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【妊婦エッセイ漫画③】病気未満、悪阻(つわり)との闘いー前編ー




 とにかく妊娠初期は悪阻(つわり)がひどく、あっという間に日常がままならなくなりました。二日酔いだ乗り物酔いだと聞いていましたが、そのどれとも違い、胃袋から喉元まで外から締め付けられているような、あるいは内から押し広げられているような…悪阻って、どれとも違う、なんとも言えない気持ち悪さよね、と看護師さんに言われましたが、正しくそれで。
 なんとも言えない気持ち悪さ。
 私は嘔吐まではいきませんでしたが、それでも普段通りに過ごすのは困難となり、それがずっと続きました。
 加えると、悪阻のマイナス面は、一体いつまで続くのか誰にもわからないところ、横になって安静にしていても、睡眠をどれだけとってもまったく良くならないところ、という二点でした。

 悪阻も生理痛のように、人それぞれ重症度合いがまるで異なるようですが、個々の差異が大きい場合に軽症の方を基準に物事を規定していき、「大変な人は大変らしいね~」で話を終わらせてしまわないよう、社会風潮のみならず、国や自治体にも変わっていってくれることを願いますが。
 結果、悪阻は妊娠五か月目に入る頃には徐々に治まっていったのですが、なるほど病気とは違うと云われる訳だと思いました。病気には知識と静養と栄養が欠かせませんが、悪阻にはなにも効きません。食べなければ嘔吐感が消えるという訳でもないですし、横になっているのは他に何も出来ないからであって、それで症状が緩和される訳でもありません。対処のしようがなく、ただ耐えろとはあんまりです。
 そして、私は知りませんでした。時と共に解消されたはずの悪阻の症状が、妊娠後期また現れようとは―――。


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