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契約書が基本

たまに経理や財務の担当者で凄くあいまいな言い方をする人がいる。
『○○さんがそう言ってました』とか『たぶんそうだと思います』とか。

プライベートなお話であれば別に問題はないんだけど、仕事上の話ってことになると大問題な発言だと思う。

例えば、こんな会話を考えてみて欲しい。
社長『この新しい販売先からは現金で月末に入金になるの?』
担当者『たぶんそうだと思います。』
とか、
社長『この仕入先さんへの支払いはいつも通り月末締めの翌々月末払いで問題ないんだよね?』
担当者『店長からはそう聞いています』
とか、
社長『最近デリバリー販売が増えてるけど手数料ってどうなっているの?』
担当者『営業の○○さんが30%くらいって言ってました』
とか。。。

もし経理担当者からの回答が上記のようなものだったらどう思いますか?
『たぶん』ってどういうこと?『そう聞いてます』とか『そう言ってます』って本当なの?って思いませんか?

極端な話だけど、もし仮に自社の経理担当者がこんな感じだったらたぶんむいてないから変えた方が良いと思う(笑)

ビジネス上の取引は基本『契約』だから『契約書』が絶対に存在するはず。もし、新しい販売先との商談がうまくいって買ってもらえることになったとしたら、まずは『契約書』を取り交わすだろうし、新しい仕入先に関しても同様だよね。

その『契約書』には、取引の各種条件、例えば、支払期日であったり、契約の期間であったり、細かいところでは振込手数料の負担をどっちにするなんてことも書いてある。

新しいビジネスを始める時や新しい販売先、新しい仕入先との取引が始まる時は絶対に『契約書』を取り寄せて内容を確認するべきです。

経理担当者は契約書なんて関係ないと思っている方がいるなら、今すぐ考え方を改めることをオススメする。取引は売っておしまい、買っておしまいではなくお金の受け渡しまで済んで初めておしまいになる。その条件は契約書によって決められている訳だから『契約書は経理の仕事ではない』では済まされない。

販売先との契約書上には、契約締結後10日以内に半額、残りを契約期間終了時にお支払いいただくとなっているのに、10日以上経過しているのに入金されないとなれば、当然確認の手続きをとることになる。また、契約期間によっては入金時に売上高として計上できない内容かもしれない。

また、仕入先との契約書上には、月末締めの翌月末支払で振込手数料はこちらが負担するとなっているにもかかわらず、既存の仕入先と同様に月末締めの翌々月末で振込手数料を差し引いて支払っていたら、その仕入先からは警告を受けるだろうし、もしかしたら2度と取引してもらえないかもしれない。そして、『あの会社は支払いが悪い』なんて噂話が出回ってしまうかもしれない。

デリバリー販売の手数料だって契約書にしっかり書かれているはずなので、会計処理はその内容の通りに行うべきだ。

契約書の重要性をきちんと理解している担当者は、その都度契約書を確認しているので『○○さんが~』とか『そうだと思います』なんて発言はしない。

『契約書ではこうなっている。だからこうするべき』という発言になるのは当然の流れだと思う。さらには、契約締結前に内容確認して自社に不都合がないかを経理や財務の視点でアドバイスできるようになっていければなおさら良い感じ!

自社内に法務担当者がいる場合も、そちらに丸投げするのではなく、一緒に内容確認して、自社に不利な点がないか、一方的な内容になっていないかなどを確認できるようになっていければ理想的だよね。

契約書は言葉遣いが難しいというかわかりにくいけど、何度も読んで慣れてしまえば簡単だし、自分の仕事に直結することなのだからしっかり目を通して社長の質問にも断言で回答できるようにしておきましょう!

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