【スピンオフ】私立アルケミスト学園高等部 第一話 吉郎、編入

「ヒーローは遅れてやってくる！！」スピンオフ

私立アルケミスト学園高等部

［第一話］ 吉郎、編入

　吉郎は都内の高校に通う高校二年生。しかし、遅刻、居眠り、サボり魔、仮病で早退の常習犯で留年の危機に直面していた。
「やっべー！　今日遅刻したら出席日数足りなくなっちゃうよ！！」
　通学路を全力でダッシュしていると、目の前でご老人がぶっ倒れた！！
「おいおい、マジかよ！　じーさん大丈夫か？」
　吉郎はあまりの出来事にすかさずご老人の救護に当たった。内心では、
（こんな時にこんなアクシデントだけどこれは仕方ないよな！　人命第一だもん、もう留年確定したけど仕方ないよね！）
と繰り返していた。
　ご老人は吉郎に声をかけられると、ピシッと立ち上がり吉郎に握手をした。
「君は優しい心を持った素敵な学生だね。君が望むことなら何でも力になろう」
　吉郎はピンピンしているご老人にビックリしてこう言い放った。
「仮病だったのかよ！　サイテーだな！　俺、今アンタのせいで留年確定したよ！！」
　ご老人はそれを聞いてこう言った。
「なるほど、留年か！　君は見たところ高校生だね？　よかったら私の学園に編入しないか？」
　ご老人の粋な計らいで吉郎の入学手続きはとんとん拍子に進んだ。
「私は理事長のゼリオンだ。よろしく頼むよ」
　というわけで、吉郎はご老人が理事長を務めている私立アルケミスト学園高等部に編入することとなった。

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ヒーローは遅れてやってくる！！第一話