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数を売るな 味を売れ

昨日夕方のニュース番組で『らぁ麺 すぎ本』さんが特集されていた。自分もラーメンに少なからず関係する人間なので興味深く観させていただいた。

すぎ本さんの修行先は『ラーメンの鬼』と言われている佐野実さんのところだったそうです。(鬼と言われているけど、実際にはとっても優しい方だと弊社社長から聞いています)

その佐野実さんが弟子の方々に贈った言葉に
『数を売るな 味を売れ』
という言葉があったそうです。

佐野さんがおっしゃった真意は、私は直接聞いていないのでわかりませんが、ネット等で調べると
『たとえ一杯のラーメンといえども、たった一人のお客さんといえども、絶対におろそかにしてはいけないんだ』という意味らしい。

私自身は店舗で働いた経験がないので、お客様へ提供するラーメンを作ったことはありませんが、とても心に響いた言葉でした。

『数を売るな 味を売れ』

飲食ビジネスの本質を短い言葉でわかりやすく表現されている。最も肝に銘じるべき言葉だと思いました。

社会人になって『仕事』を覚えていくに従った、とにかくたくさん売れれば自分の成績になるからという思考になったり、店舗運営やイベント販売などにおいては、とにかくたくさん売れという意識になりがちだと思う。

自分でお店をお持ちの経営者の方々にとっては、何をいまさら的な話だろうけど、たった一人のお客様、たった一杯のラーメンに、いい加減に対応したことでとんでもなく痛い目にあう、なんてことは普通に起きることです。

SNSがしっかりと普及し、何をするにも、どこに行くにも、すぐに検索できる世の中で、たった一人の『まずかった』という口コミがどれほどの威力を持っているか、簡単に想像できると思います。

悪い口コミを書かれるからというのも一つの要因ではあると思いますが、そもそも目の前の一杯、一人に集中できない、満足させられない店が、どうやって行列のできる店をつくれるというのか。

これって飲食店だけの話ではないと思うんですよね。

私が昔やっていた建築関連の法人営業だって、なんだって、同じだと思う。法人営業をしていたころは、そこそこ優秀な営業マンだったと思う。いくつか賞をもらったりもしたし。

たしかに『数』は売れていた。たくさんの現場を受注できていたから。では、あの頃何をやって売っていたか?振り返って考えてみると、結局『自分』を売り込んでいたんだと思う。

私という人間の特性、例えば、メールや電話の返信は早いですよ、呼ばれればすぐに駆け付けますよ、多少のわがままなら飲み込みますよ、などなど。まずはこんなようなことを知ってもらって、それこそ小さな仕事をもらって、それを全力で納めて、次は中くらいの仕事をもらって。

こんな感じなんだと思う。結局、佐野さんのおっしゃる『味を売れ』というのは、『自分』を売ることであって、その売る『自分』は常にベストな状態でないとダメというか、ベストな自分を売り続けられれば、数は後からついてくるってことなんだと思う。

佐野実さんの『支那そばや』さんは今でも行列が絶えないお店だし、佐野さんの元で修行された弟子の方々のお店もこれまた繁盛店ばかり。

自分の仕事をきっちりとやる、目の前の一杯、目の前の一人に妥協せず本気でぶつかる。

まさに商売の本質だと思う。1つのことを突き詰めた人ってやっぱり凄い!

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