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味噌汁トーク 第2回前編

味噌汁を介した異業種おしゃべり。題して味噌汁トーク!!
味噌汁研究家かじまゆがゲストをお招きしておしゃべりします。


かじまゆ: 味噌汁トーク第2回のゲストは、ぷくぷくko村上奈緒子さんです!よろしくお願いします。

村上奈緒子(以下、村上): よろしくお願いします!

村上奈緒子
2018年からぷくぷくkoを主宰。自然栽培農家さんがつくった麹調味料の販売や、麹の簡単な使い方を提案するイベントを企画開催している。
https://pukupuku-ko.jimdosite.com/


好きな味噌汁の具

かじまゆ: 早速ですが、味噌汁トーク第1回のゲストまつもとかおりさんから質問を預かっています。「好きな味噌汁の具はなんですか」と。

村上: 切り干し大根です!

かじまゆ: 即答でしたね。

村上: ほぼ毎日、切り干し大根を入れてます。乾物だけの味噌汁の確率も結構高いです!

かじまゆ: そうなんですね!切り干し大根とどんな具を合わせますか。

村上: 切り干し大根にわかめひとくち高野豆腐を合わせます。切り干し大根から結構だしが出るので、だしの役割も兼ねて。これを週4回ぐらいつくっています!あとはネギやきのこ類などそのときあるもので、という感じですね。

かじまゆ: なるほど!切り干し大根ってどうしてあんなにおいしいのでしょう♡

村上: ね!ギュッと凝縮された甘味がいい仕事をしていますよね。干されて栄養価も高まります。

かじまゆ: 具にもなり、だし汁もつくってくれて素晴らしいですね。

村上: 素晴らしいですね!

かじまゆ: 切り干し大根の味噌汁を食べたくなってきた〜!!

村上: (笑)。オススメです!!包丁を使わなくていいし。

かじまゆ: 確かに!サッと洗う感じですか?

村上: 洗いもしないです〜。袋から出して適量をキッチンバサミで食べやすい大きさに切って、水からコトコト煮て、味噌入れて、という感じですね。

かじまゆ: しみじみおいしいですね!

村上: 歯ごたえがあるのもいいですね。

かじまゆ: 大根にはない切り干し大根特有の歯ごたえ!

村上: そうですね。くにゃっとしない歯ごたえが!

かじまゆ: 今おうちで過ごしているみなさんにもオススメですね。乾物は保存が利きますし。

村上: そうですね!切り干し大根と高野豆腐は常に常備しています。

かじまゆ: そのふたつで野菜とタンパク質を常備できますね!


麹をつくるようになったワケ

かじまゆ: 村上さんはぷくぷくkoの屋号で仕事をされています。農家さん手づくりの麹調味料を中心に、体がほっとするおいしいものや麹の使い方などを広めています。ご自身での麹づくりも!どういうきっかけで麹をつくるようになったのですか。

村上: 30歳ぐらいのときに消化器系の体調不良だった時期があって・・・。お薬を最初は飲んでいましたが、飲まなくなるとまたぶり返すの繰り返しで。お薬ではなく食で体をよくしようとあるとき決めました。いろいろ試しているうちに塩麹や甘酒など発酵食品に出会いました。こういうものは今日食べて明日よくなるものではありません。徐々に調子よくなってきて、塩麹や甘酒いいかも♪と。食に詳しい友だちにも出会い、手づくりに興味を持つようになりました。味噌もつくるようになり、麹を使うことが増えました。

かじまゆ: 麹から入ったのではなく、発酵食品に出会って、の流れなのですね!

村上: 最初は麹を味噌屋さんで買っていました。すぐ使い切るし、年間通して買っていると結構高い気がして。自分でつくれたらいいな〜と思い始めたころに転機がありました。2017年秋になかじさんの麹の学校に参加しました。なかじさんは寺田本家(自然酒の造り酒屋)で働いたのち、今はフリーで麹を世界に広める活動をしている方です。その方が大阪で3日間ぶっ続けでお米を蒸すところから麹づくりを教えてくれる麹の学校がありました。それに参加して麹をつくれるようになりました。

かじまゆ: 3日間!!泊まり込みですか?

村上: 遠くから来ている人は泊まり込みで。講座自体は朝から夕方まででした。

かじまゆ: 麹は習ったらすぐつくれるものですか?

村上: 「やってみよう!」という気持ちがあれば。最初に丁寧に教えてくださったことが大きかったと思います。パンよりも麹のほうが簡単にできました。それから毎月つくっています。

かじまゆ: 村上さんに合っていたんですね。麹菌となかよし!さすがぷくぷくko!

