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お米作り ~備忘録~

米作りの工程は、農家によって多少の違いはありますが、大まかに分ける事が出来ます。まずは緑化まで。。

1.選種

種や苗を購入する場合もありますが、私は基本的に自家採取をしています。その際良い種を選別する方法として『塩水選』という方法を利用しています。水槽の中に塩を入れ、塩分濃度を変えることで、比重の軽いお米を選別して、比重の大きな充実した種子を選び出すという方法です。私の中では

比重が大きい=胚乳が豊富

という仮説のもとにこの方法を取り入れています。胚乳というのはお米のミルクとも言えるもので、発芽~第3葉を完全に展開・育てるための栄養源とされています。この胚乳が豊富であればしっかりとした苗が出来るのではないかという考えです。

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2.温湯消毒

苗を作る際、病気を防ぐという目的で基本的には種子の段階消毒を施します。慣行農法では農薬を使用することが一般的ですが、農薬を使わない事を大前提としているので、私は『温湯消毒』という方法を利用しています。60℃のお湯に10分間。これによりバカ苗病・いもち病・立枯細菌病などの予防になると言われています。

3.浸種

種籾に水分を吸収させ、芽を出す準備をさせる工程です。ここがうまくいけば発芽が揃いやすくなります。多くの苗を同時に・同じ田んぼに定植する田植えの場合、成長が揃っている事が元気なお米を多く育てやすい条件になってきます。一般的に言われているのは積算温度で100℃。例えば10℃の水槽であれば10日。5℃の水槽であれば20日間。。

しかし昨年の反省点の一つとしてまず、この浸種の温度と日数があります。ある調査では、温湯消毒した種子を浸種する場合、低温浸種により発芽率が低下するという結果が出ています。

温度

さらに長期間になるとより悪化する。という結果も。今まである農法を参考にしていたため、浸種の時期が寒かったため、浸種の温度がかなり低く、また浸種日数が17日と長期になっていました。今年は

水温11℃~12℃ 日数7日~9日

に設定していく予定です。ここを徹底して発芽率にどう影響が出るのか。データをしっかりとっていきたいと思います。

4.催芽

発芽に必要な水分を蓄えた種籾を一斉に発芽させるための準備です。催芽機にいれて30℃~32℃を目安に、発芽(90%程)させる工程です。

5.播種

田植えをする際、田植え機を使用する場合は「苗箱」に苗を作っていきます。その際の種をまく量を設定します。色々な考えをもとに播種量を決めるのですが、今年は150gを目安にしていきたいと考えています。その理由として

苗の定植時期

があります。今年は田植えを2.5葉の時期にしたいと考えています。この時期になると胚乳の残数が5%程となります。しかしこの残り5%が田植えをした後、活着のエネルギーになると考えているからです。「活着」というのは田植え後苗がしっかり根を張るという事です。この活着がしっかりしていたり、早い事がその後の除草対策に大きく影響が出てきます。

その2.5葉の苗をするのに適している量が、一つの苗箱に対して150gだと言われているのです。これも本当かどうかはわかりませんが、今年はこの量で実験してみたいと思います。

6.出芽

一斉に出芽させるため、出芽機にいれて調整していきます。出芽温度の目標30℃。出芽長は1㎝以内を理想としてあまり伸びすぎないよう意識します。

7.緑化

出芽したての苗は、まだ白く緑化させる必要があります。そのための期間が「緑化」です。理想とされる温度は20℃~25℃。夜は15℃以下にならないように。

ここまでが、まず神経を使わないといけないポイントだと今年は感じています。天候、日差し、温度、濃度、時間。今年はきっちり目標値を目指して、最優先にスケジューリングし、記録を残していきたいと思います。


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