【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十三話 前編 協力者
[第三十三話 前編]協力者
バークヒルズの面々はカズラに言われるがままに真っ白な高級車に乗せられ、どこぞへと運ばれていた。質のいい革の座席シートと赤絨毯が妙に落ち着かない。窓にはカーテンがされていて通りを眺めることさえできなかった。
「ねえ、ジョン。この車、どこに向かってるんだろう」
「わからない。でも、多分普通の所じゃない」
「だよね」
ジョンの口調が堅いのでニッキーは安堵した。何やら普通じゃなさそうだという緊張はニッキーだけのものではないとわかったからだ。