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最近読んだ漫画雑感

ちなみにカバー画面の絵はめちゃくちゃ関係ない

バード

リメイク版の方を過去に一度無料で読んでおり、kindleで麻雀系漫画のセールがあった際にリメイク・原作まとめて購入した。ともに2巻で計4冊。
リメイクの方が絵や演出が派手なのでこの順に読むと原作が地味に見えるんじゃないか…?と危惧していたがそうでもなかった。両方読めるし、どちらか片方だけ読みたいなら原作版を勧めたい…けどまあ絵が好みの方で。

麻雀が分からない人にもオススメの麻雀漫画!!

というオススメ文に騙された経験のある人は多いと思う。
この作品は「麻雀漫画を読んでみたいけど麻雀が分からない!」という人でも読みやすいと思う。

なぜバードが読みやすいかは、これが「イカサマ麻雀漫画」であること、「読むうえで覚えるべき役は一つだけ」であることによる。

ヤクザ同士が麻雀で喧嘩する上で「無茶苦茶なイカサマを行うプレイヤー(蛇)」と「天才マジシャン(バード)」がイカサマで戦うというストーリーになっている。バードは麻雀初心者であり、最初から麻雀をする気がない
麻雀知識は初心者であるバードが語るものをその場で覚えればいいため、一緒に勉強ができる。
またストーリーは「蛇のイカサマをどう暴くか?」というミステリを主軸に進行していく。これも麻雀の知識がなくても読みやすい理由になる。

麻雀とは大雑把に説明すると13+1枚の手持ちの中で役を揃える速度を競うゲームだが、麻雀を理解するうえで一番面倒くさいのは役と点数計算だろう。
バードを読むうえで覚えるべきものはシンプルな役一つで「手札が配られた時に何かしらの役が完成している」というもの。これは「天和(テンホー)」という役で、役満(一番得点の高い役)の1つである。これが出れば大体それで勝ちだと思っていい。

蛇のイカサマ天和にバードはどう対抗するのか!?ほんとうにバードは麻雀初心者でも読めるのか!?トマトの肥料とは?お色気ノルマとは?麻雀漫画を読みたいけど麻雀が分からない読者はぜひ君の目で確かめてくれ!

狂気が好きなら原作版

エログロが好きならリメイク版

麻雀が分かる人にもバードをオススメしたい。

さて、天和を和了するイカサマとしてベタなのは積み込みや仕込みだろう。
バードの何が面白いか、なぜ蛇の天和イカサマが神聖視されているかといえば、全自動麻雀卓で行うからだ。絶対にイカサマしているのに、絶対にイカサマを暴けない。
あらかじめ用意された全自動麻雀卓を使うのだから積み込みもすり替えもできない。もちろん牌に仕掛けができないよう半荘ごとに入れ替えを行っている。そんな中で蛇はどう衆人の監視をかいくぐり天和を和了るのか、バードはそれをどう暴きどう対抗するのか。
凡才の狂気と天才の意地のぶつかり合いをぜひ見届けてほしい。
というかバードと蛇の対比が素晴らしいので、やっぱり麻雀分かる人には原作版をオススメしたい!!!

もう何も関係ないけどイカサマ麻雀漫画だと哲也~雀聖と呼ばれた男~が好きなのでよろしく。

裏バイト:逃亡禁止

胸がでかすぎて気が散る

ユメちゃんのエロ二次創作だけ数件見たことがあった
50話無料期間を活用し読み始め、現行まで追いかけた。マンガワンアプリ結構好き(つきかなとケンガンを読んでいる)。

上記のような認識だったので、まず普通に主人公が最初から2人組であったことに驚いた。マジでユメちゃんしか見たことなかったのでハマちゃんは1話で死ぬ人だと思っていた
それに加えて、もっと地に足付いたうっすら嫌な感じのする裏バイトだと思っていたので、直球な怪異ホラーなことに驚いた(というかホラーギャグすね)のと、ユメちゃんが想像以上にクセが強かった(どんなバイトにも動じないミステリアス美女だと思っていたが、危険を察知して「クッサ!」と言い放つダウジングマシンだった)。

