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Vol.1 目眩の世界へようこそ!

ワールドクラスの波、クリーンな空気と水、豊富なオーガニックの食材に囲まれたパラダイスのような環境に住み、大好きなことを仕事をしながらサーフィン中心の夢のような生活していたファミリー。
なぜ突然全てを手放し、バイロンベイからヨーロッパへ飛び出したのか?
モーターホームで生活しながら旅するその理由、そしてそこにたどり着くまでのリアルなストーリーとトラベルジャーナル。


ごく普通の生活を失って初めて出会う世界

@ Ryuichi Komiya

家族で楽しい週末を終えたある日曜の夜中、突然の吐き気、下痢と、ものすごい目眩に襲われて目が覚めた。
ベッドの上で吐いてしまいそうだからトイレに歩いて行きたいのに、身体を動かすとグワングワンと視界が回って立ち上がれない。
また床に座ると吐き気と今度は下からも出てきそうな気配。
「ここで吐いちゃったら掃除するの大変だから」とかこんな状況でも色々と考える、でももう立てないし、我慢できないし。。。そして最終的にはベッドの上もカーペットの床にも吐きまくりながらトイレまではって向かった。
何度も嘔吐と下痢を繰り返し、身体の中に存在する物質は全て出し切っただろうと思えるほどに激しい放ち。1時間くらいトイレの便器に抱きつきながら出し切った後には、疲れ切ってバスルームの床で眠っていた私。
吐いてる時も何度も助けに来てくれた旦那さんだけど、長丁場だったのでもう先に眠っていた。
寒さで目が覚め、私はまたベットへとはって帰り深い眠りへとついた。
朝目が覚めると、気分が良くなってるどころかグワングワンと視界が回りまくって、どっちが天井で床かわからないほどに目眩が酷くなっている!

これって死ぬ前なのかな。。。」

こんなに具合悪くなったことは無いかもしれない、不安と恐怖に包まれた私は、完全に思考に持っていかれた考えで頭はいっぱい。
家族はみんな心配してるけど、誰もどうにも出来ないこのコンディション、目を開いても閉じても視界は永遠と上と下ぐるぐる回っている。
頭や目線を動かさないでいたら大丈夫でいられるポイントを発見。。。ってな感じで、とにかく数日ベッドで安静にしていた。
なんでこんなことになっちゃたんだろう、ただの食あたりかと思ったら何日経ってもよくならない酷い目眩。
”もしかしたらもう一生治らないのかな?
立ち上がるようになったら早く検査に行かなきゃ。”
数日後、まだ続く酷いめまいで安静にしていた私はあるお友達とミーティングの約束があったことを思い出し、参加できないとお詫びのメールを送った。
そのお友達から帰ってきた返信はなんと
"Welcome to the spinning world" - ”ぐるぐる回る世界へようこそ”
そこには物質世界から飛び抜けたあっち側の世界の意見がものすごく長ーく書かれていて、ベッドから飛び出しそのメッセージを真剣に読みだした。


天から届くお便り

「こんなこと言っちゃ悪いけど、君がこの世界に飛び込んできてくれて嬉しい!」
病人に向かってなんて失礼なメッセージ!とお友達のメールを見て笑ってしまった。この方はつい最近出会い、電話番号を交換しお友達になったばかりの、Hawaiiからバイロンに遊びに来ていたとてもスピリチュアルなサーファー。
彼に出会った瞬間に、”この人とゆっくり座って話さないといけない!何かこの人から受けとるべきものがある”と即座に感じた。
その直感は鋭く、はっきりとしていたので迷いも恥ずかしさもなく彼の連絡先を聞き、
会う約束をした。しかし目眩が酷すぎてそれどころでは無いとないという気持ちでいた私の元に、まさかもの凄い長〜いメールを送ってくれてしかもこんなにDeepな会話が出来るとは!

内容は簡潔にするとこんな感じ。。。

「目が回る・物事が回転し続けて見える・天と地が回転し続ける。
どんな回転する動きにも台風の目のように静かな静止点が中心に存在する、そこに辿りつきなさい。バレリーナが何十回転もする時、彼らは一点を見つめているように。
全てが静止するその究極の点に行き着くとそこにはPeaceが存在する。そこに辿り着けたら静かに座って瞑想しなさい。
それはそれは衝撃的なメッセージだった。

”なんの病気だろう?早く検査に行かないと。”
”私が死んだら子供たちは大丈夫だろうか?”
などと肉体的な心配ばかりして完全に思考に持って行かれていた私を、瞬時にハートへと戻してくれた彼のメッセージ。

”すごく腑に落ちる!よし、その静止点を探そう。”

そこからの流れは早く、心地よい静止点を見つけられると、目眩をコントロール出来るようになる程になった。それは回復というよりも理解して受け入れることで自信が生まれたといった感覚。

静止点を見つけては静かな時間をそこで過ごした。
まさに台風の目のよう。
私が静止点に行く練習をしている最中もそのお友達は毎日のようにメールで経過や体調、マインドのコンディションなどを細かくチェックしながら、サポートするような言葉を送り続けてくれた。
「静止点を見つけたの!そこで心地よく瞑想できるようになったわ。」数日後私は返信を送った。そしてまたまた長〜い返信が返ってきた。

「Ok,素晴らしい!では次のステージは、上と下に回転している今の回転方向を水平に回転させてみよう。」

????なに?

