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性的に「不適切な関係」と生活保護の、密接な関係

 2024年2月8日、1本のプレスリリースが、江戸川区ホームページでひっそりと公開されました。

江戸川区:2024年(令和6年)2月8日 生活保護事務を担当する区職員の不祥事

 江戸川区には福祉事務所が3つあり、そのうち1つに勤務する20歳代の男性ケースワーカーが、2024年11月、担当する生活保護制度利用者(女性)と勤務時間中に「不適切な関係」を持ったということです。それ以上の詳細は、現在のところは公開されていません。

 訪問調査がケースワーカーの業務の一つとなっている以上、男性ケースワーカーが女性しかいない受け持ち世帯のお宅に上がり込むことはあり得ます。必ずしも性的な意図があるとは限らず、「靴のまま上がり込んだケースワーカーに、タンスの中を全部調べられた」という話も聞いています。不正ではなくても、誰にでも見られたくないプライバシーはあるものです。でも、「隠すということは、やましいからだろう」と言われたら、言いなりにタンスの中でもなんでも見せてしまうことが多いでしょうね。もしもタンスの引き出しの中に勝負下着があって、それについての感想を述べられたら、明らかなセクハラということになるのかもしれません。

 明らかなセクハラになるところまで待っていると、深刻なセクハラになるまで問題にできません。というわけで、現在は「性的な関心や欲求に基づく言動」「性別役割分担の意識に基づく言動」「性的指向や性自認に関する偏見に基づく言動」 のすべてがセクハラとして認知されるようになっています(参考)。また「男性から女性へ」だけが問題というわけでもなく、同性間のセクハラ、あるいは女性から男性へのセクハラも広く認知されるようになりました。

 とはいえ、ケースワーカーと生活保護制度利用者の間には、非常に大きな権力勾配があります。ケースワーカーは、生活保護制度利用者の生殺与奪を左右するのも同然のスーパー権力者なのですから。

 ケースワーカーに性的関係を迫られた生活保護制度利用者の話は、実は結構な頻度で耳にするものです。ただし記事化するとなると、生活保護を利用していたり利用したことがあったりするご本人の身の安全を確保しつつ、事実関係を確認する必要があります。事実関係の確認、いわゆる「裏とり」が出来ないのなら、記事にすることはできません。

 というわけで、当事者の方にご経験を語っていただくフォームを用意しました。事実であるかどうかは確認できないとしても、当事者の方が経験して記憶している事実をお聞かせいただければと存じます。

 お身近に、そういうご経験をお持ちの方がいらっしゃる皆さま。
 どうぞ、このフォームを教えてさしあげてください。
 記事化や働きかけに使わせていただくお約束はできませんが、読ませていただくことはできます。

ノンフィクション中心のフリーランスライターです。サポートは、取材・調査費用に充てさせていただきます。