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社会はそんなに優しくなくてええねん ばいきんまんとえほんのルルン感想(と言う名の鬱病の日記)



※この文章は社会のグズである筆者が2024年のアンパンマン映画を見て感じたことを書いたものであり、アンパンマン映画制作陣が表現したいことや子どもたちに伝えたいことを考察したものではありません。


どーも、社会のみなさんに生かされているグズです。

今年のアンパンマンの映画がばいきんまん無双で面白い!大人も観るべき!という意見に乗せられ、まともな大人ではない僕も1300円で映画が観られる毎月ついたちはトーホーシネマズファーストデイに観に行ったわけです。

毎年ドラえもん映画とクレヨンしんちゃん映画を観ている僕もさすがにアンパンマン映画を劇場で観るのははじめて。ガチのお子さん向けの映画は劇場が暗くならんのやね。人生は発見の連続。


今作のあらすじを簡単に説明すると、ばいきんまんが絵本の世界に住んでいる妖精ルルンからのSOSにより呼び出され、自慢のマシンも持たず裸一貫で、生命エネルギーを吸い取る「すいとるゾウ」という怪物を倒すため創意工夫でゼロから文明を発展させてやるぜ!といもので、マジでばいきんまんのDr.STONEのカセキばりの有能さは必見です。有能というか、なんかすごすぎてちょっと引きました。なんでも手作業の時代でも大工道具を作る職人とからくりを作る職人は別の人だったと思うんですけど…。さらっと1500℃出せる溶鉱炉作るな!


しかしまあ、ルルンがグズなんですよ。

クズじゃないです、グズです。

別にアンチではないしルルンを貶したいわけではないんです、むしろルルンがグズだからこそ僕はたくさん考えさせられた。


ルルンは空も飛べないし、弱虫だし、ばいきんまんの作業中も余計なことをして邪魔するんです。

すぐ「ルルンにはできないよ」「無理だよ」「ばいきんまんがやってよ」って弱音ばっかり吐くんです。僕か?または、僕たちか?


それをばいきんまんはいちいち叱ってくれるわけ。

「無理じゃない!」「できるまでやるんだ!」「お前がやれ!」

これだけ聞くとブラック企業の上司みたいでしょ?

でも、助けに来たのがアンパンマンだったら、ルルンは何もしないままこの映画終わったと思うんだよね。


僕が印象に残ったシーンは、ばいきんまんが大きな木の上に登ろうとしたとき、ルルンは「エレベーターをつかえばらくちんだよ」って言って2人でエレベーターにのるところ。

こりゃらくちんだ〜って途中まで上がるんだけど、エレベーターは途中で壊れちゃって、ばいきんまんはまた自分の体で木に登っていく。

ルルンは「無理だよ登れないよ〜!」って泣きながら登る。

ここで、アンパンマンだったらルルンは木に登れないまま、なんならエレベーター乗る以前にアンパンマンに乗せてもらって上まで行くことになるんだよなあ、と思った。


同時に、これって俺たちみたいなグズと、その尻を叩いてくれる上の世代の人たちじゃん…ってなって、そっから映画を見る視点がグズ視点になってしまった。

今作は基本的にルルンがグズグズ言って、それをばいきんまんがブチギレながらもなんやかんややっていくって話で、それってたぶんちょっと前の社会と同じなんじゃないかと思った。


ていうか、人間はみんな基本的にルルンなんだよ。俺の勘違いじゃなければ。勘違いだった場合は俺だけがグズ。

今はさ、「その人ができる仕事を」「得意なことをやればいい」みたいな社会になりつつあって、まあそれがほんとうにできればいいんだけど、みんなルルンなんだからばいきんまんみたいにマシンつくれないし、アンパンマンみたいに人を助けられやんのや。

ごく一部のアンパンマンたちの背中に乗って、ばいきんまんの作ったエレベーターに乗ってグズたちが生きていく社会は、立ち行かないんじゃね〜のか?

僕は鬱病なんだけど、そういうことばっかり考えて社会構造が崩壊するのが怖くてしかたねーの。一応雇ってくれてる会社も僕がグズすぎて賢い人達がみんな転職したら終わりやんってずっと怯えてんの。だから鬱病なの。

まさに杞憂という故事成語そのものでずっと空が落ちてきたらどうしようって考えてんのよ。

逆になんでみんな怖くないんやろ。でも怖いけど立ち上がるのが愛と勇気の戦士って言ってたし、みんな怖いけど頑張ってるんやな。

追記:ばいきんまん、かなわねえなって思ったらすぐ「アンパンマン呼んでこい!」ってきりかえてるんだよね。これほんとに技術者に必要な能力だし、この作品をパワハラ賛美たらしめてない一点だと思う。(頑張ったうえで、できないことは、できるやつに頼れ)

この映画見てて思ったのは、やっぱ今の社会は優しすぎるねん。

これに関しては僕が恵まれてるんやと思うけど、僕がグズでグズグズしてるのにみんな無理しないでゆっくりで頑張っていこう!って感じで優しいんだよね。

でも僕ってグズなのにグズに厳しいというか、前時代的な考えを持ってるので、「もっと厳しくせんと僕みたいなグズがつけあがるやん」って思いながら甘えてるんだよな。上司にしたらブラック上司になるので昇進させないでください。

たぶん昔はみんなルルンや僕みたいなグズだったんだけど、ばいきんまんにシバかれてやるしかねえ、やるしかねえって踏ん張りながら成長してきたんだと思う。

その中に溶血性連鎖球菌みたいなスーパーやばいばいきんまんがいて、壊れてしまった人が出たんだろう。

その線引はだれにもわからないしできん!こわい!社会おわり!鬱!


今回ルルンは最終的にがんばれたけど、そのグズがばいきんまんにシバかれて成長できるのか免疫敗北死するんかってシバいてみないとわからんのよな。

僕も多分実際シバかれたらすぐ死にます。体に弱くないところがないので免疫ももちろん雑魚です。

でもそんな僕のことをみんな応援してね!それが社会です。

ほぼ自分語りになってしまいましたが、面白かったので観に行くといいと思います。僕はほぼニートなのでド平日に行ってそこまでお子さんが多くない中で見られましたが、休日でお子さんに囲まれて観るのは厳しいかもしれないので、そういう方はソフト化を待ちましょう。

あとお子さんがみんな持ってた入場特典の鈴みたいなやつおとなだからなのかもらえなくてEDのときめっちゃ寂しかったです。ドラえもんは何歳でもまんがBOOKくれるのに。


ただ一つだけ言わせてくれ、ルルンお前、覚醒してもすいとるゾウと相性不利すぎる、これが覚醒してもグズはグズって話だったら、おれはこわすぎてもう立ち上がれないよ。

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