私は食い入るようにメッセージを読み続けた、まるで命を救ってくれる天からのニュースレターが日々届くようにすら感じた。

向かい風を追い風に

また新しい朝が来て目覚めると、どんどんとめまいが軽くなっている事に気がついた。気分もどんどんと軽くなって来ている。

天からのニュースレターを期待して携帯の電源を入れると、メッセージが届いていた。
「回転方向を水平に変えることで平らな状態でにスピンしている渦はエネルギーの象徴であり(水が流れるときなど渦を描くのと同様)その回転するより高まったエネルギーは上昇して行く
それはトランスフォーメーション(変容)が訪れる時

Wow!何という見解、そんなふうに考えた事なかったなー。見方を変えるだけでこんなにも世界観が変わるなんて…

このメッセージを読んだ瞬間から完全にスイッチが入った私!!!

この目眩も、この天からのメッセージをくれる彼に出会ったことも、全てが完璧でこうなるべくしてなったんだと全てがふに落ちた。
自分自身のことを分析すると、私はかなり単純で直ぐに信じるタイプ、でも直感だけは鋭い方なので信じすぎてがっかりすることも多いけど、行き先は間違ってないタイプ。笑

健康って本当に大切だな、立ち上がれなかったら何もできない。だけどこうして動けない時間を味わうことで本当の価値を見いだすことが出来ることもとても有り難い。
向かい風が一気に止み、追い風となって私の背中を支えてくれる感覚がした。身体がすっきりとするまで、とりあえずメディテーションをしながらいろんな想いや考えを整理して行こう。沢山水分を取り、シンプルかつ栄養価の高い食を撮ることに徹底し、身体の回復をゆっくりと待った。

目眩が届けた新しいトランスフォーメーション

目眩が私の元に訪れる寸前まで、私とパートナーであるマイクは別居する・しないレベルの夫婦関係が続いてた。2人の間にスペースを持てば物事は変わるかも?と、子供達も行ったり来たりできる距離に私と子供達3人でも十分に住めるような家を探していた。
なかなか家も見つからず、出て行くにも色々と大変で。でもようやく腹をくくって2軒の家に借家の希望を提出した。
しかし両物件ともに貸すことが出来ないとの返事、がっかりしたのと同時に、あー出ていかなくていいんだ!(笑)いいも悪いも無く、両方の気持ちでいっぱいだった。

”OK、じゃあ今は別居してスペースを持つタイミングではなく、違う方法だ”と素早く割り切った私。
どんな夫婦だってこんなUp&Downはある、背けたい時こそ、お互いの目の奥をより深く見るべき時だったりもする。
とにかくこのまま行けるところまで行ってみよう、別れることはいつだって出来るから、最後まで燃え尽きてみよう、ダメならそれから考えればいい。

かなり体調も回復し、自宅の1階と2階を普通に行き来できるようになると
今晩がタイミングだ”と感じた。ベットの中で整理した自分の中にある想いや考えを外に出す時だ。
「子供達を寝かせたら話したいことがあるの」
静まったダイニングルームにマイクを呼び出し、私は自分なりに整理したことを一言にまとめて彼に伝えた。

「旅に出ようよ!」
「全部手放して、すべてから離れて、ずっと夢に見ていた旅に出よう。」

その言葉を発する時は、緊張も、彼がなんて返事するか?どんな言葉で伝えよう?などの考えは一切頭の中になく、座ってお互いの目を見合ったときに水が流れ出るようにスムーズに私の口から出て行った。

そしてマイクの答えは…
たったの一言「僕も君が回復したら同じことを言おうと思っていた。」

何というミラクル!

私がぐるぐると目が回りベッドの中で休んでいる時に、彼もきっと色々と想いや考えを整理していたんだと思う。

旅に行きたいという考えはこの5年くらいふたりの間に出てくるトピックであった。
私はいま現在の生活全てに満足していて、どこかに行く理由もないけど家族でヨーロッパをキャンパーでいつか周りたいという漠然として夢があった。でもそれは”いつか行きたいね”といった感じ。
マイクはと言えば、まず家を買ってその家を貸し出す。戻ってくるときにも”HOME"があり安心、それが収入になるようにセットアップしてから行けば尚更安心。そして母親の側にしばらく住むのも、今しかでいない親孝行になるだろうと。
そんなこんなで、行く?いつ行く?そのうちだね。と言った感じのまま時は流れた。

全てはタイミング。
お互い同じタイミングで今だ!と感じれたことが私は何よりも嬉しかった。
私たちは深いところでしっかりと繋がっている。
表面上の食い違いは沢山あっても、大切なところがしっかりと、がっちりと噛み合っている。だから私たちはまだ一緒にいるんだ。

「やっぱり私たちって、すごいね!」
そう言いながら抱きしめあった。


次回のVol.2では、行くと決めてから出発まで流れる、エモーショナルな日々の動きと準備のお話。
全く予期せぬ、人生で一番の断捨離と大掃除となりました。


3 little spirals instagram  https://www.instagram.com/3littlespirals


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