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あなたを困らせるだけのもの

瞳に涙が膜を張る
胸の奥の方、手が届かないもどかしい部分がじわっと昂ってきて
掴めないのに、その熱を手中に収めたくて
心臓の前でぎゅっと手のひらを握りしめた

ああ、この感覚
身体の奥底から何かが這いつくばって、全身を覆いつくす快楽
久しぶりだ、まだ自分の中にあったんだ

わーって感情が込み上げてきて
その出所を辿ると、下腹部のほう、生命が宿るところあたり
頭で考えるのでもない、心が感じるのでもない
本能が熱を生み出している

誰に対してでも湧き上がるものじゃない
自分の中の、見えない何かが彼の全てに反応してる

熱い
叫びたい
身体を真ん中から裂きたい

そうしたらこの何かに名前が付けられそうな気がする
あなたの目の前に差し出して、あなたが私の中に生み出したものを
示せるのに

だけどそれはやっちゃいけない
あなたを困らせることになるだけだから

だから、ここに書く
読まれたくないラブレターとして

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