元主治医へのラブレターですの。

わたしが薬物に溺れてから10年以上、ずっと付き添ってくれた元主治医がいました。

初めて会った時、初めてかけられた言葉は、「もう、あなた、限界よ」

顔面一面掻きむしる自傷癖で血だらけになり、日常になったリストカットをリストバンドで隠し、体重が33kgまで落ちていた頃だった。

「何言ってんすか先生! 大丈夫っすよ! 余裕っすよ!」

そう言うと、彼女は、言った。
「もう、笑わないで、私まで悲しくなるの」

だからわたしは、彼女を信用し、着いて行こうと決めた。

それから9年以上もの月日が経ち、わたしの顔と手首や腕の傷も消え、体重は内科から「少し痩せましょう」と言われるほどの立派なモノになった。

なのに、なのに、先生が地元で開業するため、東京を去ることになった。そして診察最後の日、彼女は、言った。

「頑張らないで」

診断名は『複雑性PTSD』
病名は複雑性PTSDからの起因による、薬物依存症、鬱病、睡眠障害、解離性障害、対人恐怖、パニック障害etc、、、

一生完治のない病気のため、彼女がいなくなっても、わたしの精神科通いはまだまだ続く。

けれど、先生以上の理解者であり、母親のような存在の人間も、もう一生現れないだろう。

だけど、わたしは「先生、こんなに元気になりましたわ!」
そう、作らない笑顔で笑える日を目標にし、ずっとずっと生き抜いてやる。

これは、先生へ向けた、稚拙なラブレターです。先生のこと、一生、忘れてやるもんか!!!
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○○先生へ

先生、本当に今までありがとうございました。大袈裟ではなく、本当に、先生と出会えた事で、わたしの人生は大きく変わったような気がします。

先生と出会えたことで、ドラッグをやめられました(今のところですが…)。先生が褒めてくれたら、頑張ろうと思いました。先生が聞いてくれたから、涙が出るようになりました。先生が怒っていいと言ってくれたから、過去を笑い飛ばせるようになりました。先生が支えてくれたから、人の幸せにいちいちひるまなくなりました。先生が喜んでくれたから、早朝のパン屋で焼きたてパンを味わう喜びを知りました。先生が居てくれたから、死ぬことをやめ生きようと思いました。先生が感情や幸せに気付くことを教えてくれました。

だから、わたしは強くなった。

これから先の事がどうなるかなんて、わたしにも分かりません。だけど、わたしは強くなった。だから、大丈夫だと思うんです。

色んな何かを教えてくれて、与えてくれて、ありがとうございます。自分が『在る』事の意味を考えながら必死で生きてみます。

また、どこかで泣いてる誰かを救ってあげてください。

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