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【備忘】ソーシャルビジネスでの収益化事例と成功ポイント

①特定非営利活動法人フローレンス

概要
病児保育を行う保育所は全国に640箇所程度(保育所は全国に約2万数千箇所)しかないため、地域において子育てを終えた、子育て経験者を保育スタッフとして登録することで「脱施設(自宅預かり保育)」を図り、また「月会費制(利用者の共済型モデル)」とすることにより、経費削減と収入の安定化を図るビジネスモデルを確立した

収益面の課題
①施設維持費

病児保育の施設は保育所の数の2%しかなく、病児保育施設は行政の補助金を得て成り立っている実態であり、施設の維持は大きな課題であった

②キャッシュフローの不安定さ

病児保育の場合は、子供がいつ熱を出すかが読めない上に季節変動が非常に大きいビジネスであるため、キャッシュフローが安定しないという難点があった

課題への対応
①「脱施設型モデル」よる経費の削減
地域で子育てを終え、子育てに関するノウハウを持った母親を保育スタッフとして登録することで脱施設(自宅預かり型保育)型モデルを確立した


②「利用者共済型モデル」による収入の安定化

保険と同じように万一の時に備えて共済型で会費を集め、キャッシュフローの安定化をはかることで事業の安定化に成功した

備考
・プロボラ(外部プロフェッショナルの採用)
専門的知識を持った外部のボランティア人材をプロフェッショナル・ボランティア(プロボラ)として活用している。マーケティングのプロ、行政への提案のプロ、PRのプロ、法律の専門家といった様々な外部人材の獲得で事業を円滑に進めることができている

②特定非営利活動法人TABLE FOR TWO international

概要

アフリカ・アジアの子どもたちの飢餓と、世界・寄付者の肥満や生活習慣病の解消が同時に起きている不均衡に注目し、どちらの健康状態も改善することを目標としている
・先進国で1食とるごとに 開発途上国に1食が贈られる TABLE FOR TWO(=TFT)プログラムでは、肥満や生活習慣病予防のために社員食堂や店舗で対象となるカロリーを抑えた定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が、TFTを通じて開発途上国の子どもの学校給食になる

収益化の課題

・寄付者の確保

課題への対応

・金額と食事カロリーの設定・双方にメリットがある仕組み
一食分が20円上乗せのみであり、食事のカロリーは通常の1、2割減程度といった、無理のない範囲で取り組めるようにした
また、開発途上国の子どもたちに学校給食を上場届けるといった社会貢献が気軽にでき、参加 者自身の肥満や生活習慣病予防にもなることは、一石二鳥のプログラムとして様々な形で広がってる

③特定非営利活動法人日本タッチコミュニケーション協会

概要

全ての方々の心と身体の両面における健康増進を目指すく、『タッチ・コミュニケーション」(Ⓡ登録商標)の普及と啓発事業を行う。

具体的には、社会の将来を担う子ども達の健全育成のために『ベビー&チャイルドサポートにセンター事業、年代別・目的別・メンタルヘルスケア事業、企業向け人材研修(人間関係性機能向上による成果達成プログラム)とコンサルティング、エステブログラムの開発、指導者・セラピスト養成、他。

収益化の課題
・収益確保
乳幼児虐待予防のために、ストレス度の高い人ほど受講してほしいが、参加してもらえるセミナー料金にすると、必要経費も出ない状態になっていた

課題への対応
・認定収入の確保
『タッチ・コミュニケーション』を商標登録して、産プログラムに商標使用権を発生させ、認定収続入を得られるようにした

備考
・ベビーマッサージの効果の検証
産婦人科で親子の心経学的研究を10年以上続けてきた経験から、ベビーマッサージが母た。その結果、乳児、母親、そして父親もストレいたが、医学的数値でも検証したいと考えていた。そこで、大学の看護学の先生と共同でベビーマッサージ前後の心拍数、血中酸素、アミラーゼ検出値の変化を調査する機会を得た。その結果、乳児、母親のストレス度は下がり、効果を検証できた。

④特定非営利活動法人わははネット

概要

・地域密着型の子育て情報誌の発行 

登録者に必要な情報だけを地域や子供の年齢によって自動的にセグメントし配信する携帯電話システムを構築
・子供の発達に応じた約240日間対応の献立メニューを作成し携帯電話で配信している。
現在登録者は4,000名近くとなり、これらを活用したアンケート調査やマーケティング調査でも収益を確保している。また地元タクシー会社とは共同し、「全国子育てタクシー協会」を設立。1700名近い子育てタクシードライバーを養成している。

収益化の課題

・ターゲットへの情報発信・収益化
情報誌は本屋に置いてあるが、本屋に行かな帯いようなお母さん達を取り込むにはどうすればよいか。また外に出歩いている人達に明日こんなイベントがあるということを伝えるにはどうすればよいか。さらに、イベントでも子供の月齢や性別、地域によって本当にお母さん達が参加したいイベントを知らせするにはどうすればいいか、という点に着目した


課題への対応

・信頼性の高いアンケート・広告収入による収益モデル
本当に届いてほしい人に情報を届かせるために、セグメントごとの携帯電話情報配信システムを採用した。本当に役立つ情報が配信されることで利用者も口コミで芋づる式に増加し、一大ネットワークを構築するに至った。これによりお母さん達の気持ちを知りたい企業からのアンケートを実施し、手数料を貰うという新たな収益源が生まれ、広告収入と合わせた収益源となっている

備考

リアルな井戸から情報収集携帯電話というバーチャルな空間だけでなく、「つどいの広場事業」でリアルな井戸端も提供している。1年目は自主運営だったが、2年目より行政からの受託事業として運営している。
リアルな井戸端を持つことで、「わははネット」がお母さんのために、次にどういうことをやっていけばよいのか?の重要な情報収集の場となっている
・つどいの広場事業で事業化されたサービス
は献立を毎日配信するサービス「おうちDei」・子育てにやさしい「子育てタクシー」などがある


【参考】

・ソーシャルビジネス55選 経済産業省

・20円で世界をつなぐ仕事 小暮真久

・社会を変えるを仕事にする 駒崎弘樹


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