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ちゃんと見つけてもらえるFAQ記事にするためにしたこと

この記事は、CS HACK Advent Calendar 2021の12/12の記事として書いています。

こんにちは。のせです。
今日は、CS HACK Advent Calendar 2021 の記事として、今年行ったセルフサービス強化の取り組みについて書きます。

はじめに

自己紹介

改めまして、GMOペパボの野瀬と申します。

<簡単な経歴>
大学生の時にホスティングサービスのカスタマーサポートとして、アルバイトでペパボに入社。
以来、CSCustomer Service一筋でお仕事しており、今年でCS歴15年になりました。

<現在のお仕事>
2020年のCS組織体制の変更にあわせて、QCQuality Controlチームをリードする役割を担うこととなり、現在はより良い顧客体験を提供するためにCSの品質管理領域における課題解決に取り組んでいます。

ペパボのCSは、ざっくり言うと2つのチームでできてます

GMOペパボとは

GMOペパボ株式会社は「もっとおもしろくできる」を企業理念とし、インターネットで可能性をつなげる、ひろげる会社です。
ホスティング、EC支援、ハンドメイドといった分野で複数のサービスを展開しています。

https://pepabo.com

セルフサービスの強化に取り組んだ2021年

今年、品質管理体制とセルフサービスの強化に取り組んできました。
そのなかで、今回はセルフサービス強化のために行ったアクションの1つを紹介したいと思います。

事例:FAQ検索で適切な記事が見つけることができない状況の改善

この事例は、FAQを活用し自己解決しようとしてくださったにもかかわらず、FAQ検索で適切な記事を見つけることができない状況を改善するために行なったアクションです。アクションに至った経緯を含め、書いていきます。

FAQ検索で”検索結果なし”となっている要因を調べることにした

FAQの改善に取り組むにあたり、FAQ検索の利用状況レポートの中で、わたしが注目したのは「”検索結果なし”となったキーワード」に関する項目でした。
なぜかと言うと、FAQ利用者にとってもCSにとっても、悲しい状況しか浮かばなかったからです。

頭に浮かんだ悲しい状況😢

悲しい状況を回避するために、”検索結果なし”となっている要因について調べることにしました。

”検索結果なし”となっているキーワードを精査し、分類することにした

”検索結果なし”となっているキーワードをざっと眺めると、そもそもなぜこのワードで検索されたのか分からないものも多くありました。
そのため、まずは「意図がわかるもの」「意図がわからないもの」に大きく分類することにしました。

検索の意図がわかるかわからないかを分類してみた結果

意図がわからないものについては対策が難しいため、次は意図がわかるキーワードに絞って、”検索結果なし”となってしまった要因で分類をすることにしました。
このとき、最初に分類を決めることはせず、「これとこれは似てる」「これはちょっとちがうな」と大まかに分けていき、最終的に5〜7つくらいになるように調整していきました。

分類を進めていくと「意図はわかるのだけど誤字など入力ミスによるもの」など、意図がわからないものと同様に対策が難しいものが含まれることがわかってきました。これらについては、この段階で改善対象から除外することにしました。

最終的には、検索結果なし”となっているキーワードのなかで「意図がわかる」かつ「対策が可能な要因」だけが残り、5つの要因に落ち着きました。

対策可能な要因の中で、一番多かったのは「表記相違」

最終的な”検索結果なし”となっているキーワードの要因分類

5つの要因の中で、最も多かったのは「表記相違」でした。
これは、検索キーワードに関連するFAQ記事が存在するにもかかわらず、FAQ記事内で使用されている表記と一致しなかったことが理由で、”検索結果なし”となっていたキーワードが分類されたグループです。

具体的な例を挙げると、FAQ記事内ではサーバーの乗り換え・お引越しを「移転」という表記で統一していた場合、「乗り換え」「引越し」「引っ越し」「引越」といったキーワードだと記事内の表記「移転」と一致しないため、求める内容(サーバーの乗り換え・お引越し)についての記載があるFAQ記事は存在するが、検索で見つけることはできないという状況であるということです。

表記相違による検索結果なしをラベル付けで改善を試みる

FAQ記事内にある単語と一致していなくても、同じことを指している場合には関連記事が検索結果に出てくるように「表記相違」が要因だったキーワードをラベル※として設定する施策を実施することにしました。
※ラベル=Zendesk Guideの「ラベル」

前項に記載した例の場合だと、サーバー移転に関するFAQ記事にラベルとして、記事内で使用していない「引っ越し」「乗り換え」「引越」をラベルとして設定することで、FAQ記事内の表記に一致しなくてもラベル設定しているキーワードと一致すれば、該当の記事が検索結果に表示されるようになります。

なお、ラベル設定の作業自体は難しくないのですが、対象の記事数が多いとやっぱり作業は大変です。記事作成時に想定できる表現は、先を見越してラベル設定しておくことをお勧めします。

FAQ記事へのラベル設定により、大きく改善した

「表記相違」が要因だったキーワードをラベルとして関連するFAQ記事に設定する施策を行なった後、実施前と実施後を比較すると、 FAQ検索で”検索結果なし”となっているキーワードは約6分の1となり、大幅に減少しました。

また、「表記相違」が要因の”検索結果なし”は、0件に!
こちらも大きく改善しました。

”検索結果なし”となっているキーワードの全体数と要因の変化

さいごに

今回FAQ改善のアクションとして紹介した事例では、”検索結果なし”となっているキーワードの中で最も多い要因だった「表記相違」にターゲットを絞って、FAQ検索で適切な記事を見つけられない状況を改善できました。
しかし、今回実施した施策で全ての表記や表現のゆれに対応できたということではなく、今後も定期的にFAQ検索の利用状況をモニタリングし、継続的に取り組んでいく必要があると考えています。

できるだけ具体的に取り組みを紹介したいと考えたため、局所的なお話になってしまいましたが、みなさんの参考になる点があれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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