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ニコンFマウント・レンズではあるものの無理矢理ニコンF2にお薦めできないレンズもある?

ニコンFマウント、と呼ばれるレンズの脱着方法は古い方の東京五輪の頃からのもの。それを考えると途方もなく選択幅の広いシステムです。

が、これ1つで絞り羽根の自動化からオートフォーカスにも、電子化によるデータのやり取りまでこなしてきたのですから、もう偉い!の一言です。

そうは言いながらも、実は時代によって大きくメカニズムが変わったのも事実。本当は最近の普及版レンズの中にはF2には不向きなレンズもあります。

例えば最近のデジタル一眼とセットで売られているズームレンズには絞りをコントロールするリングが見当たらないものがあります。世の中で普及しているポピュラーなFマウントのレンズは、むしろこちらの方かもしれません・・・😢 タイトル写真もその一例.撮影出来る場面はかなり限定的です!

ニッコール・レンズのうち、Gタイプと呼ばれるシリーズなどがそれで、カメラの側で絞りやフォーカスをコントロールするのを前提に作られたレンズです。

オート・フォーカス機構を持つニコン一眼ならほぼ問題ないでしょうが、ニコンF2は電子情報のやり取りを行わないマニュアル式。コントロールするためのデータのやり取りも、絞りやフォーカスをカメラ側から電子コントロールすることもできません。

何故、ちゃんとボディにはカチッと嵌るにもかかわらず、そんなことになってしまうのか?

ここでちょっと絞り羽根の動き方について簡単に説明したいと思います。絞りの羽根が何故ついているのか?これは瞳の虹彩と同じで明るすぎる時には羽根を絞り込んで光の量を適度に減らすためです。ただ、シャッターを押す前にこの羽根を絞ってしまうと、ファインダーに映ったリアルタイムな明るい画像が暗く、視づらくなってしまいます。

そこで、早くからこの絞り羽根をシャッターを押した時だけ絞り込むようにしたのが、今じゃ聞かない自動絞りという機構でもう大半のレンズはこの自動絞りだと考えて差し支えありません。絞りの羽根を瞬間的に閉じたり、開いたりする機構がレンズとカメラ、双方に仕込まれていて、シャッターボタンを押せば瞬時にカメラボディーからテコの動きでレンズ側の絞りを動かすレバーを作動させる仕組みになっています。

この動き方はメーカー各社色々で、後ろからピンを押したり、横からレバーを押し下げたりと千差万別です。キヤノンのEOSレンズを見てみると、このレバーが見当たりません。完全に電子コントロールされて電気信号でコントロールしているからです。

Fマウントの絞りコントロールは原則、レバーの上下による物理的な動作です。Gシリーズの絞りリングを持たないレンズにも、このレバー(裏側に隠れているので外からは見えませんが)を押し下げて絞り羽根をコントロールしています。

じゃあ、ニコンF2でも使えるのかって?

いや、それが・・・・

絞りレバーはレンズをカチッと嵌めた段階で絞り羽根を常にもっとも明るい方向に押し続けます。シャッターを押す時だけ、このレバーが退避します。するとスプリングで押されていたレンズ側の絞り作動・レバ―が絞りリングで指定された絞り数値の明るさ迄、絞り羽根を絞り込んでいきます。

これが絞りリングのないGシリーズの場合だと、退避するカメラ側のレバーが引っ込んだら、レンズ側のカム・レバ―は最大絞りまで絞り込んでしまい最も暗い状態になろうとします。これを適度な絞り数値に留めるためにはボディ側のコントロールが必要になってくる・・・・それを持たないF2ボディにはその術がなく、絞りレバーが退避すると、絞りリングはその最大絞りの所まで絞り込まれます。

言ってみればファインダーでは明るく見えていたレンズも、その最大絞りでしか、使えないレンズになってしまう・・・・実はこのレバーに小細工をして絞り解放専用レンズとして機能させる手も無いではないんですが…、そのレンズを買う資本で絞りリング付きのFマウントレンズを買った方が・・・

このほかにEタイプのレンズにも絞り操作ができるリングがありません。さらにixレンズはAPS専用機、他にデジタル一眼でしか使えないDXもあるのでE,G,Xの文字を見つけたら(EDは別物です)ほかのレンズを物色してみましょう。

現行カタログに並ぶレンズの中には確かに絞りリングを持つレンズは少なくなってしまいました。でも市場に流通する旧型レンズにからはまだまだたくさんのニッコール・レンズが選べます。

カニの爪と呼ばれる小さなシルバーの突起パーツが絞りリングについていたら、フォトミックファインダーの露出計と連動させてファインダーを覗きながら露出がチェックできるかも。フォーカスリングの回し心地もオートフォーカスに比べて節度ある重みがあってイイものです。最新が必ずしも最善とは限らない・・・・。マニュアル時代の撮り心地をぜひ、もう一度経験しておいてほしいものです。そんな時代は知らないという人も是非!



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