当初、「危険回避」に特化したスキル持ちの主人公だとホラーものとして面白くないな…と思っていたが、「財団の存在しないSCPモノ」という解釈を意識するようになったら、面白さがわかってきた。
主人公らに怪異を解決する能力が無いので、基本的に怪異が野放しのまま終わる、多種多様な怪異が放たれ過ぎてて日本終わってない?(アジアの数国は実質滅びた)という読み味。読もう、裏バイト!(読みやすいので気になるところだけでも)

※若干のネタバレを含む「好きな話」リスト

・鞄
かなり怪異がSCPっぽい挙動をするため、序盤の話の中で「あ、裏バイト面白いかも」と感じたもの。入門編。

・自然保護監視員
「答えは『全て殺す』だ」
は大名言なのでぜひどんな文脈で言われるのか見届けてほしい。ぼんやり読んで好きな話だったけど、解説見てさらに好きになった(肉の味を覚えてしまい見境がなくなった、みたいな)。

・海の家
最強確の認識改変能力持ちの怪異が生み出す気持ち悪い読感を味わってほしい。テーマがテーマなので好き。爆弾「海」。

・ブライダルスタッフ
個人的に好きだけどギャグ色が強いため賛否が分かれると思う。「飛行機と結婚した女性」「死者との結婚(冥婚)」「新郎新婦の首交換」「生者の結婚は最悪!死者との結婚こそ最高!」とどこを切り取っても好きな絵面が並ぶ。

・葬儀屋スタッフ
死者を笑顔で見送る…という理解できるコンセプトをもとにした異様な光景の連続。一番好きな話かも。村民全滅という派手なラストがいいし、そのシーンの派手さだけでクライマックスには充分なのに ちゃんとオチが用意されているのもいい。

・駅員
魔の13番線ホームへ入るための裏技が好き。上司がダントツホワイト上司(ちゃんと業務内容説明してくれる、怪異の対処方法を教えてくれる、一緒に働いてくれる)なのでぜひ読んでほしい。

そんな感じ、橙は嫌いだけど橙ソロは好き。探偵は怪異の説明をしてくれて分かりやすいので好き。時子さんが美人なので好き。そんな感じ。
ホラーギャグとしては、異質な雰囲気が特色。あと主人公らの百合モノとしても読める。基本的にどの話も3話完結なので読みやすい点がオススメ。

推しの子

30話無料で読み始めてジャンプ+アプリの初回無料で最新話まで読んだ。1話から思ってた漫画と違う!!!看板の女、死んでる!!!!!

「母親を殺害したのは何者か?」のミステリーラインが気になって読み進め、医者の白骨死体が見つかり(このシーンだけインターネットで見た!!)ミステリの主役がアクアからルビーに移行するシークエンスにめちゃくちゃ惹かれたが、個人的にはラブコメの軸がひたすらノイズ。
でも多分ここが一番の盛り上がりどころなんだろうな…(バチバチのヒロインレースを久々に見たので、ヒロインの信者同士がコメントで殴り合ってるのも久々に見た)。

かなもあかねも報われてほしい一方で、美形高校生役者の中身が転生オジサンなのがひたすら気持ち悪くてノれない。なんか前世の記憶が残っている系2周目、割り切って人生を謳歌している方が好みかもしれないと思ったけどルビーが推しの乳を吸って喜んでいたのも気持ち悪かったのでダメだ。たぶんこの漫画向いてないな。

アイドルだけでなく、業界のいろいろな立場の人(ともすれば芸能界モノで悪く描かれがちな人々)を丁寧に描いているところが好感触だった。

宝石の国

顔が好き×2

実は読んだことなかったので無料期間に読んだ。ボルツが好き(でしょうね)。

地獄と聞いていたがキャラクターやカップリングを中心に読む人にそう見えるだけで、不老不死人外を念頭に置くと どうでもいい種族がどうでもいい話をしてるな…という感じ。(これだと言い方が悪いが、ほどよい距離感でSFとして俯瞰して読むと感情は苦しくない)

あまり合わなかったが、どう着地させるのかは気になる。
ここから心情描写とか全部捨てて火の鳥っぽく締めるのが好みかもしれない。八尾比丘尼もできるし、未来ナメクジもできる。月人を無に帰した後に発生する宝石人を纏めて築いた国が宝石の国になるかもしれない。

