見出し画像

うつ病ほど理解されていない「双極症」とかいう厄介な病について書きます。

97年生まれ24歳、社会人2年目のYuki Shibuyaです。

みなさん、「双極症」という病をご存知でしょうか?
日本人の100人に1人程度の割合で発症する病です。
多分、多くの人が知らないと思います。

「双極性障害」とも「躁うつ病」とも呼ばれる病のことです。
この名称だと、もしかしたら少し聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

僕は大学生の時に「うつ病」と診断されて、生活してきたのですが、
ここ1年くらいの様子を診ると、先生曰く「双極症」らしいのです。

つまり、診断名が変わり、治療法や対処法が変わり、生活も変わったのです。

「うつ病」と診断されていた頃は、どうしても必要な場合に、
「実はうつ病なんだよね」と言えば相手も色々理解してくれることが多かったです。
まだまだ途上ではありますが、確実に「うつ病」への理解は進んでいるなと感じています。

ところが、「双極症」はうつ病と比べるとなかなか理解してもらえません。
圧倒的に認知度が低いです。

今回のnoteでは、僕の実体験を織り交ぜながら、「双極症」について紹介していこうと思います。

「へえ、こんな病気があるんだ」「自分も気をつけておこう」「周りにメンタル疾患の人がいるんだろうな」などと思ってもらえるように書きましたので、よかったら最後まで読んでみてください。

100人に1人が発症する

双極症の有病率は1%、つまり100人に1人というデータがあります。
メンタル疾患は正確な診断が難しかったり、発症していても病院にかからない人もいるので数値は上下するようですが、少なくとも0.5%以上はいると考えて良さそうです。

多くの人は、小中高と進学して数百人と知り合うわけですが、その中に1人、2人は確実に双極症の人がいることになります。

ちなみに、うつ病は有病率が6%とも言われているようで、双極症よりも断然多いです。

きっと、僕の学生時代の知り合いにもカミングアウトしていないだけでメンタル疾患の人がいるんだろうなぁ、と思います。

そう思うと、いかに自分が健康だと思っていても、普通の怪我や病気のようにメンタル疾患も身近なところにあるんだな、と痛感します。

偶然、事故に遭って骨折してしまうように。

気分がジェットコースターのように上下する

では、そんな双極症はどんな症状を伴うものなのか、説明します。
双極症は、「躁状態」と「うつ状態」という2つの状態を繰り返す脳の病気です。

躁状態
・気分が高揚する
・自分は何でもできる気持ちになる
・次から次へとアイデアが出てくる
・興味や関心がすぐに移るが、集中力は続かない
・寝付きが悪くなる、眠らなくても活動できる
・口数が多くなり、話題もあちこちに飛ぶ
・浪費してしまう
うつ状態
・気分が落ちこむ
・何もできなくなる
・好きなことに対する意欲もなくなる
・食欲がなくなる
・眠れなくなる、または寝過ぎてしまう
・頭が働かなくなる
・自分を責めてしまう

うつ状態はうつ病の症状とよく似ているのですが、そこに躁状態が加わり、波が起こるようなイメージです。

交互にやってきたり、短期間のうちに激しく入れ替わったり、人によって様々なパターンがあるようです。

僕の場合は1〜2週間ごとに軽めの躁状態と重めのうつ状態が交互にやってくることが多いです。

自分も周りも「治った」と勘違いしやすい

双極症がうつ病ほど理解されにくいのは、「躁状態」があるせいだと個人的に考えています。

というのも、「躁状態」は気分が高揚して活動的になるので、本人も「自分は調子が良いぞ!」と思い込み、周囲の人も「よかった、元気になった」と認識しがちなのです。

しかし、その「元気」は「普通の人の元気」と同じではなく、120%振り切ってしまっているような「異常な元気」です。

そこで過剰に活動しすぎて、エネルギーを使い切ってしまい、再び「うつ状態」に逆戻り、最悪の場合は病状が悪化します。

元気がない時はある程度分かりやすいですが、元気すぎる時こそ要注意なのです。

僕の躁状態エピソード

具体例として、僕の躁状態のエピソードを紹介します。

例えば、普通の状態やうつ状態の時は、「仕事したくないな」とか「面倒だな」と思ってしまうのですが、躁状態の時は寝ようと思ってベッドに入っても、「眠らずに飛び起きて今すぐにでも仕事がしたい!」と思ってしまうほどでした。

