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#42 2021年はマヂカルラブリーで始まる

 2020年、お笑い王が誕生した。第18代R-1王者野田クリスタルさん、そして第16代M-1王者マヂカルラブリーさん。野田さんは、R-1とM-1、勇者ああああゲームオブザイヤーの三冠となり、史上初のお笑い賞レース四冠に王手をかけている。まさに破竹の勢いである。

 そして迎えた2021年、年始からマヂカルラブリーさんはぶっ飛ばしていた。
 皆さんは、1月1日に配信された「マヂカルラブリーno寄席」をご覧になっただろうか。私の初笑いとなったこの配信イベントは、マヂカルラブリーさんが芸人仲間を呼び、一組ずつネタを披露していくライブだったのだが、実際に見ていた方々からすると、伝説のライブと呼ばざるをえないだろう。

 出演者は、マヂカルラブリーさん、M-1セミファイナリストのランジャタイさん、稀代のコント師ザ・ギースさん、JK人気爆発中の脳みそ夫さん、野田さんの師匠モダンタイムスさん、そして地下のカリスマ永野さんの5組。

 当ライブは、チケットの売上げが1万7000枚を超え、よしもとオンラインお笑いライブ史上1位となった。それまでの1位は、和牛さん、アキナさん、アインシュタインさんの人気ユニットのライブだっただけに、闇が光に打ち勝ったとも言える。
 では、なぜこの「マヂカルラブリーno寄席」が、ここまで話題となったのか。

 マヂカルラブリーさんの漫才からスタートし、続く二番手はランジャタイさんの漫才。ランジャタイさんのネタは、なかなか会話の展開が広がらず、本筋とは関係ないところでボケが爆発するものが多いのだが、コレを見ていた観客席に座る他の演者さんたちが、野次を飛ばし始めた。

 最初こそ「早く進めろよ!」「今どこやってんだよ!」といったレベルで収まっていたが、次第に「そいつのこと理解しようとすんな!」「興味ねえよ黄色の奴(ボケの国崎さん)の話!」と荒れていき、終盤には「そいつ殺せ!」「お前こいつしか友達いねえのかよ!」といった野次まで飛び交うほど。あまりの野次の嵐に、漫才中のランジャタイさんたちまで笑い出してしまう事態に。
 視聴者の皆様も、この時は涙を流しながら腹抱えて笑っていたに違いない。

 その後も、ザ・ギースさんのコント中に出る「負けたよ」というなんてことないフレーズを、みんなで「来るぞ来るぞw」と煽ったり、脳みそ夫さん、モダンタイムスさん、永野さんによる独特の世界観で披露されるコントを見ながら、演者、視聴者共々爆笑しっぱなしで、最高のライブとなった。

 あまりに面白すぎたこのライブは、SNSで口コミで広がっていき、見事大成功となった。私自身も、この感動を誰かと共有したく、友達に是非見てくれとゴリ押ししまくった。

 数日後、勢いそのままに放送された「マヂカルラブリーのオールナイトニッポン」では、伝説のライブの裏話や、村上さんのつけている時計の謎など、毎週聴きたくなるお二人のトークが織り成され、マヂラブさんまみれの年明けとなった。

 野田さんはTwitterで、
「来年はコウメ太夫さん、ゴージャスさん、アルコ&ピースさんも呼びたい」
 と仰っており、早くも次回のマヂラブ寄席が待ち遠しくなってしまっている。
 有識者ぶって批判しているバカの声も多いが、地下で生まれた最強の王者の躍進は、今年も止まることはないでしょう。

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