村上: そうなんでしょうか(笑)。そこからぷくぷくkoも生まれました。


手づくりの醍醐味

かじまゆ: 実際に麹づくりを始めてからは手づくりの麹で塩麹甘酒をつくるようになったのですか。

村上: そうですね。醤油麹なんかも。かじさんもつくってくださったけれど、みりんも!

かじまゆ: そうですね!「ぷくみりん」という名の!

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村上: ぷくみりんをちょうど絞りました。

かじまゆ: ザルに開けるんでしたっけ?

村上: ザルで漉して、茶こしなどさらに目の細かいもので漉してと二段階ですね。液体がみりんで、粕がみりん粕で。

かじまゆ: みりん粕を使ったおいしそうなお菓子をインスタグラムに載せていますよね!

村上: そうです!チョコレートと混ぜても。焼き菓子に混ぜてもおいしいです。

かじまゆ: 焼き菓子にも!練り込むのでしょうか。

村上: はい。いつもつくっている酒粕ビスコッティもみりん粕でつくるとお砂糖を減らせます。酒粕よりも甘いので。

かじまゆ: お菓子にも発展する発酵食品!手づくりの麹でつくった味噌もおいしいですか。

村上: そうですね。何年か前・・・2年前から自分でつくった麹で味噌をつくるようになりました。気のせいではなく、買った麹でつくるよりもおいしい気がします。

かじまゆ: そうなんですね!手前味噌の前段階に手前麹が!

村上: 昔は農家さんが麹をつくって、育てた大豆と一緒に味噌にしていたのでしょうね。

かじまゆ: 栽培を除いて、それに近いことをしているのですね。

村上: わたしの味噌がほかの人にもおいしいかはわかりませんが、常在菌がより入っていますよね。常在菌は自分に合った食べものにしてくれるらしいので、よりおいしいのかな、と。

かじまゆ: 村上さん仕様になっているのですね!

村上: 勝手にそう思っています。

かじまゆ: 手づくりの醍醐味でしょうか。

村上: やってみたら味噌もみりんもつくれますけど、それまでは買うものだと思っていました。

かじまゆ: 同感です!

村上: ね!できるわけないと思っていたことが意外にできました。冬になったら味噌を仕込もうとなっている。生活のサイクルになっていることがうれしいですね。

かじまゆ: 季節の手仕事ですね。

村上: そんな感じですね。


味噌汁の楽しみ方

かじまゆ: 手づくり麹でつくった、手づくり味噌でつくる、手づくり味噌汁は絶品ですか?

村上: 絶品ですね。おいしいな〜、落ち着くな〜と思いますね。

かじまゆ: 味噌汁は派手なおいしさというよりもしみじみとしたおいしさ、飽きのこないおいしさがありますね。

村上: みんな飲んできたんだなという感じがします。

かじまゆ: 味噌汁はどれくらいの頻度で飲んでいますか。

村上: 今は一日二回は飲んでいますね。朝は具なしでお湯に溶いただけの味噌スープ。お椀ではくてカップに入れている感じです。食パンに合うんですよね。

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かじまゆ: 手軽に楽しめますね。

村上: 昼はあまり飲むことがなくて。夜は具をガッツリ入れて食べる感じですね。

かじまゆ: 先ほど教えてもらった切り干し大根などを入れた味噌汁ですか。

村上: はい。

かじまゆ: 味噌汁を満喫されていますね!

村上: 満喫してますね〜(笑)かじさんに会ってから余計食べるようになった気もします。

かじまゆ: 光栄です!

村上: 「味噌汁、味噌汁」と言っているひとが近くにいると(笑)新しい具にも出会えています。かじさんが厚揚げをよく入れているけれど、わたしは入れたことがなくて。入れてみたらすごくおいしかったです!!

かじまゆ: ボリュームアップにもなりますよね。

村上: 厚揚げからコクも出ていいですね。

かじまゆ: 全体をまとめておいしく仕上げてくれる感がありますね。

村上: キッチンにしまち月いち食堂&マーケット(*1)でも毎回かじさんの味噌汁を飲めるのですごく勉強になっています。

(*1) 2020年5月以降、食堂はお休み。月いちマーケットとして運営中

かじまゆ: うれしいです!味噌汁はなにを入れてもいいけれど、ひとそれぞれ好きな具、これは違うと思っているもの、いろいろありますよね。

村上: そうですね。

かじまゆ: なので、みなさんに教えてもらって「おいしそう!」「入れてみたい!」と思うものは常にありますね。 

村上: ありますね!味噌汁トーク1回目を読ませてもらったらアボカドの話があって。思ったこともなかったからやってみようと思いました。

かじまゆ: ぜひぜひ! めっちゃおいしかったですよ〜。

村上: クリーミーな感じ?