これには自分でも驚きました(笑)
まるで別人。

また、普段は口数が少ない方なのですが、躁状態になると次から次へと話したいことが頭に溢れてきて多弁になってしまいます。
普段は人見知りなのに、社交的にもなって、新しい人と知り合ったり話したりすることにも抵抗がなくなります。

他にも、音楽経験がないのに、急に作曲のソフトに手を出してみたと思ったら、10分もしないうちに飽きて、イラストを描きだしたり、本や漫画を読み始めたり。

とにかく興味関心が移っていきます。集中できないのにも関わらず。

僕のうつ状態エピソード

うつ状態は、躁状態とは真逆と言っても良いくらい一変します。

まず、深刻なのが何に対しても気力が湧かなくなり、体も頭も動かなくなってしまうこと。
作業などは集中できないくせに、考えなくても良いようなネガティブなことは頭の中を駆け巡ります。

布団から出るのですら億劫になり、お風呂に入ったり、顔を洗う元気もなくなります。

気晴らしに読書でもしようと思っても字が滑って内容が頭に入ってこないですし、ゲームをしても数分で疲れてしまいます。

また、自己肯定感が極端に下がり、「自分は罪深い」「自分なんて必要とされていない」といったようなネガティブな思考に囚われます。

考えたくて考えるのではなく、自然と頭を埋め尽くされてしまうのがかなり辛いところ。

他にも、1日に10〜12時間も寝てしまうのに、日中も眠気が酷かったりと、とにかく元気がないガス欠状態なのがうつ状態です。

双極症の人への接し方

ここまでの話を踏まえて、双極症に限らず、あなたの周りに少なくとも1人はいるメンタル疾患の人への接し方はどうすれば良いのか。

僕なりの意見があるので紹介します。

とりあえずは放っておく

まず、ありがたいのは放っておいてくれることです。
症状がひどい時に、「いつ治るの?」「気晴らしに遊んでくれば?」「明日は会社/学校に行けそう?」などと声をかけられると、なおさらプレッシャーになり、「自分はなんてダメなんだ」という思考に陥ります。

そんな時には、適度に放っておいてもらい、回復まで待ってくれると非常に助かります。

当の本人も症状がいつ落ち着くか分からず、真っ暗な闇の中でもがき苦しんでいるような状態だからです。

具体的な解決策よりも話を聞いてもらうだけで良い

特にうつ状態がひどい時に、その辛さを誰かに聞いて欲しくなる人が多いと思います。
そんな時は、ただ「うんうん」と頷きながらゆっくり話を聞いてもらえると助かります。

具体的な解決策を求めているというよりは、自分の苦しみを知ってほしいことが多いので、あまりアドバイスは必要としていません。

仮にアドバイスしてもらったとしても、「自分にはそれを実行することもできない…」と自分を責める傾向が強いので、余計に悪化したりする場合があります。
(せっかく親切心からアドバイスしてもらってるのに申し訳ない話だけど)

躁状態の時は、過活動や浪費を注意してあげる

躁状態の時には、ついついいつもより活動しすぎてしまったり、浪費してしまったりすることがあります。

本人は脳が異常をきたしていることもあって気がついていないことも多いので、「ほどほどにして休みなよ」「そんな高価なもの、本当に必要?」などと伝えてもらえるとありがたいです。

中には、信頼できる人にクレジットカードや通帳を預けて、浪費を強制的に制限している人もいるようです。

まとめ

このような感じで、双極症は周りの人に支えてもらってなんとか生活できています。
当事者は当事者で、その感謝を忘れないようにしないといけないですし、逆に相手を助けられる時には助けたいですね。

この記事を読んで、少しでもメンタル疾患が身近なものだと感じてもらえたら幸いです。コロナ禍の中、体の調子はもちろんですが、心の調子にも同じくらい気を遣って過ごしていきましょう。

双極症が原因で新卒入社した会社を休職→退職したエピソードもnoteにまとめているので、よかったら読んでみてください。

Profile
Yuki Shibuya │ 423(シブサン)
97年生まれ/新卒入社を10ヶ月でリタイア→転職/双極症クリエイター/ALLY/Webメディア編集・ライター・イラストレーター/漫画、生きづらさ、学びについて書いてます/カントリーマアムが主食

自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。