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今日は、「賢者の書」という本の一節を紹介します。


〈第4の賢者の教えより抜粋〉

 あるところに一人の若者がおった。

 その若者は、幼いころから人の話を聞くのが大好きで、暇さえあれば人の話を聞いていた。彼はそのときが嬉しくてたまらないものだから、何とも言えない、いい表情で話を聞くのだ。

 そんな調子だから、そのうち話す側がその若者を求めて訪ねてくるようになった。世の中には真剣に話を聞いてくれるような人がそんなに多くないからな。

 とりわけひとり住まいの老人からは自らの孫のようにかわいがられた。

 若者は徐々の、人の話を聞いてあげるだけで、数々の重荷を捨てたり、楽になったり、元気になったりするということ、そして不思議なことだが、長年苦しんできた病を治してしまうことすらあることに気づき始めた。

 そこで若者は医者になった。

 取り立てて難しいことをするわけではない。それまでと変わらず、診察に来る人たちの話を何とも言えない表情で聞いているだけだったが、さまざまな病気を治してしまうとたちどころに評判になった。

 彼のもとにはひっきりなしに人が集まった。話をしては具合が良くなったと言い、お礼のお金や品物を持って再び訪れる人が絶えなかった。

 その成功を見ていた者の中から、その若者と同じような成功を手に入れたい思う者が次々出てきた。

 ある者は医者になるために猛勉強をはじめ、またある者は、あの若者のように医者になれば幸せになれるんだからと自分の子どもに言い聞かせて、脇目もふらずに勉強させた。

 彼らの中には医者になったものもいたが、あの若者のように成功できたものはいなかった。それだけでなく、彼らを待っていたのは厳しい経営という現実であった。

 そう、彼らは皆、医者にさえなれば幸せが手に入ると思っていたのだ。

 彼らがまず考えなければならなかったのは、何になるかではなく、どういう人間になるのか、だったのに…。

 もし、彼らがその若者と同じように人の話を聞くのが好きな人になりたいと思い、それを達成していたなら、彼らは人生においてきっと成功していたであろう。

 たとえ医者にならずに定食屋の亭主になっていたとしても。



いかがです?

これ、僕はめちゃくちゃ刺さりました。


だって、みんなこれじゃん!


しっかり勉強しなさい!

いい大学入りなさい!

いい会社に就職しなさい!


なんで?

幸せになれるから!

幸せって何?

安定…

お金…

不自由のない生活…


こうやって、親や先生に言い聞かされて…

そう信じて生きてきて…

気がついたら、自分の子供にも言ってて…


僕は、医者の知り合いもたくさんいたり、国家資格をもった方もたくさん知っていますが、どうでしょうか…

あまり幸せそうに働いてるようには見えなかった人が多かったなぁ…


このメッセージ

何になるかではなく、どういう人間になるのか…


ここを見極められていない人が多い


でも、これはあなたにとっての「幸せの定義」は何ですか?

といって突きつけられているような気がします。



そしてもうひとつ、このエピソードで僕に響いたのは、「人の話を聞く」ことが、人を救える…ってことです。

これもまさに僕自身、実感しています。


傾聴する…ただそれだけで、感謝されることをここ1~2年で何度も何度も経験しました。

いや、まさに傾聴は病気を治すほどのパワーがあります。


この作者 喜多川泰さんの書かれる本は、内容は自己啓発なんですが、それが小説仕立てになっていて、めちゃくちゃ読みやすいんです。

物語なので、イメージしやすく、頭の中に残りやすいんです。

ぜひぜひおすすめします。



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