かじまゆ: はい、クリーミーです。生で食べる先入観があって、ローフードの感じで味噌汁にしたことはあります。アボカドを加熱しては初めてでした。なんでも聞いてやってみるものですね!

村上: そうですね。それぞれの家の味が!

かじまゆ: 味噌汁の話をしていたらそれだけで終わってしまいそうです(笑)。


味噌汁の思い出

かじまゆ: 味噌汁は子どものころから結構食べていましたか?

村上: あまり食べていません。注目していなかったことが大きいかと思いますが、毎日飲んでいた記憶もあまりなく。実家の味噌汁は玉ねぎとじゃがいもの味噌汁が一番好きでした。

かじまゆ: 野菜の甘みがいい感じの組み合わせですね♡

村上: そう、甘くて。切り干し大根の前はそれがナンバーワンでした。

かじまゆ: 子どものころから慣れ親しんだ味なんですね。

村上: そうですね。なんか、でも、味噌汁を自分の親世代はそこまで重要視しなくなり始めた世代なのかな。「味噌汁食べやー」と言われたこともあまりなく。今の自分のほうが熱心に食べています。

かじまゆ: それは同感かも。

村上: 当たり前すぎたのかもしれないですけれど。

かじまゆ: 確かに・・・。先ほど「注目していない」と表現されていましたけれど、味噌汁が今ある意味で注目されているのでしょうか。味噌汁の時代が来た?!

村上: 来てますよ〜(笑)

かじまゆ: ごはんと味噌汁で食事になりますよね。

村上: そうですね、一人暮らしを始めてから味噌汁で一品まかなおうとし始めて。それでよく食べるようになったのかもしれません。沢山具を入れてその一品でおなかをふくらませる作戦です。笑 また、食に詳しい友達が増えて、手づくりに興味を持って、味噌をつくるようになったら「スーパーの味噌より自分でつくったほうがおいしいやん!」と気づいたときからよく食べるように、意識するようになりました。

かじまゆ: 手づくりはもちろんおいしいですけれど、手づくりに限らず好みの味噌があると味噌汁をつくる気になりますよね。

村上: そうですね。

かじまゆ: マイ麹、マイ味噌、マイ味噌汁(笑)!

村上: そうですね〜白味噌や麦味噌も仕込めるようになって。酒粕も元をたどれば麹。酒粕のおやつをつくるようになってから常時酒粕が山のようにあります。

かじまゆ: 酒粕と暮らすですね。酒粕サータアンダギーも大好評ですね。

村上: 小腹が空いたときにちょうどいい。

かじまゆ: ボソボソしないところがいいですね。

村上: 自分で食べていても飽きないです。

かじまゆ: 酒粕サーターアンダギーをいちばん食べているのは村上さんですよね。試作の段階から。飽きのこないおいしさって最高ですよね。

村上: そうですね、お米由来だから飽きないのかも。

かじまゆ: ごはんは飽きないですね!

村上: パンは好きだけど食べすぎると飽きます。

かじまゆ: パン好きのひとでも・・・

村上: うん、、飽きます。パンを食べると口の中がいーっってなるけれどごはんはそんなことないです。

かじまゆ: 水分量が違うのでしょうか?イメージだけなんですけれど・・・

村上: わたしもわかりませんが水分量なのかなぁ・・・

かじまゆ: ごはんはあれだけの水を炊き込んでいるなぁ、と思いまして。一部蒸発しているとは言え。

村上: 確かに、焼いて水分を飛ばしていないですね。おなかにたまる感じも違いますね。こなれるのが早いような。消化吸収的にも日本人にはいいかもしれないですね。

かじまゆ: 前3世代が食べてきたものは体に馴染みやすいとなにかで読んだことがあります。

村上: へぇ!

かじまゆ: そうなると米なのかなぁ。

村上: 米や発酵食品、海藻。

かじまゆ: まごわやさしい(*2)、あたりでしょうか。

(*2)健康な食生活に役立つと言われる和の食材の頭文字を語呂合わせにしたもの。ま=豆、ご=ごま、わ=わかめ、や=野菜、さ=魚、し=椎茸、い=芋

村上: そのあたりですね。

かじまゆ: おなか空いてきた・・・。

村上: おなか空いてきましたね。

かじまゆ: おいしい話はこれが困りますね(笑)。

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