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28. leap day
前回の閏日は、高校時代の友人と3人で食事をした。
本来ならばその日は、KingGnuの福岡公演に行くはずだったが、新型コロナウイルスの流行により中止になった。
あれから4年。
一人は2児の父となり、もう一人は結婚した。
一方わたしは、職場も住所も苗字も変わらず4年前と同じ環境で今日も生きている。
他者と己の人生を比べるものでも無いが、4年の月日はわりと重いな、と改めて思う。
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27. Age of Aquarius
年が明けて3週間が過ぎた。
あの元旦の日に思い浮かんだ人たちを守りたい、今以上に大切にしたいと思った。
ほどけた距離を手繰り寄せて、会いたい衝動で強く引いて、生きている限り、いつか訪れる最期まで、大切な人に触れていたい。
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昨年は、願わくば永遠に眠りたい冬だった。
鬱陶しい春の陽気に胸焼けする日々だった。
寄せては返す波のような夏は、全てを変える秋への予兆だったのかも
23.あんた、もっと笑いんしゃい
祖母に言われた言葉が、ずっと心に残っている。
「あんた、もっと笑いんしゃい」
見事に無愛想な初孫だった。
笑顔の写真は少なくとも、祖母が持っていたアルバムには無かった。自分の笑った顔が嫌いだったわたしは、カメラを向けられてもガンを飛ばすことしかできなかった。
今更だけど、少しずつ笑えるようになったんだよ。写真に残せなくてごめん。
通夜と葬儀を終え、祖母の家の周辺を散歩していると、建物の隙間から
21.生き詰まりの妄想話
これまでの人生で、定期的に思い出す分岐点が2つある。
「あんた、東京行け」と言われたこと。
「三人目、いる?」と聞かれた朝。
わたしは全て断ってきた。
その人はいつも、かっこいい自転車に乗っていた。今思えばあれはロードバイクというものだったのかもしれない。レースに出そうなタイトな服に、サングラスがトレードマークのおじさんだった。街のあちこちで見かけるので、知らない人だったけどみんな知っていた
20.ぺトリコールとマールボロ
「俺は先に地獄へ行くから、お前も悪いことして地獄に来いよ。待ってるから。」
地獄のような絵が描けたら、ふと
彼の言葉を思い出した。
彼はたぶん、悪い事をした人だった。
孤独を愛しつつも、とても寂しがり屋だった。
彼は傘が嫌いだった。
青く澄み渡る空が好きだった。
ぎこちない沖縄訛りは
魅力をより一層引き立たせた。
本心が見えない人だった。
体温の低い言葉を交わす日々だった。
だからわたしの
19.わたしがわたしになる。
人生で初めて「女になりたい」と思った。
30歳になって数日後だった。
過去に性別について何度も考え、noteに綴った。今、当時の気持ちとは全く別の世界にいる。
▼ 過去記事
ある人と、ある約束をした。自分にとってとても大切な出来事だったので、遺しておきたくて詞にした。それが果たされなかった今、わたしは次の「なりたい自分」へと歩み出したのかもしれない。
▼ 約束の詞とその想い
ふと気付いた
16.遠くへ行きたかった
今年は感情の振り幅が大きかった一年だったように思う。
人を想い、生まれる様々な感情の一瞬一瞬が愛おしかった。
今年の初めに「遠くへ行きたい」と思った。物理的ではなく、感覚的に。
友人の活躍に心を動かされた年始。結局年末まで、人の活躍を画面越しで見守っている自分に、このままで良いのかと問いかけている。
夜中の酔っ払いにぶつけた言葉が本心ならば
わたしに寝る暇は無いようだ。
毎日同じ24時間なの