#75 フレンチウイスキー「ベルヴォア」を飲んでみたハナシ
先日、ワインの試飲会に行ってきました。本来行く予定ではなかったのですが「お前行ってこいよ」という、古き良きヤンキーイズムの延長のようなお言葉に甘えて参加させて頂きました。
と言うのも、今回の試飲会ではあまり飲む機会のないウイスキーも出るらしく、ウイスキー好きの私に気を遣って頂いたという経緯があってのです。
そんなこんなでお目当てのウイスキーというのが、フランスの「ベルヴォア」。
フランス・ボルドー地方の高級ワイン”シャトーペトリュス”の代表を務めるジャン・モエックス氏と、アレクサンドル・シレック氏がキューバで出会ったことから開発が始まった、ワインのスペシャリストが手を組んで作り上げたウイスキーです。
ウイスキーに通じている方からすると、フレンチウイスキー?と思われるかもしれませんが、実はフランスはウイスキー造りに最適の環境です。
農業大国として豊富な原料を持ち、なによりも熟成に必要な上質なワイン樽がいくらでもあります。
また、フランスは世界有数のウイスキー消費国でもあるので、自国のウイスキー文化発展に尽力しようと、近年は蒸留所が多く誕生しています。
「ベルヴォア」は、フランスのアルザス、リール、コニャック地方の3つの蒸留所で造られたモルトをアッサンブラージュしたブレンデッドモルトで、純フランス産を謳うウイスキーです。
日本上陸はここ最近で、国内での知名度こそまだまだですが、エアフランスやエリゼ宮殿でも愛飲されており、世界からの評価は極めて高いシリーズです。
今回の試飲会で飲んだのは、「ベルヴォア」のブルー、ブラン、ルージュ、ノアール、ローズの5種類。ノアール以外はノンピートです。
ブルーはフレンチオークの新樽で3年~8年の熟成。その後12ヶ月の二次熟成を経ています。
バニラのような甘い香りが感じられて、軽やかで繊細な味わいでした。普段飲み慣れていない方にオススメです。ソーダで割るとしたら一番スムーズに飲めると思います。
ブランはソーテルヌのプルミエクリュクラッセ樽で3年~8年の熟成。その後再びソーテルヌの樽で6ヶ月ほど二次熟成。
デザートワインとして有名なソーテルヌの樽を使用しているだけあって、丸みのある可愛らしい花のようなエレガントな香り、上品な甘みを感じられます。オンザロックや加水しても面白そうだなと思いました。
プルーヌも同じく3年~8年の熟成し、その後梅リキュールの樽で3ヶ月熟成。
プラムリキュール樽での熟成ということで、フルーティーな香りが印象強いです。濃厚な味わいの中にほのかな酸味も感じられ、飲み慣れていない方にもウケそうな感じでした。
大量生産が実現したら、スナックに置いて欲しい一本。
ノアールはシリーズ中唯一のピート。フレンチオーク樽で5年~10年熟成し、その後12ヶ月の二次熟成を経ています。
スコッチを思わせる土くさいピートに、若干の酸味苦味のあるドライな味わいは玄人ウケ間違い無しだと思われます。
ルージュはサンテミリオンのグランクリュクラッセ樽で5年~10年熟成し、その後12ヶ月の二次熟成を経ています。
今回飲んだ中で一番美味しいです。
ピートとはまた違った、鼻の奥に届く重厚且つ上品な香りから始まり、サンテミリオンの樽で熟成されたことによってまとめられたジンジャーや赤みの深いフルーツを思わせる味わいは抜群です。
一文無しのクズ人間である私なんかにはもったいないほど美味しいウイスキーを飲ませて頂いたと今もなお思っております。
ざっくりとした感想ですが、「ベルヴォア」というウイスキーを見つけた際は、あまり飲み慣れていない方はブルーorローズを、試しに飲んでみようかという方はブランを、ウイスキーだいしゅきだいしき!という方はノアールorルージュをオススメします。
一家に一本ベルヴォア!の時代を待ちわびています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?