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LET'S GET PARTYのリリースに寄せて幾つかのこと

2018年12月3日にデジタル配信された「LET'S GET PARY (feat.TO-Ka, Bro.Hi)」。僕が参加しているMellow Monk Connectionの5作品めの楽曲です。平成最後のリリースですし、個人的なライナーノーツ的なテキストを残そうと思います。

4MCについて

今作はゲストMCとして空手コンドルのTO-Kaと、E.P.OのBro.Hiさんが参加してくれています。TO-Kaはもう20年近く前からのバンド仲間。お互いのLiveで客演をしたり、Hip-Hopのユニットを一緒にやったりして、お互い気心を知っているMCです。そしてBro.Hiさんはご存知、元SOUL’d OUTのメンバーであり現在も第一線で活躍している超絶ヒューマンビートボックス&MCです。

今回の楽曲制作は、まずhatchのデモトラックにTO-Kaが主題となるフックとリリックをRECするところから始まりました。まず驚いたのはフックですが、これ本当に秀逸で、あのフレーズがリフレインされる度に「ハジける」感じが増幅される気がしました。最近の自分の場合だと、いわゆる「パーティ」という場からは少し遠ざかっているんですけど昔入り浸ってたClubとかライブハウスで何も考えずに盛り上がってた「あの感じ」が蘇ってくるんです。そしてlyricを通じて「PARTY」というキーワードで纏めてるのも如何にも彼らしくて、TO-Kaがオーガナイズしてるコミュニティとか、そういう世界観が反映されてると思います。

次にRECしたのはメロモンメンバーであるPG(aka. Noribooooone)。これまでのメロモンにおけるPGは、MCというよりも魔法的なコーラスワークのアレンジやメロディメーカーとしての立ち位置だったんですが、今回はGQ06以来となる長尺のガチなRAPを披露してます。これがPGファンとしては嬉しいサプライズで、初めてデモトラックを聴いた時には僕自身が狂喜乱舞した程です。PGはもともとのメロディメーカーとしての才能に隠れがちですけど、MCとしては日本語の使い方、尺やリズム感が独特で、聴いてて本当に気持ちがいい。頼むからもっとやってくれ、と思ってます。

そしてBro.Hiさんのパートですが、何というかもう次元が違うレベルのライムとフロウで、聴いた瞬間から圧倒されます。もともとキレキレ高速ラップの最先鋒で、ヒューマンビートボックスのスキルも含めて、口の中どうなってんだ?と驚かざるを得ない存在でしたが、こうして初めて楽曲をご一緒させて頂いて、そのクオリティの高さを痛感しました。E.P.O名義ではメロモンの4th Singleでもメインでfeatureさせて頂いてますが、ミドルテンポでしっとりと聞かせてくれるラップやフレーズといい、引き出しの多さや懐の深さも含めてリスペクトしかないです。まじ凄い。

そして最後に自分のパートなんですが、前述の通り3人のMCが凄すぎたので、自分としてはある意味でイイ感じのプレッシャーがかかり、リリックとしてもテンション的にも納得いくRECが出来たんじゃないかと思っています。はい。

lyricに込めた記憶とか想いとか

すごく個人的な事を書くと、僕の考える「パーティ的」なイメージは、いわゆる今回の曲のテーマになってる「パーティ」とは少し違うのかなと思っています。もちろん僕も20代を通して、Clubカルチャーやライブハウス、フェスといった熱狂には触れてきたんですが、性分としてはインドア寄りの要素が多少強かったりしますし、近年ではオフラインよりもオンラインでのコミュニケーションのほうを好む傾向にあります。むしろ人が集まる「パーティ」的なものよりも、コンピューターRPGの「パーティ」の方が圧倒的に身近な人間になってる。さらに子供が生まれてからは、よりそうした「場」へ出かけていく機会も物理的に減り、こうしたパーティチューン自体に現在の自分がちゃんとシンクロ出来るのか、不安な部分が相当ありました。

そして前述の3人のライムやフロウ、リリックを踏まえ、リリックを書き出す訳なんですが、年齢を重ねた今、どうせパーリーピーポーでも何でもないのだから、そうした「場」やそこに集う人々のライフサイクルを自分の記憶と共に一旦ちゃんと整理してから表現しようと考えました。そうして出来たのが今回のリリックです。

考えてみれば友人や仲間も含め、様々な人達が「場」に集い、流れ続けるクールなグルーヴが身体を勝手に動かして、気がつけば夜が更けていく。そんな「場」を繋いでくれる人達が、入れ替わり立ち替わりシーンを存続させるために「パーティ」を続けてくれた訳なんですよね。そして名前も知らない人達との刹那的なコミュニケーションはどこかオンライン上のコミュニケーションとも通じる事もあるけど、やはりフィジカルに記憶された思い出は強く残る気がします。そんな記憶から蘇ったのは、Beastie Boysの「BODY MOVIN'」や「ブギーバック」だったりして、自然とフレーズにキーワードがハマった様な気がします。

もう一つ。おそらく数人は気づいたと思うんですが、最初の16小節のラップはSNPT時代のある楽曲のラップをベースにリリックを再構築しています。自分が一番シーンに時間を費やしていた頃のリズム感がどうしても欲しくて敢えて引っ張り出してきたんですが、何とかうまく今の言葉とも融合できたと思います。そしてその時期の記憶を思い出そうとすると、必ず打ち上げでPGがずっと喋ってるシーンが思い浮かぶんですよね。(今も変わらないですけど。)

まぁ、続けてくれる人達がいるからこそ、戻って来れる人もいる訳なので、これからも「とにかくパーティを続けよう」と唱え続けたいと思う次第です。


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