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46歳♂ぐだぐだ転職記22|総括

内定を承諾し、入社日までの2週間で転職先への提出書類の確認など打ち合わせを進めた。
留学、結婚、親の葬式といった人生の節目でもそうだったように、必要な証書を取得し、複数の書類事務を淡々と進めていく過程には気持ちを少しずつ「新しい日常」に整えていく作用があるようだ。
そして今は新しい職場で働いているわけだが、ここで、8ヶ月に及んだ転職活動を振り返って、私にとっての新しい日常に移行していこうと思う。

転職活動期間は8ヶ月

2023年4月頃から転職を考え始め、具体的な行動開始は2023年6月下旬。内定を承諾したのが2024年2月。実質的な転職活動期間は約8ヶ月。
このnoteのタイトルに「46歳」と入れた理由である「最長でも次の誕生日(47歳)までに転職を終える」という当初の希望は叶えられた。

「どれだけ月日をかけてもいいから理想的な転職先から内定を貰う」ことを絶対条件に設定できれば最善だが、人それぞれに最大で費やせる期間は異なる。気持ちの焦りを抑えるためにも、状況が許す限り転職期間は最大限に長く考えておいた方がいいだろう。短期決戦計画の人は、短期決戦第一期、第二期、と捉えて全体の最終期限は遠く設定しておいてはどうだろうか。

転職に慣れていない場合は、最初の一ヶ月程度は求人に応募せずに、世の中の求人が求める需要と自分の供給できるものを比較しながら職務経歴書に反映していく作業に費やした方が良いと思う。
これはいわば、木こりが山に出かける前に斧を磨き上げているような期間だ。成果のためには磨かれた書類が必要なのだ。刃こぼれした状態の斧で戦っても勝てる相手は限られる。

登録して意味のあった転職エージェントは4社

大手を中心として小規模なサイトやエージェントにも多数登録した。オールマイティに求人を扱うところ、業種や職種、年代に特化したところなど様々あるが、私のような「汚いキャリア」で、客観的な判断が難しい職歴の場合は、どこに自分の存在が刺さるかはわからないから、広く種を蒔いておく方式を選んで良かったと思う。
世の中のどこかにこんな自分だからこそ魅力を感じてくれる人/企業は存在する。その人/企業との出会いを探しに出かけよう。

「自分が世の中に必要とされているかどうかはわからないが、自分を必要としている場に出会えればその場を最大限にhappyにできる」という経験と確信は、多くのクリエイター/芸術家がもっている感覚だと思う。
「出会うべき人と出会う」重要性と必然性が信じられれば、たとえ500社に断られても、ハマる1社に最後に出会えればいいのだ。

私の場合、内定を承諾した企業は「ミドルの転職」上での企業直接スカウトだった。先方が探していた人物像に私がかなり近かったことで、そこから話がスムーズに進んだ。肌感覚では、企業スカウトの90%以上は職務経歴書の精査もしていないいい加減なスカウトだと思うが、中には「本当に自社のこのポジションに会う人を懸命に探している」人もいる。最初に届いたスカウトメッセージをいい加減にあしらわなくて本当に良かったと思う。

では、大手エージェント経由や企業への直接応募がダメかというと、そんなことはない。doda採用プロジェクトリクルートエージェントで私の担当になってくれた担当エージェントは、細やかな気遣いで、出過ぎることもなく、過不足ない情報提供でサポートをしてくれた。このお二人のサポートが得られなかったら、そもそも8ヶ月間の転職意欲を維持できたかどうか。心から感謝している。

もう一社、名は出さないが小規模エージェントで痒いところに手の届くようなサポートで絶妙な求人を何度か届けてくださったところがあった。残念ながら内定には至らなかったが、自分の独特な経歴を色メガネなしに見てもらえている安心感があった。いわゆる両面型で、担当エージェントが直接企業から得ている情報も多かったので、企業に関するちょっとした質問に対してその場で返ってくるレスポンスの精度が高い。「片面型」エージェントが「弊社内の担当者に確認してみますね」を挟まざるをえないのとは別物の安心感だ。

やって良かったこと

メールのフォルダ振り分けを最初に細かく設定

大手転職サイトに登録した途端にメールボックスが溢れることになる。転職サイトごとに分けのではなく、求人の種別(職種、年収、志望度等)でメールを振り分けるようにしておくと、あとから見直すのに便利。また、転職以外の通常のメールを見逃さないために、最低限でも「転職関係メール」と「それ以外」を分けておくといい。

職務経歴書のブラッシュアップ

記事にもしたが、多数の求人を見ながら「求人側が求めているもの」を理解して、それを書類に反映させていくのが大事だと思う。面接に至るまでの段階では、武器は職務経歴書だけなのだから。

自分の希望/ポリシーを曲げなかった

結果的に転職先が決まった今だから言えることかもしれないが、転職活動をしているとわかると、不安要素ばかりを挙げてくる人が周囲にいるかもしれない。特に年配の方は「転職」と書いて「背信」と読んでいるのではないかと思えるくらいに、転職というものをネガティブに捉えている人がいる。また、他人の転職の話なのに、なぜか自分に置き換えて良い/悪いを判断して、完全なる善意から転職先について忠告してくる人もいる。
しかし、働くのは自分。これまでの職歴を理解しているのも自分。これからの職歴を作っていくのも自分。忠告してくれる人が替りに働いてくれるわけではない。それなら、転職先を最終的に判断するのも自分だ。

企業研究を徹底的にやった

Web上に調査できる情報だけに限られるが、上場企業ならIR、そうでない企業でも見つかれば決算公告、企業や社員のブログ、SNS、企業の商品、店舗、競合企業などを可能な限り調べてから面接に臨んでいた。その結果、面接では「よくそこまで調べられましたね」と言われることが多かった。自分はこれまでの職種でも、疑問があるなら世界の果てまで情報を追いかけるようにしていたのでこういった調査には慣れているが、入社した企業で面接を担当していた上長によると「何十人何百人面接したが、これだけの情報を掴んでから面接に来た人は他にいなかった」そうだ。その点が何よりも印象深かったらしい(他の企業も同程度には調べていたとはとても言えない)。
調査力が問われる職種でのスキル・アピールとしてはもちろん、企業への志望度アピールとしても有効だろう。こうした「行動の差」は、他の応募者とのはっきりした差別要素にもなる。

やって悪かったこと

エージェントや企業からの、興味のないスカウト面談に応じた

「とにかくどこでもいいから面接まで進みたい」心理から自分には合っていないなぁと予感しているスカウトに応じ、面談に進んで書類応募したケースがいくつもあった。これが、転職活動における最大の無駄だったと思う。今にして思えば、これが「誰でもいいから入社させてしまって報酬を得たいエージェント」の仕事だったのだろう(だから職歴と無関係な求人を送ってくる)。しかし、興味のない求人にまで時間を割く必要は、ない。
その時間があるなら別の求人を探すなり、探した求人企業をよく調べるなり、別の有効なことに時間を割くほうがいいと思う。


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