVがある場合、UVの指定をすることができます
※指定がない場合は1番目のUVが自動で参照されます
※UVの指定ができることで、ソースもターゲットも同じメッシュ(オブジェクト)にして、UVの指定だけを変えると、テクスチャの写しが簡単にできるようになります
※UVの隣のアイコンはケージ(cage)の設定ができるようです
(私は、まだ使ったことがありませんが、別のメッシュ(オブジェクト)を形状の目標として設定できるようです)

<パス(Pass)ノード>

パス(Pass)ノードでは、ベイクするテクスチャ(マップ)の種類とベイクするテクスチャの画像サイズを設定します

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①パス:ベイクするテクスチャの種類を指定します
(※下図参照)
②Device:CPU / GPU の切り替えができます
③X / Y:ベイクする画像解像度を設定します

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出力できるマップの種類は今時な感じで、使いようによっては便利になりそうです。

<OutPutImagePathノード>

OutPutImagePathでは出力に関する設定をします

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①:保存先フォルダまでのパスを設定します
②:保存ファイル名を設定します
③形式:保存するファイル形式を指定します
④X / Y:保存する画像サイズを設定します

最後に…

Blenderが用意している基本のベイク機能は使いづらい、分かりづらい、制度が悪い等々いわれることが、私の周りでは多く見受けられます。残念な話ですw
しかし、一つのツール内で完結できるのは、本当に楽です。
このAdd-on【Bake Warngler】は、ターゲット/ソース オブジェクトの指定とUVの指定など、データ別に設定できるノードベースのエディタとして、分かりやすい方だと感じました。
3Dツールの知識がある方ならば、比較的学習時間は少なくてすむかと思います。
またベイクできる(出力できる)マップの種類も豊富です。
有料ではありますが、それほどの価格でもありません。
SubstancePainter / Designer 以外の選択肢して、購入してみるのも良いのではないかと思います。

備考・追記
※2020年10月23日現在、β版の無料配布は終了してるようです。
※BlenderMarketから購入可能です。