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性的マイノリティとメンタル疾患のカミングアウトの怖さ。

僕はシスジェンダー・ヘテロセクシュアルの男性。つまり「一般的な異性愛者の男性」だ。
そんな僕は大学時代のジェンダーの授業で、性の多様性について学び、価値観が180度転換するような衝撃を受けた。

それ以来、性的マイノリティの歴史や活動について学んだり、実際にLGBTの就職を支援する企業でインターンを行い、当事者とも交流してみた。

大学時代の学びの大半はジェンダーに関わるものだったと思う。
それくらい、のめり込んで活動していた。

それと同時に、僕は大学時代に双極性障害というメンタル疾患になった。
その治療をしながら、ジェンダーに関する活動をしていたというわけだ。

その頃から感じてきたことがある。
性的マイノリティの悩み、生きづらさはメンタル疾患の人の抱える悩みと似ているところがあるんじゃないか?

まず、ほとんどの場合、性的なあり方とメンタル疾患は「目に見えない」
これが非常に厄介で、周囲の人に気づいてもらいにくいし、自分からカミングアウトする必要が出てくる。

このカミングアウトがかなりハードルが高く、勇気のいる行動になる。

性的マイノリティなら、自分の性自認や性的指向などのプライベートでセンシティブなことについてわざわざ曝け出さなければいけない。

メンタル疾患も、自分の心の状態とそれにまつわる身体的な症状を、「病気」であることが分かるように、わざわざ丁寧に説明しなければいけない。

どちらも、自分の「内側」にあるものを、「前面」に持ち出してくる必要があるのだ。

想像してほしい。
自分の抱えている秘密。隠しておきたい弱みや思い。
そういったものを洗いざらい吐き出すのと近いものがある。(と、僕は思う)

性的マイノリティもメンタル疾患も、残念ながらまだまだ世間での理解が浅いのが現実だ。

その中で、それらを打ち明けることは、自ら偏見の危険のある海に飛び込んでいくようなものだ。

家族との関係がギクシャクしてしまうのではないか。
友人関係に溝ができてしまうのではないか。
就活で不利になってしまうのではないか。
周りから心無い言葉を投げかけられるのではないか。

このような様々な不安がつきまとうのは、性的マイノリティもメンタル疾患も共通しているところだと思う。

だからこそ僕は、メンタル疾患を抱えながらもそれを発信し、なおかつジェンダーや性的マイノリティについてもnoteなどで扱い、1人でも多くの人に知ってもらおうと思っている。

無理にカミングアウトする必要はない。
不要だったら言わずに過ごしておけば良い。
しかし、言う必要がある人、言うことで周囲に知ってほしい人にとって、もっとカミングアウトのハードルが低くなってくれればな、と思う。

未来の当事者が勇気を振り絞らなくても良いように、今、発言できる人が発言したり、世の中に知識として広めていくことが大切なのだと思う。

知っていることと、知らないでいることは0と100くらい違う。
世の中の常識のひとつに、性的マイノリティやメンタル疾患が加われば、僕たちは何も臆することなく自分の個性を口にすることができる。

そんな未来を作っていきたくてこのnoteを更新しています。

Profile
Yuki Shibuya │ 423(シブサン)
97年生まれ/新卒入社を10ヶ月でリタイア→転職/双極性障害クリエイター/ALLY/Webメディア編集・ライター・イラストレーター/漫画、生きづらさ、学びについて書いてます/カントリーマアムが主食


自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。