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『ヒーローに、なりたくはないか?』

もう10月か。
朝のベランダ、水やりをしながら。
モズに似た声がしたので、探すも見つからず。
鳥も、散歩とか、するのかな。
そんなことを考えていたら、家に居るのがもったいなくなって。
ドライブがてら映画館へ出かけることにした。

今日は映画の日。お安く映画が観れちゃうありがたい日だったらしい。

まずは、館内の映画ポスターとにらめっこをする。
 『沈黙の艦隊』も観たい作品のひとつ。
大沢たかおさんと目が合う。
キングダム作品中の「ンォフゥッ♪」だの「ココココ♪」が、脳内で再生されて、テンションが爆上がりする。

少しだけ悩んだ末。

『ホーンテッドマンション』を鑑賞することに。
ハラハラよりも、ウキウキ。
手に汗握る!よりも、ポップコーン握る!そんな気分だったから。
 
たかおさん、さぁせん!次回、観るっす!
舎弟口調でつぶやきつつ。
ポスター前を通り過ぎてシアターへ。
 
シアター内が暗くなり、本編が開始されると。
随所に、聞き覚えのある音楽が。
気分は、まるで、ホーンテッド。
そのうち、座席がくる!っと回って、後ろ向きに坂道を降りていくんじゃないか?
そんな妄想もつかの間。
あれ?
こんなに涙腺にくる、アトラクションだったっけ?
 
完全に油断していた。
つい先日も。
油断していたせいで、ソファからずり落っこちたばかりだったのに。

がらにもなく、心をまっさらにし過ぎていたからでしょうか。
鑑賞中、感涙すること、数回。
私の純真さの象徴は、メガネ下から滔々と流れ、
デビルマンのフェイスラインを描くかのように頬を伝い落ちていたのです。
 
右隣のシートに座る他人様に、コイツ、泣いてやがるぜ!とか内心思われるのが気恥ずかしくって。
『デビルマンじゃありませんけど、なにか?』的なスタイルを貫くことに、少々気を取られることになってしまった。
 
なんたる不覚。
今日に限って、ウォータープルーフ「じゃない」マスカラ。
色は、グリーン。
まんま、じゃんか。
こんなにデビルになるつもりじゃなかったのに。
 
『ヒーローに、なりたくはないか?』

主人公が、そう問いかける場面がある。
本作中で、私がしゅぱぁん!と胸を打たれたシーンのひとつ。

だとういうのに。

『デビルには、なりたくはないかな…』

脳内で、即答していた自分に、苦笑した。
 
まぁ、デビルマンも、ヒーローだけどね。
 

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