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【ダイヤのA】青道は稲実に勝てるのか

僕は中学3年生から26歳に至る現在まで、ダイヤのAという高校野球漫画をずっと追いかけている。そしてダイヤのAでは現在、主人公の沢村栄純が属する青道高校と、ライバル校の稲城実業との甲子園をかけた西東京予選決勝戦が行われている。

今回は、青道と稲実のどっちが勝つのか、ダイヤのA好きの僕の個人的見解を書き記していこうと思う。

ここまでの試合のあらすじ

この記事執筆時点では、青道が稲実を2対1でリードしており、現在は7回表ツーアウトランナー無し(青道攻撃中)まで話が進んでいる。(なお、今週号のマガジンではダイヤのAは休載の模様。)ここまでの試合展開としては、まず稲実が2番白河のスクイズで1点を先制する。しかしその後、青道はチャンスを作り、4番御幸のタイムリーヒットと、5番前園のセーフティスクイズで2点を上げ、逆転に成功している。


本来ならここから、本題である青道と稲実の勝敗予想に入っていきたいところだが、その前に、稲実が上げた1得点と、青道が上げた2得点の妥当性について個人的に考察していきたいと思う。

稲実 白河のスクイズによる1得点

結論から言うと、白河のスクイズによる1得点は、説得力のある妥当な1点の取り方だったように思う。正直、降谷は絶好調で、稲実打線でもそう簡単に何点もとれるという感じでは絶対ない。しかし、白河はもともと成宮に稲実に誘われる実力者で、当然小技が超一流なのも納得がいく。

よって、白河が降谷の球をそう簡単にヒットにできるとは思えないが、スクイズを決めることは容易だと思ったので、この1失点は青道にとっても降谷にとっても仕方のないものだと思った。

青道 御幸のタイムリーヒットによる1得点

結論から言うと、御幸のタイムリーヒットによる1点は、説得力としてはギリギリあるかないかの瀬戸際の1点だったと思う。まあでもギリギリ説得力あるかなという感じである。青道打線の実力と成宮の実力を考えると、正直、本気の成宮の球を打てるのは、うまくいっても御幸しかいない。しかし、ちょっと打つのが早すぎた感がある。

なぜなら、去年の青道の4番結城哲也が成宮のチェンジアップを捉えたのは、確か試合後半の第4打席だと思う。結城でさえ、第4打席までは成宮に抑え込まれていたのである。そこで、結城の打力と御幸の打力を比較すると、どちらも選手としてドラフトにかかるレベルにあるのは間違いないが、純粋な打力だけで比較すると結城に分があるのではないかと思う。

しかし御幸は、結城でさえ苦労したチェンジアップ(しかも昨年より進化したチェンジアップ)を第2打席(第3打席か?記憶があいまいで申し訳ない)で捉えてしまった。ここまで書いた要素だけで考えると、少し御幸ができすぎに感じる。

しかし説得力を持たせる要素として、御幸はそもそもチャンスに強く、チャンスになると打力が大幅に向上すること。また、御幸は第一打席から驚異の集中力で成宮の球を捉えていたこと。(ヒットにはならなかったが。)御幸が成宮の進化したチェンジアップの軌道を東京選抜の時に見ていたこと。自分が成宮の球を打つと宣言して伏線を張っていたこと。外野が長打を警戒してヒットゾーンが広がっていたこと。去年の結城のように完璧に捉えた訳ではなく、テキサスヒットであったこと等を加味すると、まあギリギリ説得力を持たせられているのかなと思った。よって、この1点はギリギリ納得がいく。

青道 前園のセーフティスクイズによる1得点

結論から言うと、前園のセーフティスクイズによる1点は、説得力がある。青道打線の実力的に、いくら成宮の球を打てないといっても、セーフティスクイズを決めることは、強豪校の5番バッターを張る前園なら十分できるだろう。また、単純に5番前園のセーフティスクイズは読者として意表を突かれたし、稲実としても意表を突かれた片岡監督の見事な采配だったと思う。よってこの1得点は説得力あるし、なにより寺嶋先生上手いなと思った。正直御幸のタイムリーによる1点どまりだと思ったので、本当に意外だった。やっぱりダイヤのAは面白い。

青道対稲実の勝敗予想

ここから青道対稲実の勝敗予想に入っていきたいのだが、これがなかなか難しい。青道は1点リードの展開で7回裏から沢村にバトンタッチする。そして、今の沢村が稲実打線に打たれるかどうかという話だが、正直打たれないだろう。準決勝で市大三高相手に1失点完投した沢村である。稲実打線と市大三高打線を比べたら、稲実打線の方が少し上であると思うが、それでもなかなか今の沢村は打てないと思う。

なぜ打てないと思うかというと、今年の稲実は、チームとしては全国トップクラスの打線だが、圧倒的な力を持ったバッターがいないからだ。もちろん、4番の山岡は確か高校通算50本以上だし、5番の成宮は今大会の打率5割越えだし、1番のカルロスは初回に降谷からいきなりヒットを打っているし、2番の白河のようにいやらしいバッターもいる。強打者ぞろいである。

しかし、去年の青道の結城哲也や、薬師の轟雷市のような絶対的なバッターに比べると、全員少し格が落ちると思うのだ。(もちろん、成宮、山岡、カルロス、白河あたりはドラフトにかかるレベルの選手だと思おうが)よって、今の沢村が打たれるという絵が思い浮かばない。

しかしこのまま2対1で青道が勝つかというと、それは絶対無いといえる。前園のセーフティスクイズが決勝点で青道が勝って甲子園というのはさすがにないだろう。

よって、展開予想としては、沢村が7回から9回のどこかで1点取られて延長戦に突入すると思う。沢村が残り3イニングで2失点するのは考えにくいので1失点と僕は考える。きっと白河との再戦時か、最終回に突入した時に、去年沢村がイップスになったきっかけである、白河への死球の回想が必ず入ると思う。そこで、少し乱れて1点失うものの、去年からの成長を見せて持ち直し、1失点に抑えるのだ。

そして延長戦に入ると、どちらのチームにとっても有利な点、不利な点が出てくる。青道としては、先攻なので延長戦不利だが、沢村が球数を抑えられるピッチャーで、しかもまだ長いイニングを投げていないので、バテる心配がない点は有利である。

逆に稲実は、後攻なので延長戦有利だが、成宮が一人で投げているので、バテる可能性がある点で不利である。(しかしもちろん成宮は、ここぞという場面でしか本気で投げないので、そんなにすぐにバテるわけではないが。)

ここまで考えて結論を出すと、僕は青道が勝利すると予想する。理由としては、青道と稲実両チームで、打った時に最も説得力の出る打者が、やはり御幸であること。そして、去年継投で負けた青道が、今年は継投で勝つというシナリオが見えることだ。初回から一人で投げぬいた成宮と、7回から継投で投げ始め、しかも球数を抑えられる沢村を天秤にかけた結果、わずかに沢村が上回るのではないかと思う。つまり、御幸が打って沢村が抑えて青道が勝つということだ。

という訳で、青道対稲実の勝利予想を終わろうと思う。しかし、こんな予想をしておいて言うのもあれだが、今後、この予想をはるかに上回るめちゃくちゃ面白い展開が待っていることを、一人の読者として期待したい。

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