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今日はコーチングゾーンの話題でビジネス分野から話をします。


会社の中やビジネスの世界で必要なスキルとしてこういうのがあります。


ロジカルシンキング



うわー

難しそうなワードが飛び出しました。


はい、いわゆる「論理的思考」というやつです。



とにかく提案したり、批判したりするんだったら、根拠をきちんと示しなさい。

数字で裏付けしなさい。

こんなふうに会社の経営会議なんかでよく言われたものでした。


会議の場で反対意見を言うことは大切だ。でもその時に大切なことは、感情的になるんじゃなくて、論理的に説明することが大事なんだ!

そんなふうに信じている人がホント多いなぁ…と、会社の中ですごくよく感じていました。


論理的であれば、感情論は凌駕される…


そうなのか???


僕はそうは思っていません。


人の感情に配慮しないで、論理を振りかざすことが正義であり、組織のあり方だと思っているのなら、それまた危うい考え方だと僕は思います。


これ、どこが問題であると思うかというと、論理的思考とコミュニケーション能力を混同しているという点です。


たとえば、プレゼン能力と論理的思考は、近しい関係ではあると思っていますが、それでも論理的思考というのは、プレゼンの構成を考える上での思考法であって、デリバリー(表現方法)は、別スキルなんです。


要するに結論→理由→例→結論(PREP法) のようにプレゼンを構成すると分かりやすい…というのは論理的思考です。


でも相手の感情を揺さぶったり、相手の信頼を得たり、共感したり…といった部分は、論理的思考だけでは必ずしもうまくいきませんよということです。


会議の場で、いかに理路整然と正論をぶちかましても、必ずしも支持は得られません。


そこには、感情という人間の本質的壁が絶対的に立ちはだかるからです。


理屈でしか物事を考えられない人には響くんですが、それは一昔前の男性至上主義の会社体質であり、現代では論理で押し切るなんてもはや時代錯誤なんです。



あるエピソードを紹介します。

「アキレスと亀」を知ってますか?

このお話は、ざっくりこういうことです。


“アキレスがどれだけ速く走ったとしても、前を行くノロマな亀に追いつく事はできない”


アキレスとは、めっちゃ足の速い人です。

まず、アキレスの前方を亀が歩いており、アキレスが走って亀を追いかけたとします。

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アキレスが亀に追いつくためには、まず亀がいた地点A1に到達しなければなりません。

亀がいた地点A1にアキレスが到達したとき、亀はそれよりも少し進んだ地点A2まで移動しています。

さらに亀がいた地点A2にアキレスが到達しても、亀は再びそれよりも少し進んだ地点A3まで移動しています。

そこでまた亀がいた地点A3にアキレスが到達しても、亀は再びそれよりも・・・


あれ?


いつ追いつくの?


このままいくら考えても結局、アキレスは亀に一生追いつかないんです。



距離は限りなく近づくけれど、でもその距離は理論上、0.9999…と無限に続いて追いつかないことないですか?



どうでしょうか?


これ、でも普通に考えたら追いつきますよね。瞬で追い抜くの分かりますよね。

でも、じゃなぜ追いつき、追い越すのかをこの話を反論する形で納得いくように説明してください。



できます?


算数の問題として考えれば、地頭がいい人なら、追いつき追い越すことを数値で説明できるでしょう。

でも、上記の説明を反論する形で論破するとしたら?


まあまあ骨が折れますよね。

僕もだいぶ反証を考えてみましたけど、途中でだんだんめんどくさくなってきました。

もちろん、論理的に説明がつかないと気持ち悪くて寝られへんわ!という人もいるでしょう。



ですが、誰もが説明が難しくても結果は間違っていることが分かるってこともあるじゃないですか。


それを根拠が説明しきれないから、その話はナシだ!

というのもどうなんでしょう?



僕の奥さんにこの話をしたら、アキレスの方が足が速いんでしょ。

だから早い方が追い抜くじゃん!


だからそれは分かってるんだけど、んじゃアキレスが亀のところまで来たら、亀もちょっとは進んでるんだから、そこにはいないじゃん。で、さらにアキレスがまた亀のところに・・


もう、うるさい!


以上。


それ以上は会話にはなりませんでした。



よくないですか?

別に完璧に論理的説明ができなくても。


今回の話は、少し具体性を欠いたので分かりにくかったかもしれませんが、僕の感じていた集団意思決定の際のモヤモヤ感だけ察してくれればうれしいです。





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