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お手軽フィルム・カメラinstaxminiがお買い得の蛇腹フィルム・カメラでもあった新発見

最初にチェキを手にしたのはもうふた昔も前の頃だろうか?イベントの会場で来場者サービスになれば、と半ば業務的に手に入れたのだけれど以降なかなか出番に恵まれず、カバンに入れたまま落としたショックで機能不全となってしまった。壊してしまった数少ないカメラだった。

まだあの頃は消費税も5%。デジタルカメラがぼちぼち出始めの頃で、白黒フィルムもリバーサルも現像代も安かった。消費税が10パーセントに跳ね上がってから、カメラとフィルムを作るメーカーはフジだけ。コニカはミノルタに吸収されてカメラ業界からは離れてしまった・・・・・・そんな中10%tax時代に入り、おそらくはじめての新しいカメラを買った。それもフジのフィルムと一緒に!
新品ではないニコンF2やEOS1-nを買ったのはまだ5%税の時代。デジタルでもリコーのWG-30以来でこれも5%だった。

久しぶりに・・・・買うことにしたカメラは、ネットで公開できない写真を敢えてアナログで残すことにしたことと、やはりその場で写真をあげる機会が来そうだから。と思ってフィルムの値段を比べたら・・・・

インスタックスの10枚セットが800円ほど。2パックまとめて買うと、40枚で3000円相当。これには現像代もプリント代も含まれるから以後は一切掛からない。写ルンです、も二千円以下で手には入るが現像してCDにするなり何なりでもう千円以上は余計にかかる。つまり最初の一枚を手に入れるコストは圧倒的にフジフィルムのインスタックスminiに軍配が上がるのだ。

普及機種の焦点距離は60ミリ、これで長辺が60ミリちょっと、短辺が46ミリ少々のフィルム面に結像する。6×45にほぼ準じた中判サイズなのが興味深い。しかもフィルム装填前に内部を覗くと、蛇腹が伸び縮みして遮光されている。つまりアナログな蛇腹カメラの末裔でもあるのだ。

これはハイブリッド版

最近ではデジタルとハイブリッド機種も生まれたがこちらはCCDに記録した画像データを印画紙に印刷するので解像度はアナログ版が上のはず。しかもなんと言っても一台1万円弱の価格がカジュアルで気持ち良い!
候補はインスタックスmini11が最も安い9900円(実勢価格)
インスタックスmini40が、よりカメラらしい外装で2千円ほど高い。
機能はほぼ両者共通で内蔵するメカニズムも多分同じはず。
これに、新顔というか11の後継機12が登場して値段は千円ほどアップ。

どの機種も露出はオート、距離はゾーンフォーカスで近接は手動でレンズをさらに繰り出す。11と40はボタンプッシュでレンズが繰り出すが12では回転に。代わりにクローズアップ時のパララックスを防ぐため、12では初めてファインダーフレームが視差を自動で補正してくれる。これはこれで魅力。でも11にあったブラックのボディが今のところ選べない。あくまでもカラーは女子向け、おっさんは白を選ぶより他に術がない・・・・・

も少し背伸びすれば6×6サイズのスクエアなフィルムのSQ6も選べて縦横アングルで悩む必要もなく、フィルム価格も大差ないのは大いに魅力だ。デザインもなんかモダンな香りがして、いっそオレンジのボディなど選んだ日にはクリエイティブな職業をきどれるかもしれない・・・・数千円の出費を惜しまなければ、だ。

結局ブラックボディの40を購入。在庫がそれしかなかったのだ。ネットで買うのは家で待つのがもどかしく、買って帰る道すがら試し撮りする楽しみもないので駅そばのビックで購入、フィルムはヨドバシで買った。
始発電車の発車を待つ間にセット完了、さっそく最初のフィルムコンテナを装填して撮影準備完了。モーター駆動だとばかり思いこんでいたレンズ繰り出しはテコの応用。この方が素早い。ストラップ・ホールが上下二か所にあるのも首から下げて水平を保てるのでありがたい。
レンズを繰り出す動作で常時発光のストロボコンデンサーにチャージ開始。6秒後には発光準備も完了。待ちきれなくても遠景なら問題ない。強制発光のストロボは調光もされるらしくセンサー窓は2連装だ。

待つ間もなく、お目当ての電車が入線してくる。南部支線という超ローカル路線の205系2連というレア物件だ。これが最初の被写体。当たり前に写してもつまらないので自撮り用ミラーを使ってみる。
被写体をミラーいっぱいに収め、自分の顔が外れるぎりぎりのところを狙う。自分は画面に入れずに電車のみとらえる意図だった。

色温度は撮影したデジカメに依存


失敗だった。
よく考えりゃ、自分から電車の中心が見える時、カメラの光軸は実はその半分の角度を向いているのであり電車と自分の顔の半分づつが画面に入ることになる。理屈通りのフレーミングだったわけだ!

露光はレンズシャッターで最高1/250、フィルム感度はiso=800なのでFナンバーは相当絞り込まれているはず。近距離にある自分の顔は調光されていないのも無理がなく、白飛びしているのがわかる。ピントも遠景で固定だ。色調はインスタントっぽさを微塵も感じさせず素直なフィルムの発色。デイライトだから当然か。夕景でどのくらいシャッター速度を落とせるかは今度の課題。自撮りの調光も次回撮影の課題。

まあ、問題があるとすればカメラデザインが縦位置優先で横位置で撮ろうとするとシャッターボタンが遠い(右手から)左手シャッターではストロボ発光部を隠してしまうので、上下逆さに構えるとか工夫が必要。
おそらく大多数のユーザーは人物中心に撮るだろうから問題とはならないのかもしれない。撮り鉄ならば素直にミラーレス一眼でも買いなさい、ということか。

クラッシックな黒革のシボをあつらえたデザインは愛機と呼んでもらえそうな雰囲気も醸し出す。今度こそは落っことして壊さぬよう、末永く大事にしたいと思う。


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