3年で業績400%、ハネた理由を振り返るpart1(2016年6月期まで)
弊社キュービックはデジタルマーケティング事業、デジタルメディア事業を営んでいます。金融、人材、士業など様々なジャンルでメディアを運用し、広告主企業たるクライアントには新規顧客獲得という価値を、ユーザーには「明日が変わるキッカケ」という価値を提供しています。
このたび、創業13期にあたる2019年6月期において、売上・営利共に過去最高をマークしました。いつも多大なるご支援・ご協力をいただき本当にありがとうございます。
年商10億円前後で足踏みをした時期もあったのですが、ここ3年で業績は4倍になりました。
もちろん順調にここまで来たわけではなく、数々の苦難や犠牲も伴いました。先日のnoteに少し反響があったため、「なぜ業績がハネたのか」振り返りも兼ねてまとめてみました。
せっかくなので7-8年分、かなり遡ってまとめています。14期目に突入したキュービックはベンチャーとしては年季の入った方ですが、「点」ではなく「線」で振り返れるのは年の功。ドヤ。
2013年6月期〜2016年6月期(第7期〜10期)の停滞
第7期に初めて年商10億円を超えてからというもの、4年ほど大きく伸びない時期が続いていました。割と採用には力を入れ、オフィスも一気に拡大するなど(移転や増床、分室設置など、毎年のように床が増えていました)気合いを入れていたつもりでしたが、業績は思うように成長できず、歯がゆい思いをしていました。
停滞要因その1:実力値を超えた成果からの慢心
要因の1つは第7期(2013年6月期)の「実力値を大きく超えた成果」による「慢心」です。
社員数は7-8名、インターンを入れても20名程度の会社でこの業績ですから、明らかに実力ではないのです(Yahoo!の新規広告枠の追い風にうまく乗っただけ)。ここで本来であれば死に物狂いで「中身」も成長しないといけないはずですが、経営に対する覚悟がまだ不足していた自分にはそこまでの視座がなく、追い風が凪に変わるのをただ指をくわえて見ていることしかできませんでした。
事実、芽の出なかった新規事業に固執した時間が長く、最大の経営資源である「CEOの可処分時間」の無駄遣いをズルズルと続けてしまいました。自身の成長もあまりなかった。「停滞期」前半は明らかにこれ。
停滞要因その2:準備不足のまま採用強化に踏み切った
もう1つの要因は、強引な採用強化。採用というよりは、オンボーディング課題だったかもしれません。
当時は「勝ち筋」となる集客技術がある程度できあがったと考えたため、「あとは人を増やせば一気に伸ばせるぞ」と安直に考え、組織の拡大に力を入れていた時期です。
採用はパワーのある担当者を招くことができ、いいチームを組成できたこともあって、かなり進みました。インターンを入れて50名もいなかったところから、1年半で5倍の250名に。(今思ってもこの採用ペースはだいぶぶっ飛んでいますね)
採用チームは死ぬ気で成果にコミットして戦い、職責を全うしてくれました。問題はトータルで採用の前後の工程を考え抜けていなかった経営の未熟さにあります。今思えば新しく加入してくれた人材を活躍させられる仕組みは会社に全くありませんでした。
・「勝ち筋」と言えるほどの独自性や専門性がナレッジ化されていなかった
・伝承すべき技術が思った以上に複雑で、キャッチアップが困難だった
・オンボーディングの仕組みもなかった
総じて、未経験のメンバーを受け入れるのに十分な仕組みが整っていなかったというのが大きなネックとなりました。
webを触ったことがなく、「CTR」「IMP」のような用語も知らないメンバーに、イチからマーケティングを伝えるということの難しさをわかっていなかった。マーケティングどころか、どんどん膨れ上がる会社の中に溢れる情報をきちんと管理する仕組みもなく、入社した人はどこにどんな情報があるのかが見えない状態です。
これもおそらくベンチャーあるある。創業者と古株は創業事業を長らくやってきていますし、育成もマネジメントも受けず泥水飲みながらキャッチアップしてきています。だから育成しろ・マネジメントしろ・カタ化しろと言われても、どこから手をつけていいのか・何が伝わっていないのかが体感的にわからないのです。
また、少数の際には無言のアイコンタクトで伝わったことも、組織の拡大とともにどんどん伝わらなくなるわけですが、だいたいこういうのは気づいた時には手遅れ。様々な問題を生んでいます。理念に関する解釈のズレ、業務系のルールの不足、その他ルールの浸透不足など。
当時ジョインしてくれた方々には、僕自身の力不足を少なからず申し訳なく思っています。また、死に物狂いでキャッチアップして現在大きく活躍してくれている現メンバーには頭が上がりません。感謝とリスペクトでいっぱいです。
ということで、採用しても事業は思うように成長せず、噴出する組織の課題に振り回される、ちょっとモヤモヤした時期が続きました。(実際、未経験マーケター採用枠でのジョインとなったメンバーは、会社を牽引する活躍をするまで平均で1年〜1年半ほどかかりました)
停滞期に得られた学び
- 実力値を超えた業績に注意
- 慢心は停滞を招く
- CEOの可処分時間は最大の経営資源
- 採用強化時には受け入れ準備とナレッジの確立が必須
以上、part1は4倍成長前夜の解説となってしまいました。part2・part3はこちら。
■3年で業績400%、ハネた理由を振り返るpart1(2016年6月期まで)
■3年で業績400%、ハネた理由を振り返るpart2(2018年6月期まで)
■3年で業績400%、ハネた理由を振り返るpart3(2019年6月期まで)
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