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祖母とGODIVA。

夕方からの一人映画とヘッドスパ付き温泉、そして24時間営業の整体マッサージを受けていると、なんと年を越していた。

そうなることは大して意図したわけでもないが、意識していないわけでもなかった。特に誰かからお呼びがかかることもなく、都会っ子のため帰省というものもない。

例年迎える年末は、学生時代の友人が発起人となりアパートで格闘技の中継と紅白歌合戦出場の韓国アイドルの出番とを、交互にチャンネルを回しながら出来合いの寄せ鍋をつついているのが恒例であった。

しかし今年は格闘技の中継もないし、そもそもこの1年で各々が家庭を持ったり、同棲を始めたりとて集まるタイミングと環境がいよいよ消滅した。

考えてみれば、22歳で大学を卒業して都会や地方に就職で散らばっても、齢30を越えて未だ大晦日に集まれていたのが奇跡に近いようなものであった。

一応元日にはLINEのグループではあけおめメッセージが何人か飛び交っていたものの、集まらなかった事実には誰も触れない。
終わるときはあっけない。

肩甲骨から腰回りにかけての広範囲にわたる痛みをマッサージで解きほぐしたため、今は体の調子が大変良い。

それはそれで新鮮な年の越し方をしたと思う。出来れば来年もしたい。

元日は昼から両親と先日89歳を迎えた祖母とおせち料理。
来て早々、「早く曾孫を見せないと貯めに貯めた年金を使い果たしちゃうわよ」というブラックジョークを飛ばす御年89歳が手に持っていたのは、GODIVAと書かれたピンクの包装であった。

都会へ出る電車は1路線のみという、陸の孤島と呼ばれた我が地元。
そんな代物どこで買ってきたのか?と問うと、

「いつも行くスーパーのチラシで、ギザギザの囲いの中に大きく2000円!!それと小さく1000円!が打ってたのを見つけた」とのこと。

なお暫くして判明したが、持ってきたのは1000円で、2000円は自分が食べるのだそう。
ご満悦そうである。

余ったおせちをタッパーに詰め、帰りにブックオフの年始恒例のウルトラセールでエッセイなど3冊程仕入れて帰宅。

三浦哲郎「おふくろの夜回り」は夏に手に入れて以来ずっと読んでいるが、心地よい日本語に触れられて安らぐ。例のGODIVAを時折嗜みながら読み進めます。完食したおせちが写ってしまった…

読書のラインナップもここ半年で様変わりしてきた。そろそろ昨夏以来の本棚紹介も行いたいと思う。最近は文芸誌にも手を出す始末で本がいよいよ溢れかえってきた。近日公開予定。

今年も拙い表現が続くとは思いますが、何卒お付き合い下さいませ。



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