シンシャと主人公はさすがにもう1交流あるでしょ…と思っていたが「おかげで友達ができたありがとう」で終わりなのかも。交流パートをすべて切った火の鳥が読みたい。
↓このレビュー文が好きだった。

主人公にしか共感できないので主人公に共感しようとする、みたいな話題。
個人的には主人公は失敗すべくして失敗している(協力者たる信頼関係を築ける相手がいないまま悪手を取り続けている)ので、この顛末もまあ…という感じだが、もはや主人公以外の登場人物に人間味を感じないのも事実なので どうなってもいいかな…。

反主人公主義で基本的に物語の主人公が嫌いなので、途中まで主人公の空回りにイライラしながら読んでいたが、主人公の愚鈍さは成長や幸運の布石ではなく、「こういうもの」として描いているな…と察したあたりから読み味が変わり、主人公の批判をするのも作者の掌の上だしな…みたいな感情になった。

カンゴームの「いない奴のために今いる奴を雑に扱うのは辞めた方がいい」という忠告が好き。事実ラピスヘッドを手に入れてからの主人公のカンゴームへの扱いは雑で、ここで少しでも信頼関係を築く努力をしていたら完全に関係性を切られることは無かったかもしれない。

あとは上記の通りボルツが好きなので、「合理性がある」「信じたいだけだ」「みんなのためだ」「僕らのせいにするな」の問答も好きで、こんなに主人公が頑張っているのに酷い!も何も、頼んでもいなければ説明不足なのでどうしようもない。

ボルツの「何を信じるかは自分で決められる」という人物説明が好きだったので、彼は月人の言葉をどう受け止めてどう決意したのか気になるが(ルチルあたりも)もう今後「個」にスポットライトが当たることは無いのだろう(と言いつつサブタイトルになってないので可能性はあるのか…)。

ボルツ、月人化については描写不足なので納得していないが、戦闘狂ではなくなった人格のところまでは好き、闘いの多い世界において被害を最小限に抑えるために最強であろうとしたが故のあの人格で、戦闘マニアなのもそれが一番合理的だからそうあっただけで、数百年戦闘の必要がない間も戦闘狂であれというのは酷、というか戦いがないのであれば戦いがない世界に適応するのが合理主義的思想だ。
人の戦闘のクセの指摘や…そもそも主人公と組もうとしたのも、戦闘被害を最小限に抑えるための動きだろう。

序盤から周囲の騒ぎに積極的に参加しておらず(枕無げくらいしか記憶にない)、全員集合でもなければ大体いないところが好き。探索の際はソロで最後まで探し続けているようなところも好き。行きつく先がクラゲの飼育なのが最高、他人との接触にあまり興味がないんだろうな…。(この話が美しさに焦点を当てた話だったらひっそり暮らしてそうなところがいいと思う)

大量のクラゲに囲まれて穏やかにしている姿を見て、ロックマン11のヒューズマンが ペットの電気うなぎ相手には笑顔を見せることを思い出した。(ボルトとは関係ないし電気クラゲでもない)

シンシャの友達は普通に解釈すれば(みんなと友達になれたのは前提として)ボルツだが、これが「シンシャの最初の友人は主人公であってほしかった」人から見ると苦しいらしい。ボルツの他人への感情は希薄なのでそんなに心配しなくていいんじゃない?と思う。

主人公が為したくて為せなかったことを造作もなく達成するボルツの図、孤立している人間がコミュニティで居場所を確立するためには、そのコミュニティで権力のある人間が認めてやるのが一番早いというのが、残酷なくらいわかりやすい(まあボルツは自分の立場がどうであれ首根っこを引っ張る奴で、宝石人はそうして輪に入れられた相手を排除はしないコミュニティだと思う)。

(シンシャが古典的ツンデレでなければ、主人公がもっと無神経だったら(主人公は無神経なのに必要な部分では慎重になる)、毎日シンシャの元に通って、友達になれてそう)

ボルツとシンシャの話

ナメクジ王と完全に趣味が一緒だったので、ここが仲良くなったのが、というかボルツがシンシャの橋渡し役になっていたのが良かった。

シンシャの意見をクソデカボイスで遮ってるのも面白ければ、ちゃんと遮ったことは把握しているのでえらいし、その上で誤魔化されたら諦めるのでやっぱ面白い(何を言いたかったんだろうか)(別に相手が言わないんならそれでいいか、というスタンスが好き)(自己表現しない奴が悪い、強者の発想すぎる)。

