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20210302


依存は怖くて、だけど人間ひとりきりでは生きていけない、ということもしっかりわかっている。
だから「助け合い」とか「支え合い」とか「お互い様」とか「共に生きる」とか、あるいは「家族」「仲間」「絆」「繋がり」「縁」などなど、まろやかな言葉で肯定したいんだと思う。
江國香織『いくつもの週末』を読みながら、そんなことを考えた。雨の日は江國香織をよく読む。何度でも読む。
それから、小川洋子『刺繍する少女』も。図書館で予約して借りたら、カバーもなく、背表紙はテプラで題名が貼られていた。はだかんぼうの本は可哀想になる。本棚の見た目をすっきりさせるためにカバーは全部取る、という人がいるらしいが、私には信じられない。あれはたまにはぐって見るからいいのに。
帯は外すことの方が多い。でも、忍びない、と思う。せっかく誰かの手で作られたのに、と思う。しかしついていると読みにくい。だからできれば、帯なんか最初からつけないでほしい。心苦しくなるから。
ケーキの飾りみたいだな、と思う。飾りだけでなく、ケーキにいちごのヘタやオレンジの皮がついたままなのも苦手だ。食べられるものだけそこにあってほしい。

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