音楽

中学三年生の頃から好きなボカロPが居た。
その人の名前はGUIANO。
Summer Dreamという楽曲で彼を知った。
その人が作る透き通る音色を僕は聞いてこう思った。
「僕もこんな曲が作れる人になりたい」と。
それから彼がYouTubeで作曲配信をしている所をよく見るようになった。
透き通る我が子を産む現場に立ち会っていた。
それから日々は過ぎて18歳。僕は高校を卒業して関東へ出てきた。
そこで自分を変えようと努力をしようとした。
遅くても遅いなりに音楽ソフトを買って、しっかり音楽に打ち込もうとした。
だが、僕には大きな壁が2つ立ちはだかった。
1つ目はモチベーション。
言い訳みたいになるが自分は本当はもしかしたら音楽への興味が無いのかもしれない。それほどまでにパソコンに向き合おうとしなかった。
だから高校3年間も何もアコースティックギター以外の音楽と触れてなかったのかもしれない。
2つ目は実力。
天才肌や幼少期から培ってきた人達と比べても、凡人から努力で上がってきたミュージシャンと比べても天と地の差があった。
そもそもの頭のスタートラインが違うんだ。
そう思ってしまった自分がいた。

彼の楽曲にレイニーというものがある。
僕の解釈だが、現実を諦めていた自分がギリギリで生きていると、路上で弾き語りをしている青年の歌を聞き、それに勇気を貰い自分の悩みなんてどうでも良くなった。という曲だ。
僕の中での路上で弾き語りをしている青年はまだ現れてはいない。
現れたところで僕は悩みをどうでもいいと思えるだろうか。
わからない。そもそもそんな考えをしている時点で音楽をする人として失格なのかもしれない。
何もわからない。
分からないなりに僕は足掻いてみたいんだ。
音楽の才能が無くても、生きていく才能が無くても、なんの才能も無くても。
誰かに届けばそれでいいんだ。
僕自信が路上で弾き語りをしている青年になる気がしてやまない。
いや、そんな資格な僕にはないか。

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