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自転車のその先に4

「ボキン、オネガイシマス」
明らかに、怪しい、片言。
なんの募金かもわからない。こんな僕に声をかける?って思って、無視した。だって、どっからどう見ても、大人には見えない。最近、背も伸びたって周りからは言われるけど、それでもまだ160センチだ。父は172センチあるから、それを抜かすつもりではあるけど、見えても、高校生、頑張っても大学生。この人は何を考えているんだろう。人の心が分かれば、、、、考えても無駄だ。
2、3度同じ言葉を掛けられたが、無視し続けたら、いなくなった。振り返るは怖いけど、ちらっと後ろを見たら、違う人に声をかけてた。

「よかった、東京、こえぇ」
山形にはいなかった人種だ。怖かった。
いなくなってちょっとホッとしたのか、お腹が痛くなった。そして、駅のトイレに駆け込んだ。


マックに着いて、朝マックをゆっくり食べた。金沢行きの新幹線まで、少し時間があった。でも、さっきみたいな人に声をかけられるのはごめんだ。改札まで走って行こう。背中にはリュック、靴はスポーツタイプのもの。汗はかきたくなかったけど、そんなことを言ってる場合じゃない。
帽子を深く被って、買っておいた切符をさっと投入口に入れた。意外にスマートにできた。なんだ、簡単じゃん。山形では電車に乗る機会がほとんどなかったから、どうやって、切符を入れるのかをYouTubeを見て研究しておいてよかった。ショートに感謝っと思いながら、駅内に入った。のはいいが、新幹線乗り場どこだ?
「やばっ、全然わからない」
「と、とりあえず、歩こう」
「あれ、ここさっきも通った場所」
方向感覚はある方だ。だけど、東京駅広すぎ。スマホで地図アプリで東京駅内を検索できることすら忘れていた。
これでは乗り遅れるっと思い、中2の僕は素直に駅の人に聞いてみることにした。中2は人に聞かないんだぞって思いながら、妥協した。
駅員さん、親切に教えてくれた。
新幹線乗り場を教えてもらって、さらに切符を入れるところがあるなんて知らなかった。また、スマートに切符を入れた。
しばらくして、新幹線かがやきが来た。やっと金沢に行ける、ホッとしてまた、僕は眠りについた。


電車のアナウンス♪
次の停車は金沢、この電車は終点敦賀まで走行します。
金沢の次は小松に止まります。

スマホのアラームが鳴った。
こんなに寝るなんて自分でも思わなかった。東京から金沢までワープしたみたいだっと思いながら、荷物を確認して、電車を降りた。
待ち合わせは金沢駅西口のスタバ前って言ってな。じいちゃん、ばあちゃんいるといいな。

じいちゃんが運転する車に助手席にばあちゃんがいる。あー、金沢に来たんだ!!!

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