ネクタイ引っ張って無理矢理引きずって会議に参加させるのも、その後仁王立ちしているのも好き。これが全部優しさによるものでなく理があるからやってるだけなんだろうところがいいし、シンシャはチョロいのでこの強引なコミュニケーションで正解だったのがまた面白い。

月対地上の初戦闘時のシンシャが出てくるタイミングとか、片足のまままずシンシャを気遣い避難させるボルツとか、「気にするな」と即答するのがいい(それが最適解だったので気にするなと言っただけで無駄な消費だとしたらグチグチ言ってほしさがある どっちでもいいけど)。
みんなから褒められて照れて隠れたシンシャに溜息をつき、平然と会話する姿も好き(この描写が最もフラットに信頼関係を感じた)。

いずれもボルツがそういう性格だからそういう対応をしたというだけの話なのがいい。
ドライな関係性が好きなので、ジルコンとボルツのコンビも好きだった(というか宝石の国は全体的に感情が希薄なのが良かった)。

ボルツのキャラクターデザインの話

ロングヘアが好きなので断髪したところでわりと冷静になった。全員美形とあるがボルツの顔は長髪ありきのデザインだと思うので全然かわいくない…。が、髪を武器として使わないならベリショにするのが合理的だし本人も特に執着なさそうなのは分かるので本人の人格としては好き。
頭をゆったり回しているような連続コマでの攻撃モーションがめちゃくちゃ好きだった。連獅子大好き!!!

黒でまとまった完全防備スタイルが好き。キャラデザの判別がつかないので分かりやすいというだけで好感度が高い。キラキラした宝石たちの中でこのデザインで存在感を出すのはすごい。
(これでもなお赤アレキ・シンシャあたりと間違える)

みんなが驚いている時に大体動じてないのも好き(ちょっと驚いてもそのすぐ後には平然としているのとか)。
序盤で出てきた【逆光で怖い顔で髪を暴れさせて主人公に刀を向けているコマ】が私が自分向けによく描いている洵そのものだったので良かった。
あとはジルコンへの初アドバイスの際のカットが好き。

こんな感じのやつ 逆光が似合うな…

何も気にせず暴れ回るので春服だと身体が見えまくるのが良かった。

文字で説明するとキモかったので絵で描いた

優しくはないだろうけど、人を見捨てるタイプの合理主義者ではないので弱者のセーフティになりえるし、別に増長して高慢になったわけでもないのがいいと思う。

その他

容姿+性格込みだとルチルが好き(マッドサイエンティスト好き)

パパラチア(アパラチアっぽい)も好きだけど性格を掴み損ねているのとカラーだとややクドい、髪型+顔立ちだとジルコンが好き(だけどカラーがよく分からない)。

あまり著名な宝石がないから分からんな…と思いつつ 知っている宝石だとアレキサンドライトとオブシディアンが好き。
前者は牧場物語で出会い、時間帯だか屋内屋外だかで色が変わってバグかホラー演出だと思っていた。後者はネクロダンサーのオブシダン武器(コンボ状態によって攻撃力が変わる)が好き。ゲーム知識オンリー!!

黒いダイヤモンドのことはピンと来ていない。

親族に七宝焼き職人がいるが七宝焼きに関する知識はなかったので、解説を見て「これ七宝焼きの話だったのか…」と思った。

クリソベリルの存在を馬から知ったけどいつ見てもクソリベラルと読んでしまう。同じくクリソコラもクソコラに接続してしまう。

割と「カンゴーム黒ギャル雌堕ちミーム」が面白かったので読み始めたけど、彼の変化自体については絵面がめちゃくちゃ盛り上がったこともあり肯定的(その後については無関心だけど決断だけは好き)(生々しい描写は宝石が人になっていく過程を露悪的に描いているのかと思ってたけど、そうでもないのか…?)

長髪ラピスの容姿がマジで好き+ポニテ大好きだったので早々に断髪されてたすかった

好きな宝石?はタイガーアイ!理由はズーフィリアだから


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