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鳥人の街
狭い上にクソ暑い事務所でアホほど辛い中華麺をすすっていると、デスクの上で黒電話が鳴った。昼飯時に仕事なんて持ち込みやがって。無視を決め込もうと時間をかけまくってコップの水を飲んでいたが、相方が勝手に受話器を取った。クソマジメめ。
「はい、こちらピースメーカー探偵社でございます」
一言二言で通話は終わらなかった。どうやら本当に鳥人絡みの案件らしい。受話器を持たない方の手でデスク上のラジオを切り、メモ帳に重要事項を書き取り始めた。好みだったのに曲名を聞き損ねた。クソ。
「急ぎの案件。すぐ向かって」
嫌々でも聞くしかない。雷を落とされるよかマシだ。
「場所は?」
「ここから南西。主にコーマット通り」
「主に?大火事でも起きたのかよ」
「そんな仕事ここに来るわけないでしょ。鳥人よ」
全く想像できないが、あまりチンタラもできないので向かうしかない。
アルミの窓枠に足をかけ、羽を開いた。
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