失敗を見届ける


話は三女(0歳)が生まれる前の今年5月。


コロナによって私たちは夫婦揃って在宅勤務の上に、
長女(4歳)と次女(1歳)の保育園は休園という状況だった。

夫と私、都度Work スケジュールを共有し、互いの忙しさのピークやテレビ会議の時間帯が重ならないように工夫しながら、子2人の遊びにも付き合いつつなんとか、かんとか在宅勤務で仕事をしていた。

本当に“なんとか、かんとか“という言葉がぴったりくる状態だった。

今思い出しても結構辛い状況だったけれど、いい事もあった。

それは長女(4歳)の「失敗を見届ける」難しさとその大切さに気づけたことだ。

長女(4歳)は失敗やうまくいかない事が嫌いで新しいことには躊躇する性格だ。

私が工作しようと誘っても、
「線に沿ってちゃんとハサミで切れないから」とか、
「どうせ上手に作れないから」・・・etc
とまだやってもいないのに、やりたがらない。

工作だけじゃなく縄跳び、折り紙、ブロックなんかもそんな調子。。

「失敗してもうまくいかなくてもいいじゃん!やってみよーよ!!」
と声をかけてイマイチ。。

そこにきて家族全員自粛生活で保育園休園となり有り余る超自由時間。
パパもママもあんまり構ってくれない。テレビも飽きちゃう、妹(次女・1歳)も遊び相手にはならずつまらない。

その結果なのか、長女(4歳)は色々と挑戦するようになった。

折り紙を使って完成にはたどり着かなかった涙ぐましい試作品の数々。
画用紙にストローや折り紙、木の葉っぱなんかをテープでくっつけた作品。

折り紙が上手に折れなくても、思った通りに絵が描けなくても、
うまくいかなかった事と自分の気持ちに折り合いをつけているようだった。

長女(4歳)の変化を肯定的にみていた私がふと気づいた事。。。。

それは私が彼女の「失敗に慣れる」という重要な機会を奪っていたのでは、、という事だ。

自粛生活前は、朝の支度はほぼ私がやっていた。

朝食、歯磨き、顔を洗う、着替え、保育園の持ち物準備、連絡ノート記入、
靴をはく、チャイルドシートを閉める。

保育園到着後は、靴を靴箱に入れる、タオルを所定位置にかける、着替え洋服を自分の引き出しにしまう、連絡ノートにシールを貼る、、等。

長女(4歳)ができる事もあったけど、無意識に私がドンドンやっていた。

“子供たちの失敗=私の手間が増える・時間がかかる“と考え、
牛乳をコップに注ぐときに溢れたら私が床を掃除しなきゃいけない、
保育園タオルやお着替え洋服を入れるのも、長女に任せたら、間違えてお友達のロッカーに入れちゃう、、そんなわけで私がチャッチャとやった方が早い。

でも、私の↑のような考えが無意識のうちに長女(4歳)に伝染して
失敗したり自分でやるのが嫌になってしまったのかなぁと私は反省した。

だから、「このままやったら絶対失敗するだろうな、、」と長女(4歳)の行動を見つつ、その失敗を見届けることにした。

毎日やる事ないから時間は沢山、失敗をしても時間が足りないなんてなかった。

その後、自粛生活が終わり保育園が再開された後もそれを続けたけれど、
でも、これって本当に親の忍耐力がいる(驚!!

「そうじゃなくて、こうやるんだよー!」とか
「そうやってやったら上手くいかないよ。だからこうしなよ!失敗するよー、ほら、失敗した。。」

なんて言っちゃいけない。

多少の間違いやうまくいかない事には目をつぶって、口出ししないのって本当に私にとっては難しい事だった。
だって数秒後に訪れる失敗が私には既に目見えているんだもん。

そんな調子なので保育園での朝のお支度と帰りのお支度に異常に時間がかかる。

この待ち時間は私は“待つ“を辞めて、幽体離脱(笑)のように、
何も考えずぼーっとすることにした。(そうしないとイライラいする為)

私の後にお迎えに来たお母さんは子供を連れてさっさと先に保育園を後にして、ドンドン取り残される長女(4歳)だ。

こんな気持ちを知ってか知らずか保育園の先生が私に話しかけてくれた。

「○○ちゃんのママ、○○ちゃんの事ジッと待ってあげて偉いですね〜〜。
ママの忍耐力を数値で測る機械があったら測ってあげたい。」

先生、マジでありがとう・・・涙。

試される私の忍耐。。


先日、「鉄棒で前まわりができるようになったのでぜひ見て欲しい」との申し出が長女(4歳)からあった。

鉄棒を練習しているなんて初耳だからちょっと意外だったけど、上手に前まわりができるようになっていた。もしかしたら、この子は失敗を見られるのが嫌で、コッソリ練習する「コソ練」タイプなのかも、、と思ったりした。

そのような私の態度の変化が効果があったのかどうかは定かではないが、
(効果があった!と思いたい、、)
兎にも角にも、私の忍耐力がグレードアップした事は確かであり、コロナの自粛生活もいい部分はあったな、と今更ながら振り返る。

だからと言って、絶対に戻りたくはないけど。。。



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